暗闇に一条の光が 倭姫命版ヒーローズジャーニー25ことの葉綴り九九三
倭姫命版ヒーローズジャーニー25
おはようございます。秋晴れで心地よい朝です。十一月十八日(金)の暦は、六曜は「仏滅」で勝負なしの日。ですが、十二直は「建」。万物を建て生じる日。なにか物事をスタートするのに佳き日。神仏の祭祀、婚礼、引越し、旅行、開店開業、衣服の着始めに吉です。二十八宿は「亢」で、結納、婚礼、種まき、裁縫、お買い物にいい日。
一週間がホント早いですね。
皆さん、今週もお疲れ様です~。
さて、神話の法則「倭姫命版ヒーローズジャーニー」の考察25回目となりました。
全世界の古からの叡智のつまった神話には、
「英雄は旅立ち、成し遂げ、生還する」という共通構造があります。
段階では、「①分離 → ②移行 → ③ 統合」という流れになっており、またこの過程は、人の内面的成長、癒しのプロセスでもあります。
今から、約二千年前、第十一代、垂仁天皇の皇女、倭姫命《やまとひめのみこと》さまは、天照大御神さまがお鎮まりになる聖地を探して、御杖代として、ご神意のままに“仲間”(重臣たち)と共に、ご巡幸の旅を続けられました。
「可怜し国なり。この国に居らんと欲ふ」
お告げを受けて倭姫命《やまとひめのみこと》さまは、伊勢の国を巡られますが、険しい旅のプロセスに困り果てる「通過儀礼」の試練の旅が続きます。それでも、出会う神との触れ合いを大切にし、天照大御神さまのご神意にそうために尽力されていました。
暗闇に一筋の光が
南伊勢の度会町にいらっしゃるとき、土地を潤す水と、五穀の神久求都彦が、参上してきました。
この久求都彦が、「吉き宮処の候補地がございます」と、吉報を持ってきました。
どれだけ、自分一人で頑張っても、どうにもならないこともあります。
人(神)との交流、そこでもたらされるもの。
私たち人間も、他者との相互関係が大切ですが、まさに、その土地、土地で出会った、真名胡神や、久求都彦ら神々との交流により、倭姫命《やまとひめのみこと》さまの旅のプロセスは、進んでいきますね。
この厳しい旅には、頼りになる仲間(重臣)の、大若子命は、一緒ではありませんでした。
倭姫命《やまとひめのみこと》さまは、ご自身が小舟で出立される前に、すでに、「南の方に佳きところがあるように思う」と、派遣していたのです。
天照大御神さまのご神意にそう聖地と出会えず、困り果てていた倭姫命《やまとひめのみこと》さまにとって、暗闇に一筋の光を感じられたのでないでしょうか。
信頼できる仲間“相棒”が不在だったこともあり、話し相手もいつもと違いますし、旅の細かな手配もフォローも足りないところもあったでしょうし、よけいに、この小舟と歩きの巡幸は、きつく苦しく、また、天照大御神さまからも「ここは私の望むところではない」とお諭しもあり、精神的にもキツく、ときに、孤独感も感じたかもしれませんね。
他者との交流でもたらされるもの
そして、宮川を少しずつ下りご巡幸を進みます。
久求都彦に道案内されて、辿りついたところで、今度は、園を作る神の園作神が参上してきました。
この地には、御殿や家を建てるのに必要な萱や稲穂も生えている佳き地でした。
倭姫命《やまとひめのみこと》さまは、たいそうその地を気に入られ、喜ばれました。
そして、そこに「園相社」(園相神社)を定められました。
また、そのすぐ近くには、ま~るくこんもりとした可愛らしい小山があり、そこを「都不良」と名付けられました。
嶮しい山を登り、歩き、ようやく川の下流で、愛らしい小山が視界に入り、また芝生など平地のよき処に達し、安堵され、気持ちもほっこりされたのでしょうね。
「私という存在は、私以外のものでできているのです」
マインドフルネスを提唱した僧ティク・ナット・ハンさんの言葉です。
私たちも、自分一人では決して生きていけません。
自分以外の存在により、生かされている。
倭姫命《やまとひめのみこと》さまの物語からも、他者との関わり、相互関係がどれだけ大切かも感じさせてもらえます。
ここは倭姫命《やまとひめのみこと》さまの安堵感が伝わってきますよね。
倭姫命《やまとひめのみこと》さま、暗いトンネルを抜けたのでしょうか。
ようやっと”夜明け”がやってきたのでしょうか?
―次回へ。
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