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恋と怒り……袁杼比賣と伊勢の少女 雄略天皇十九 神話は今も生きている ことの葉綴り八一三

楽しい日曜日を

おはようございます。皆さん、お元気ですか?
変わりやすいお天気に、着るものも体調管理も日替わりメニューが必要ですね。それでも新緑が美しい季節です。
五月二十二日(日)の暦は、六曜は「先勝せんしょう」午前が吉。急用をかたづけるのによい日。先んじることで幸を勝ち取れるとされます。十二直は、物事を突破する「やぶる」人を説得するのに吉。二十八宿は、神仏詣で、婚姻、新たなことに着手する、お祝い事に吉の「ぼう」。
皆さん、佳き日でありますように!!
神話の物語の続きに入ります。

第二十一代、雄略ゆうりゃく天皇さまの物語です。ご即位前の波乱の物語はをこちらです。


丘に逃げ隠れたシャイな袁杼比賣をどひめ

葛城の山で、一言の願いであれば何ごとでも
お聴きくださる一言主ひとことぬしの大神さまと出会われた雄略ゆうりゃく天皇さま。

さて、次の物語は……またまた恋のお話?のようですよ。

またあるとき雄略ゆうりゃく天皇さまは、丸邇わに佐都紀臣さつきのおみの娘である袁杼比賣をどひめに求愛するために、春日(現在の奈良県の東部)まで、おでかけされました。

この行幸の途中で、求婚するはずの袁杼比賣をどひめ本人と出会ったのです。

当の袁杼比賣をどひめさんは、天皇さまの幸行の行列を見つけるやいなや、恥ずかしくなり、その場から逃げ出していってしまいました。
そして、丘のそばに逃げ隠れてしまったのです。

袁杼比賣をどひめさんが逃げ隠れたことを知った天皇さまは、次のような御歌を詠まれます。

媛女をとめ
かくる岡を
金鉏かなすき
五百箇いほちもがも
ぬるもの

おお、可愛いらしい乙女、袁杼比賣をどひめが岡に隠れてしまった。
私に、金のすきが五百本あればいいのに
そのすきで、丘の土を鋤いて土を取りのけ
隠れた乙女の行方を探しだせるものを

この御歌を詠まれた岡は、金鋤の岡と呼ばれるようになりました。


伊勢の采女うねめの少女、絶対絶命!

またある年の秋、雄略天皇さまは、長谷はつせの郊外で、枝が豊かに茂り紅葉が美しいけやきの木の下で、「新嘗祭にいなめさい」の酒宴を催されました。

このとき、伊勢の国の三重からきた采女うねめの少女が、天皇・皇后にお仕えしていました。
采女うねめとは、地方の豪族の女子から選ばれて宮廷にお仕えする女官のことです。
そしてこの采女うねめの少女が、大御盞おおみうきとよばれる大きなさかづきを、胸高にもち、天皇さまに捧げだしました。

そのときです。
一陣の秋の風が吹き渡り、このけやきの枝から葉が一枚、はらはらと落ちてきて、この|
大盞《おおさかづき》の中に落ちていきました。

采女うねめの少女は、そのことに気が付かずに、そのまま天皇さまに、この大盞おおさかづきを差し出してしまいます。

大盞おおさかづきに落ち葉が浮かんでいるのをご覧になった瞬間、雄略天皇さまは、激怒されて、この采女うねめの少女を打倒し、さらに少女の首に太刀を当てたのです。
もう、今にも切り殺すおつもりなのです!!
采女うねめの少女、絶体絶命のピンチです。



―次回へ



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