卜占 天照大御神様の復活を願ひ②ことの葉綴り。其の百三
お祭りの準備
おはようございます。空を眺めるのが好きなサボり屋です。昨夕、時間があり、波音のBGMで暮れゆく空と雲の流れをぼう~っと眺められました。
さて、“神様も失敗して成長した”物語。
天の石屋戸へ、引きこもられた、太陽の姫神天照大御神さまの、
傷ついたおこころをおなぐさめして、お出ましいただくため
高天原の八百万の神さまは、み~んなで、集まって、
神さま会議を開いて、知恵の神の思金神さまが、
「おまつりをしよう!」
と、提案されて、み~んなで、さっそくその準備です。
まずは、「カケコー」三回の鶏鳴三声(けいめいさんせい)で、
太陽が昇るのをうながし、闇にすくう悪神や悪霊を追い払います。
続いて、鍛冶師である鍛人天津麻羅(かぬちあまつまら)を探し、
伊斯許理度賣命(いしこりどめのみこと)に命じて
み鏡をおつくりになりました。
玉祖命(たまのやのみこと)に命じて、八尺の勾玉(やさかのまがたま)がついている長い玉の緒をおつくりになりました。
この玉祖命は、古来勾玉をつくられた集団さんだそうです。
さて、次に「お祭りの準備」で、八百万の神さまがなさったことは何でしょうか?
三択でお答えください(^^)
1)お榊の木を一本掘り起こしてきた。
2)このお祭りについて「占い」をした。
3)祝詞を奏上した
正解は、2)このお祭りについて「占い」をした、です。
鹿の骨の占いの結果は?
古代、お祭りの際には、必ず「占い」がされていたようです。
神話によると……
「思金神が提案した、お祭りがうまくいくかどうか?」を
大元の宇宙の真ん中に在られる
天之御中主神さま(あめのみなかぬし)の
ご神意をうかがうことにしました。
天児屋命(あめのこやねのみこと)と、
布刀玉命(ふとだまのみこと)をお呼びになり
天の香具山にいる、雄の鹿の肩骨を丸抜きにして
天の香具山の朱櫻(ははか)を取ってきて、その樹皮で
鹿の肩骨を焼いて占ったのです。
焼かれた鹿の肩骨の、ひび割れ具合で
吉凶を占うのです。
さて、占いの結果やいかに……?
天の御中主さまのご神意は、
「吉」と、でました。
今も続く「卜占」!
この「占い」……何か覚えていませんか?
「ことの葉綴り。」58、59回目の
伊邪那岐伊邪那美さまの、結婚後の最初の「国生み」で、
2柱の御子が、元気な「国生み」とならずに傷つかれて悩まれて、
ご夫婦神は、高天原に昇られて、
天つ神にご相談なされたときに「太占(ふとまに)」の占いをされました。
それと同じです。
古来、鹿や亀の骨を火で焼いて、ひび割れ具合で、
ご神意をはかっていたのです。
なるほど、神話の昔のことだものね~。
昔の人は、そんな占いをしてたんだ~。
と、思いますよね。
でも、この「占い」、なんと、今も続いています。
皇室の重要な祭祀や、伊勢の神宮で行われています。
なんと、つい昨年のことです。
記憶にある方もいらっしゃるでしょうね。
天皇陛下の御即位の最も重要なご神事「大嘗祭」のときに、
天照大御神さまにお供えするお米の育てる場所を決めるさい
「亀」の甲羅を焼いて「亀卜」占いがおこなわれましたね。
天児屋命と布刀玉命
思金神さまはじめ、八百万の神さまも、一安心。
「おう~よかった、よかった」と、笑顔になります。
「さすが、知恵の神さまだ!」
八百万の神々は、天照大御神さまの復活を願い
お祭りを成功させたい!
お気持ちを新たにされて、
それぞれの神が、それぞれの「役割」を、全力で果たしていったのです。
この「占い」の任命を受けた、天児屋命(あめのこやね)と、布刀玉命(ふとだまのみこと)さま、この「お祭り」で、活躍されますので、少しご紹介を。
天児屋命(あめのこやね)さまは、中臣氏(藤原氏)のご先祖の祖神さま。大阪の枚岡神社や、奈良県の春日大社さんのご祭神です。
中臣神(なかとみのかみ)ともいわれ、中臣とは、神と人との中を取り持つ神主の役目を表します。
現代でも、神職とは、「神と人との仲取り持ち」と、言われています。
布刀玉命(ふとだまのみこと)さまは、宮中の祭祀官であった、忌部氏、のちに斎部(いんべ)氏のご先祖で、祖神さまです。
『古語捨遺』(こごしゅうい)という書によると、産霊(むすひ)をつかさどる、高皇産霊神(たかみむすひ)のお孫さんの、栲幡千千姫(たくはちぢにめ)のお子神とあります。
太陽の姫神、天照大御神さまを、天の石屋戸からお出ましを願ふ
みなが一丸となった、八百万の神々の活躍は続きます!
―次回へ
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