ラグビー界のブラックボックス

今日は自分がラグビー界、特に指導者の立場になってから思うようになったことについて書きたいと思います。
ラグビー界にはあまりインターネットや本で触れられることのないブラックボックスがたくさんあります。ゲームを通しての戦術などは、部外者による分析が比較的すすんでおり、情報を得ることが少しではありますが可能になってきました。
しかし、SNSにおけるラグビークラスタが増えた現在でも滅多に触れられることのない重要な要素があります。

それがスクラムです。

もちろんスクラムの大雑把な組み方、押し方などは外から見ても理解することができると思います。ルールも同様です。
しかし、突然スクラムの仕組みを細かく説明しろと言われてできるものでしょうか?
パスやキックは見た通りに体からボールにエネルギーが伝わっているので、説明しやすいと思います。また、こうしたテクニックはインターネットや本にも多く書かれているので習得は比較的容易です。

こうしたスキルついて書かれている本は多いですが、人数が多くなって複雑なエネルギーのベクトルが絡み合うスクラムに関して細かく書かれている本はありません。

選手はこうしたスクラムの技術や考え方をどこから学んでいるかというと、当然のことながら所属しているチームのコーチです。
では、そのコーチたちはどこから学んだのでしょうか?
自分がプレーヤーだった頃の経験をもとに指導しているのでしょうか?
言わずもがな、ラグビーは常に進化しており、スクラムも同様です。
このスクラムのトレンドにキャッチアップするためには、情報が絶対的に必要です。
指導者同士の交流などから情報を仕入れることはあるとは思いますが、そうした立ち位置にいる指導者は日本に何人いるのでしょうか。

国内の指導者のほとんどがスクラムについて最新の考え方を理解していないのではないかと感じます。
また、高校レベルまではスクラムに関する知識はそれほど要求されません。
そのため、大学レベル以上の指導者というとても少数の人間がこうした知識を握ることになります。
しかし、スクラムは現代ラグビーでの勝敗を決める大きな要素であり、特に体格で劣る日本人が世界と戦うためには、早い段階から習得すべきものです。

キックやパスのスキルはとても基礎的であり、もちろん需要があります。
そのため情報の供給も多いです。
しかし、スクラムの戦術、技術なども同様に需要があるのではないかと思います。
プレーヤーにとってチームに所属している間はそこでの教えがすべてかもしれません。しかし、新たな知識に飢えている指導者は山ほどいると思うのです。

もちろんスクラムにおける戦術を公開するということは自チームの戦術を明かすことですから、すすんで行う人はいないと思います。
ただ、もしトップレベルの指導者の方がこの記事を目にしているのであれば、世に出ていない情報を公開することが未来へのラグビー界への投資になると信じて行動してほしいです。

また、これを読んでくださったラグビークラスタの方にはスクラムやラインアウトなどの専門性が高い分野の分析などに力を入れてみると面白いということを伝えたいと思います。
ブラックボックスであるので当然情報は少ないですが、そうした活動の積み重ねが未来を作ると思っています。

日本に数多くある、指導者がいないチームのためにもどうぞよろしくお願いいたします。

今回は願望が先行して内容のない文章となってしまったことを反省しています...

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