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柏レイソル 補強診断〜チーム別補強診断#4〜

こんにちは。
Jリーグも開幕してから数ヶ月が経ち、すでに10試合以上のリーグ戦が行われています。
そこで、「チーム別補強診断」シリーズでは、2022シーズン開幕に向けた各チームの補強に関して、現時点までの成績などを踏まえ評価を行っていきたいと思います。
その上で、各選手の補強診断を『S』から『D』の5段階で評価をし、最後はチーム全体の総括も行おうと考えています。

これまでのシリーズ同様、上位カテゴリーから、北から行います。

第4回となる今回は、柏レイソル編です。

なお、すべての情報は5月14日時点となるので、ご了承ください。
また、試合出場などのスタッツは、transfermarktを引用します。

補強動向

改めて、今オフの柏レイソルの補強動向を振り返っていきましょう。

なお、この表は以前の記事『2022Jリーグチーム別考察#4 ~柏レイソル編~』に記載されている表になります。

試合結果

選手個人個人の試合での出場データなどをみる前に、まずはチームとしてのここまでの成績を見ていきましょう。

J1リーグ

ルヴァンカップ

個人スタッツ

それでは、ここからはオフの移籍市場で加入した選手をポジション順に(GKから)見てきましょう。

①猿田遥己(←横浜FC)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 昨年は、J1の横浜FCに期限付き移籍をし、実践経験を積むことを期待されていましたが、出場機会を掴むことができず今季より柏の復帰しました。これまでにガンバ大阪や鹿児島ユナイテッドに移籍をしていますが、ガンバ大阪U23でのみ出場経験を積んでいます。
 下部組織出身の選手ですが、現在23歳となっておりそろそろ勝負の年です。猿田選手より若い佐々木選手が2番手の地位を確保していますが、役割としては2番手争いに絡むことになるでしょう。

考察

 リーグ戦でのベンチ入りはなく、控え組で臨むことが多いルヴァンアップでもベンチ入り2試合のみとなかなか厳しい戦いが続いています。
 主力は、キム・スンギュ選手で2番手は佐々木選手。3番手の座も松本選手に奪われてしまっており、現状GKの4番手となっており、期待はずれと言わざるを得ません。

評価

 評価は「D」としました。
 本来期待された役割よりもかなり下回った状態であり、期待はずれと言わざるを得ません。23歳という年齢を考えても、そろそろタイムリミットを迎えてもおかしくないなという感じもしています。

②岩下航(←ロアッソ熊本)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 昨年、熊本では絶対的な左ウイングバックとしてJ2昇格に貢献した選手で攻撃的なサイドバックとしても守備的なサイドハーフとしてもプレー可能な選手です。今季の柏でもウイングバックを採用しているため、左右両方のウイングバックをこなすことのできる選手としての獲得でしょう。
 左の三丸選手、右には中村選手がいることも考え、J1での実績がないということも考えると、「貴重な控え候補」という位置付けでの獲得ではないでしょうか。
 怪我人が出た時にはもちろん、左右両方できるというユーティリティー性に富んだ選手です。

考察

 いきなり試合に絡むことはできず、J1リーグでは開幕から5試合連続でベンチ外となっていましたが、開幕からルヴァンカップでは継続して出場機会を掴むと、これまでにJ1で3試合に出場しています。
 正直、「期待値以上」ではありませんが、決して「期待値以下」でもないできであるように感じます。

評価

 評価は「B」としました。
 まだ、なかなか主力争いに絡んでくることはできていませんが、まだ若い選手でもあるため、徐々にJ1の水に慣れてくればいずれはレギュラーに定着することもあるでしょう。

③田中隼人(←柏レイソルU18)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 柏アカデミー出身の選手で、左利きの188cmのセンターバックという非常に希少価値の高い選手で、A代表にも招集された中谷選手や古賀選手の系譜を継ぐ選手です。
 2021年にも二種登録されており、ルヴァンカップで3試合に出場しており、非常に期待値の高い選手です。役割としては1年目から主力などではなく、未来のDFリーダーとして考えられている選手でしょう。

考察

 開幕当初はリーグ戦で絡むことはできませんでしたが、ルヴァンカップを中心に出場機会を掴むと、最近はJリーグでもベンチ入りをしており、序列を徐々に上げていっているような感覚です。
 いくら期待値の高い選手とは言え、J1のクラブでリーグ戦にも絡んできているということは非常に良いことであると思います。

評価

 評価は「A」としました。
 高卒一年目としてルヴァンカップで出場機会を掴んでいるということは期待通りであり「B」でしょう。他方、Jリーグでベンチ入りするなど徐々に序列を上げていっているということも考えると、開幕当初の期待値以上とも言えるのではないでしょうか。

④中村慶太(←清水エスパルス)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 中村選手の本職は攻撃的なMFやサイドハーフなどです。
 移籍動向を見ると、瀬川選手、神谷選手、仲間選手が相次いで移籍しており、のちに述べる小屋松選手と共に手薄になったサイドハーフなどの選手層を厚くするための獲得と言えるでしょう。
 中村選手は、長崎、清水でJ1での活躍経験があり、十分に通用する選手で昨季も多くの出場機会を得ていた神谷選手などの後釜として「主力候補」としての獲得と言えるでしょう。

考察

 これまでにJ1リーグを13試合戦っており、ベンチ外1試合、ベンチ入り(出場なし)1試合を除いた11試合で出場しており、しっかりとポジションを掴んでいると言えるでしょう。
 一番多い起用は右ウイングバックですが、試合によってはマテウス・サヴィオ選手とシャドー的な役割を務めることもありますが、柏レイソルが好調をキープしている中で欠かせない戦力になっています。

評価

 評価は「A」としました。
 清水時代は、ボランチや攻撃的なMFなど中央でプレーすることが多かった選手ですが、移籍以降はサイドでの起用に応えるなどしっかりとネルシーニョ選手の信頼を掴んでおり、このようなユーティリティ性は期待値以上と言えるでしょう。

⑤小屋松和哉(←サガン鳥栖)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 中村選手の項目でも書きましたが、このオフで柏レイソルは多くの攻撃的な選手が退団をしています。そのため、穴を埋める選手としてJ1の鳥栖での実績が豊富な小屋松選手を獲得したと想像できます。
 鳥栖時代はサイドでのプレー機会が多かったですので、獲得当初は右ウイングバックなどでの起用を想定し、「主力候補」として獲得したのであると考えられます。

考察

 蓋を開けてみると、しっかりと「主力候補」として期待された働きを見せていますが、主なポジションはサイドではなく中央の最前線などです。移籍元で中央でプレーする機会の多かった中村選手がサイドでのプレー機会を増やしていることを考えると、入れ替わりのようになっていると言えます。
 ルヴァンカップでも3試合に出場しており、柏レイソルの攻撃の核となっていると言えるでしょう。

評価

 評価は「A」としました。
 しっかりと主力候補として期待された働きをしているということに加え、何よりもなかなか慣れないポジションでの起用が続く中で監督の期待に応え続けているということを考えました。

⑥加藤匠人(←筑波大学)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 元々、柏レイソルのアカデミー出身の選手で大学サッカーの名門である筑波大学を経て帰還しました。
 ポジションはボランチやセントラルMF、攻撃的MFなどMFとしてピッチ中央でプレーすることができる選手です。柏は、大谷選手や三原選手が30歳を超えており、残りの選手生命を考えると正直あまり長くないはずです。その後のレイソルの中盤を担うタレントとして下部組織出身の加藤選手を獲得したと考えても不思議ではないでしょう。

考察

 リーグ戦ではなかなか出場機会どころか、ベンチ入りもできない状態でした。しかし、ルヴァンカップではコンスタントに出場機会を掴んでおり、5月にリーグ戦でベンチ入りすると、先日のガンバ大阪戦では、わずか13分でありましたがついにJ1デビューを果たしました。
 大卒ルーキーでありますので、一年目はレギュラー奪取には至らないにしても、ある程度の出場時間を掴むことが期待されている中で、リーグ戦での出番を掴んだということは及第点と言えるでしょう。

評価

 評価は「B」としました。
 詳しいことは「考察」に書きましたが、リーグ戦での出番も掴み始めており、大卒ルーキーとして及第点とも言える活躍を見せていると思います。

⑦土屋巧(←日本体育大学柏高校)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 柏レイソルと、日体大柏高校は提携関係にあり、昨年の日体大柏高校のキャプテンであった土田選手を獲得しました。
 ボランチやセンターバックでプレー可能な選手で、U19日本代表にも選出経験のある選手です。身長は170cmと決して大柄ではありませんが、高精度のフィードなどに定評のある選手で、「即戦力」などではなく、数年後にレギュラーになることを期待されての獲得でしょう。

考察

 Jの下部組織出身でなく、高体連出身の選手はなかなかJクラブの水に慣れるのに時間がかかる印象で、なかなかリーグ戦でベンチ入りできていない現状はある種想定通りです。
 ルヴァンカップでは1試合にフル出場しており、まずはカップ戦を中心に徐々に出場機会を得ていくイメージとなるでしょう。

評価

 評価は「B」としました。
 ルヴァンカップで柏レイソルデビューを果たしており、期待値以下でも期待値以上でもなく、及第点というのが妥当ではないでしょうか。

⑧ドウグラス(←ヴィッセル神戸)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 ドウグラス選手は抜群の身体能力を活かしたプレーが特徴の選手で可能性が比較的低い体制からであっても得点を生み出すことができるスーパーなFWです。神戸では、大迫選手や武藤選手の加入により出場機会を大きく減らしており、柏レイソルを退団したクリスティアーノ選手の後釜として獲得したと考えるのが妥当でしょう。
 前線でボールを収めることもできるため、「準主力」としての獲得であるとは思います。

考察

 開幕から4試合はスタメン出場を続けていましたが、その後は全く試合に絡むことができなくなっています。
 若手の細谷選手や小屋松選手が良い動きをしているため、なかなか割り込む余地がないのが現状ではないでしょうか。まだ、得点を決めることはできておらず「準主力」としての活躍をできているかと言えばそうではありません

評価

 評価は「C」としました。
 開幕からレギュラーの座を掴んだことはポジティブな要素ですが、まだ結果が出ておらず、かつ出場機会を失っているということを考えるとマイナス評価にせざるをえず、このように考えました。

⑨森海渡(←筑波大学)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 こちらも加藤選手と同じく、柏の下部組織から筑波大学を経て柏に帰還した選手です。まだ、筑波大学に在籍中の選手であり、飛び級とも言える加入です。
 期待値の大きい選手ではあるため、理想としては一年間からある程度の結果を出し、3年目くらいまでには主力に定着し得てょしいというイメージではないでしょうか。また、細谷選手とも年齢が近いため、アカデミー出身の年齢の近い二人が最前線に鎮座する世界線も見ることができそうです。

考察

 飛び級で加入するほど期待値の大きい選手であり、開幕当初のリーグ戦ではなかなか出場機会を得ることはできませんでしたが、第11節の広島戦では途中出場し26分の出場時間でプロ初ゴールを含む2得点を挙げるなど活躍を見せています。
 途中出場が多いとは言え、公式戦の半分程度の試合に出場しているという点でネルシーニョ監督の信頼は掴んでいると考えられますし、期待値以上と言っても良いでしょう。

評価

 評価は「A」としました。
 やはり、リーグ戦で2得点を決めるなど、結果を出しており飛び級でのプロ入り一年目の期待値以上と言える活躍を見せていると言えるのではないでしょうか。公式戦にも多く出場しており、貴重な戦力となっています。

⑩真家英嵩(←柏レイソルU18)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 柏レイソルのユースから昇格した選手で身長187cmと大柄なFWです。まだ、線が細いようには感じますが、プロで戦える体づくりができれば、空中戦でも勝負ができ、前線でボールが収まるという点で多くの活かし方があるFWになりそうです。
 細谷選手や森選手と共に未来のレイソルを担うFWであると思います。

考察

 開幕節からメンバー入りするなど、早くも「大型ルーキー」の片鱗を見せましたが、最近はベンチ入りすらできない状況が続いており、怪我のアナウンスなどもないため、序列が低下している様子です。
 開幕当初の活躍はインパクトが大きかったですが、最近の様子を見ると総じて期待値通りと言えるのではないでしょうか。

評価

 評価は「B」としました。
 当初のインパクトが大きかったが故に最近のメンバー入りの少なさは残念ですが、まだ一年目ですのでこれからに期待したいです。

⑪升掛友護(←柏レイソルU18)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 先ほどの真家選手とは対照的に173cmの身長とFWとしては小柄です。そのため、空中戦などではなく地上戦に強みを発揮する選手で、こちらの選手も先ほどまでと同様に細谷選手、森選手などと未来のレイソルを担う選手です。
 一年目から多くの出場機会を掴むに越したことはありませんが、まずはプロの水に慣れ、数年後に主力になることが期待されているでしょう。

考察

 リーグ戦第5節で初めてリーグ戦のメンバー入りを果たすと、第12節の浦和戦以外のリーグ戦全てに出場しています。先発出場の機会はありませんが、途中出場で多くの出場機会を掴んでいるということを考えると、監督からの信頼は厚いように感じます。
 ルヴァンカップでは、初戦から試合に出ると、第2節で初スタメンし2得点を決めました。これまでにルヴァンカップでは5試合で4得点を決めており、高卒一年目としては十分すぎる結果を出しています。

評価

 評価は最高評価の「S」としました。
 高卒一年目の選手がこれだけプロの世界で通用するのは正直意外で、多くのファン・サポーターの期待値を大きく上回っている選手ではないでしょうか。

全体評価

それでは、全選手の評価を振り返っていきましょう。

猿田遥己 D
岩下航 B
田中隼人 A
中村慶太 A
小屋松和哉 A
加藤匠人 B
土屋巧 B
ドウグラス C
森海渡 A
真家英嵩 B

升掛友護 S

以上のことを踏まえた総合評価は以下のとおりです。

 全体評価は「A」としました。
 平均値は「B」と「A」の間でしたが、活躍している選手の多くがルーキーなどであり、未来を見たときに「柏の未来は明るい」というふうに考えたことが「A」とした理由の一つです。

最後に

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