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手相鑑定 碌々堂へようこそ⑥
第6話 ステージにいるのは神様?それとも魔物?
今宵は満月。
夜の空をひときわ明るくしている。
ろくは駅前にいた。
ホットコーヒーを手に持ち
愛猫のミャーと
長髪の男と一緒に
あるストリートミュージシャンの
パフォーマンスを
温かく見守っていた。
あれは、
一年前のことか。
ろくが鑑定を終え
ふらりと駅前を
歩いていると
力強いギターの音と
繊細な歌声が聞こえてきた。
そこではストリート
手相鑑定 碌々堂へようこそ。⑤
第5話 飛ぶ鳥跡を濁さず。
そう思っているのは飛び立つ鳥だけ。
グーッと大きなお腹の音。
ろくはその日
朝から何も食べていなかった。
師匠の時から
頼まれている
ある企業のコンサルティング鑑定で
朝から忙しく
食事の時間を逃していた。
店による前に
パン屋であんぱんを
買ったのだが
これが粒あん。
ろくはこし餡が好きなので
腹は減っているが
うーん。と
食べるのを躊躇っていた。
しかし、
たまごむすび【完全版】
私にはママがいない。
小学生5年生の時に病気で亡くなった。
それからおばあちゃんとパパと
3人暮らしをしている。
おばあちゃんは本当に優しくて、
ずっと私の母がわり。
いつもニコニコして
なんでも話を聞いてくれる。
父は仕事人間。
朝早くから
夜遅くまで
一生懸命頑張ってる。
ただ、高校生になってからは
父と話した記憶はほとんどない。
わかってる。
わかってる。
父のおかげで
毎日
手相鑑定 碌碌堂へようこそ④
第4話 冷たい手の女には仏眼相。
人は死んだらどうなるのか?
魂になって
あの世へ行くのか?
天国か地獄か。
はたまた、
この世に残って
浮遊するのか。。。
それは、
死んでからのお楽しみ。
そう受け取ると
死は苦しく辛いことばかりではなく
楽しみにも思えてくる。
なにせ、
世知辛い世の中。
あの世の方が
幾分、ましか?
不思議とそんなことを
考えてしまいます。
さて、今宵も月は
満ち欠け
手相鑑定 碌々堂へようこそ③
第3話 にくまんあげまんホクホクあったかい。
恋は下に心がつくから下心。
見返りを求めるものです。
さて、今夜は新月。
今宵のお客様は、、、
風がだいぶん、冷たさを増し
夏が終わったと思ったら
秋をすっ飛ばして
もう、冬が顔を覗かせてる。
寒くなると
温もりを求めるものです。
お鍋に おでん
それを 熱燗で
きゅっと追いかける。
寒いのは寒いので
楽しみがあるものですね。
ろくがホク
手相鑑定 碌々堂へようこそ②
第二話 人生を始めるために必要な三種の神器
人生を幸せにするために必要なもの。
お金?
愛情?
夢?
あなたにとって必要なものは何ですか?
新月の夜、
いつもの場所で
ろくがタバコをふかしながら
客を待っていると
小道に黒塗りの高級車が
無理やり入ってきた。
愛猫のミャーが
びっくりして
さっと建物の影に隠れた。
ガチャっと
運転席が開き
大柄のスーツの男がおりてきた。
年の頃は 40後
手相鑑定 碌々堂へようこそ①
第一話 いらっしゃい。碌々堂へようこそ。
新月の夜
大通りを一本入った小道に
ゆらゆらと光る明かりが灯る。
光に誘われて近づいてみると
そこには 手相鑑定 碌々堂 と
書かれた立て看板があった。
行燈がともり
和服姿が似合う
やさ男が座っていた。
男の名前は”ろく”と言った。
しばらくすると
汗ばむ季節には
似合わない
長袖のシャツを着た
女性が節目がちで
ろくのところへやってきた。
「あの