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神話の力 神様も“失敗”して成長した ことの葉綴り。百三五

人は誰もが”ヒーロー”! 神話の力

おはようございます。今日は肌寒いですね。
神さまも“失敗”して成長した、神話の物語。

先日、学生さんに神話の「大国主神」さまの動画を見てもらったところ、 ほとんどの人が「初めて知った」「知らなかった」とのことでした。
子ども時代から、絵本でも読んだりする機会もないのだな~と、     しみじみ感じました。
神話が人々の心の形成に深くかかわっていると考えていることから、
毎年、私は、『神話の力』をテーマに、「ヒーローズ・ジャーニー(英雄の旅)」を取り上げています。

世界中の神話を研究した、宗教学者のジョーセフ・キャンベルは、    神話の英雄に「英雄の旅」という「元型」と「法則」を見出しました。

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「英雄は旅立ち、成し遂げ、生還する」

「英雄とは、困難なものに人生を掛けて挑戦し、それを成し遂げる者」

この「英雄伝説」に共通する法則を基に、ジョージ・ルーカスにより創作されたのが、世界的に人気を博した、映画『スターウォーズ』シリーズです。
ほかにも、「ロード・オブ・ザ・リング」「オズの魔法使い」「マトリックス」「ゲド戦記」と多くの名作にも、日本の『桃太郎』にだって、この「ヒーローズジャーニー」の構造は共通しているのです。

そして、この法則は神話だけではなく、人の内面的成長や、癒しのプロセスにもあてはまります

人は、誰もが、自分の人生のヒーローでありヒロイン。
英雄の旅」の法則は、人生の旅、そのもの!!

 この神話の物語を綴っているのも、この「ヒーローズ・ジャーニー(英雄の旅)」について、感じたり知ってもらいたいなって思っています。

ジョーセフ・キャンベルは、こうも言っています。
「神話は人間生活の精神的な可能性を探る鍵」である。
「神道の聖典の一つに『自然の営みが悪しきものであるはずはない』と、ある」
と語ってくれています。

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神話への想い

けれど、日本人である私たち自身が、その「宝」を見失おうとしている気がするのです。

神話を失ったときその国は亡びる”とも、聞いた記憶があります。
ジョーセフ・キャンベルも、
神話を失ったとき、私たちは大きなものを失ったことになる」。
と書いています。
神話を忘れていく、失ってしまうということについても、
「(それは)内面的な価値を忘れているのです。<いま生きている>という実感と結びついた無上の喜びを忘れている」
とも語っています。『神話の力』より。

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日本の神話は、神様それぞれに、どこか完ぺきではない
“人間らしい”愛らしさに満ちています。
そして、生きることの尊さにあふれています。

そんな「宝物」を、失うなんて、悲しすぎる……
と、感じちゃいます。

私がいつも参考にしている神話の一冊に、
美智子上皇后陛下が、お子さま時代の天皇陛下に読み聞かせをされていた、
こどものための『古事記』復刻版『かみさまのおはなし』(藤田ミツ著 渡邉みどり復刻提案 高木香織構成 講談社)があります。

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その帯には、

「浩宮様の本棚に無造作に差し込まれていた本。それは美智子さまが、お子さまたちのためにと選ばれた神話の本でした。」

美智子上皇后陛下は、ある基調講演で、神話について、
こうも語られています。

「一国の神話や伝承は、正確な史実ではないかもしれませんが、
不思議とその民族を象徴します。
これに民話の世界を加えると、それぞれの国や地域の人々が、
どのような自然観や生死観を持っていたか、何を尊び、
何を恐れたか、どのような想像力を持っていたか等が、
うっすらとですが感じられます」

 上皇后陛下「子供の本を通しての平和―子供時代の読書の思い出」基調講演より。

美智子上皇后陛下の、大好きな神話は、『古事記』の
倭建御子の命を守るために、海神の怒りを鎮めようと
自ら入水した弟橘比売命との別れのくだり
だそうです。

私も大好きな物語です。
そのお話までは、まだまだ先ですが(苦笑)
日々、少しずつですが、神話の物語を
続けていきたいと思います。

今朝は、そんな神話への想いを綴りたくなりました。

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―次回へ。

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