こう

日常や旅先での気づきや、心のもやもやを言語化してアウトプットしていきます。

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最近の記事

人生はオルゴールのピンを刻むようなもの

人生を歩むことは、オルゴールのピンを刻んでいく作業のようなものかもしれない。 例えるなら、オルゴールのシリンダーは「時間」の象徴で、そこに刻まれるピンは、人や物との出会いなどの「出来事」。シリンダーは時の流れとともにゆっくりと回っていて、そこにピンが刻まれていく。刻まれたピンで琴が振動し、音が鳴る。 現在進行形では、出来事があるたびに「音」がポロンと鳴っているだけなのだが、時々、僕たちはネジを巻き戻すことで、過去を振り返り、今まで歩んできた道のりをメロディー(=出来事の連

    • 過去から今を紡ぐ曲

      世には色々なヒット曲があるが、僕の中で唯一無二の不思議な感覚を持つ曲がある。 それは、スピッツの「空も飛べるはず」という曲なのだが、この曲について綴ってみたい。 僕が小学校5-6年頃、音楽を聴き始めた時期にちょうどこの曲がヒットチャートを賑わしていた。派手な印象ではない曲なので、いい曲だとは思っていたが、ずば抜けて好きでそればっかり聴くという感じではなかったような気がする。 それから学生、社会人生活を経る中で、音楽の興味も変遷した。数年前に聴きまくっていたはずの曲も、いつ

      • 薄曇りの空を見て

        自粛続きの毎日。ここのところ休日なのに遠出もできず、自宅から自転車で10分ほどの海の見える公園によく来ている。 今日は昼間は天気が良かったがだんだん曇り気味の空になっていた。夕暮れ間際に運動がてらいつもの公園へ向かった。 晴れている日だと海が青く輝き、対岸もはっきり見えるのだが今日は少しどんよりしている。政府の要請からか、人も少なく静かで風の切るような音だけがぴゅうぴゅうと聞こえる。 それでも船舶はゆっくりと行きかい、世の中は動いているのだと感じる。晴れていれば鮮やかで

        • 18:03 金沢八景発、新逗子行き

          海のある神奈川に引っ越してきて、気軽に海を見に行けるようになった。内陸部で育った僕にとって、海は憧れで休日に一日がかりで行くようなところだったのだが、少し散歩するように足を延ばせるようになったことは嬉しかった。 長い長い冬が終わり、きれいだった桜もいつの間にか散り、時は5月になっていた。一年の中で一番好きな月は5月だと思っている。新緑がきれいで、気温や湿度も心地よい具合で、なおかつ日も長い。 そんな5月半ばのとある平日。会社を出ると空はまだ明るい。急に夕暮れの海を見に行き

        人生はオルゴールのピンを刻むようなもの

          とある地方都市の喫茶店で

          「期待」を超えること、って難しい。 仕事でもプライベートでも、人は時に「期待」を超えることを求められる。 考えれば考えるほど空回りしてなかなかうまくいかない。 そんな中、確実に、でも自然体に期待を超えてきた人に出会った。 旅先のとある地方都市でふと訪れた、喫茶店を営むお婆さんである。 ⏱⏱⏱ とある週末、僕はふらふらと旅をしていた。 二日目の朝、朝食を食べていなかったので、街中の飲食店でどこかやっているところがないか探した。 ところが、地方都市の駅から歩いていけるような

          とある地方都市の喫茶店で

          月と北極星

          5日間のタイ一人旅も最終日。夜行列車でチェンマイに行ったり、アユタヤの遺跡を回ったりとても充実した旅行だった。最終日はバンコクに滞在し、深夜便の飛行機まで、時間をつぶしていた。 町中歩き回って日も暮れかけてきた。チャオプラヤー川沿いに倉庫街を改築したショッピングセンターがあり、そこまでシャトルボートが出ている。夕空の下でちょっとしたクルージングを楽しんだ。高層ビルの狭間からきれいな夕焼けと、月と北極星が見えた。 一日中歩き回って疲れがたまっていた。これから深夜のフライトな

          月と北極星

          郷土愛のような感情

          僕は東京郊外のベットタウン出身で、「郷土愛」というものが少ない。 地方出身の方々が各々の地元を愛情を持って語っていることにとてもうらやましく感じていた。 そんな中、僕が「郷土愛」に似たような感情をもつ場所がある。それが、父親の実家のある福島の山奥の村である。 ⏱⏱⏱ 僕の両親は父が福島で母が新潟出身だ。幼い頃の里帰りは母方の実家が多かった。ただ数年に一回、父親の実家である福島の村に行くことがあった。 祖父は僕が生まれる前に他界していて、寝たきりの祖母がいて、長男の

          郷土愛のような感情

          古家から見る夕焼け

          僕は築50年過ぎた古家に住んでいる。 25歳の時に一人暮らしを始めて、埼玉と神奈川のアパートに各5年くらいずつ住んだ。 そろそろ、別のところに住もうかと思い、アパートを探した。 家賃を高く出して豪華なマンションに住むのも、場所を変えて同じようなアパートに住むのもなんかちょっと違うと感じていた。何かもっと面白い、わくわくできるものはないだろうかと思っていた。 神奈川のとあるエリア。通りがかったときに古家が破格の値段で売りに出ていることに気づいた。こんな安く買えるのか、貯

          古家から見る夕焼け

          なぜ、ひとり旅に出るのか

          僕は人と接することがあまり上手じゃないし、運動神経や芸術のセンスもない。その他諸々苦手なものが多い。とにかく不器用な人間だと思っている。 人と比べてはいけないとはわかっていても劣等感を抱えることが多かった。 そんな中で僕を救ってくれたのが一人旅だった。 ⏰⏰⏰ 大学3年の夏に、学生旅行で中国の内モンゴルに行く企画に参加した。学校の掲示板で見かけた企画だった。 その旅行は、船で上海までいくというので、神戸港出港だった。節約のため、東京から神戸まで18きっぷを使って行っ

          なぜ、ひとり旅に出るのか