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五感で感じる神道的暮らし 昭和の日  ことの葉綴り。其の六十

禊行法で感じた歓び

おはようございます。令和二年四月二十九日 昭和の日

サボりくせのある私が、noteに向かい60回目となりました。
ありがたいことです。

いつもは、神話の神さまの物語を、毎日読み進めながら、神代と今とを、“往復”しながら、“失敗”されながらも魅力的な神さまについて、綴らせてもらっています。
その「神様も失敗して成長した」シリーズ(?)
・・・…と、自分で呼んでいるのですが(苦笑)
それは、神さまのことを綴ろうと思ったときに出会った言葉。


「人生に失敗がないと
人生を失敗する」

お参りした神社の拝殿に
このポスターが張られていたのです。


日本には、八百万の神さまがいらっしゃいます。
光、風、火、木、水……
自然の働き一つ一つに、
神さまがいらっしゃる、
先人たちは、そう感じられる
瑞々(みずみず)しい感性があったのです。

私は、ライターのお仕事と、大学の講師と
そして、神職もしています。

社会人になり神道系の大学に行きました。
神職になる資格をとるカリキュラムもあり、
そうした勉学の授業とは別に
神社での実地の研修もあります。
その一つ一つが、忘れられない尊い経験です。
特に、「禊」(みそぎ)。
禊行法が大好きになりました(笑)。
伊勢の五十鈴川でも、
禊行法をしました。

そのとき、体の深い深い内側から、細胞から
すべてが溶けて、川の水と一つになった感覚がしました。
私の家は神道で、元々、お宮をお祀りしていましたが、
祭祀をすることが途絶えていたのです。
その禊のときに
「戻ってきてくれて、ありがとう」
そう、ご先祖さまの声が聞こえた気がしました。

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歓びの涙

すると、涙が溢れだして
もう、とまらないのです。
悲しいわけではありません。
理由はうまくいえません。
思考は停止したようで、
ただ、ただ、腹の底から
こみあげる、ありがたさ。

私は、生きている。

そして、神さま、
遠祖(とおつおや)、
ご先祖さまが
共に在る。

見守ってくださっている。

そう、感じました。

感じた、としかいいようがないのです。

身体中の細胞の一つ一つが
驚き喜び舞い踊るようで……

そして、自分の命は
自分だけではなく
古来から結んでくれた
ご先祖たちがいて
その命の霊線というのでしょうか。
千年以上のいのちの連なりを
体感したよう
でした。

しばらくの間、
涙はとめどなく溢れ続けて
止まりませんでした。

歓喜の涙
だったのかもしれません。

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五感を磨く

この伊勢の神宮の研修の
講義の中でも
忘れられない訓えがありました。


神宮の神職さんが、講義をしてくださるのですが
そのとき、一人の神職さんのお話も忘れられません。

「皆さんが実習するにあたり、
まず伝えたいのは、感じてほしい! 
ということです。
五感を鋭くして欲しいのです。
神道は宗教であるかどうかを考えるべきて、
あえて宗教とするなら、
それは感性の宗教、
五感を超えた直観の宗教だと思います。
そして現代という今の時代には、
文明を捨てずに五感を鍛えることが大切です。
神道は体感するもの。
そしてそれをさらに文章で証明していくことが、
今後、必要となるでしょう。
古代の人は、一つの火を見て、
聖なる火か邪なる火か、
水を見て聖なる水か、
すぐにわかる感性を持っていました。 
みなさんも、玉砂利の音、
風の音、月夜の美しさ、満月や月の満ち欠け、
天上・地上の全ての命宿るものを
感じる感性を持ってほしい、と思っています」

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神道的な暮らし

とても、心に響きました。
子どものころに読んだ何かに
「こころのきれいな人は風が見える」
と、知ってからは、
吹きゆく風を見ようとしていました。

新緑の青々とした美しさ
昇る朝日の神々しさ
沈む夕日の一瞬の輝き

朝の小鳥のさえずり

そよぐ風を
両手を開き全身で受け止めて
深呼吸をする。

日々の暮らしで感じる豊かさ

古来の先人たちが
大切にしてきた感性

とっても素敵だなと思います。

そして、それは、ささやかかもしれないけれど
暮らしに、何か温かなもの
歓びをもたらしてくれます。

きっと、それを「幸せ」と呼ぶのではないでしょうか。

「幸せ」は手に入れるものではなく

あなたの中に「在る」

それに気づくこと、感じること……そんな気がします。

気づくには、感じるには、五感で感じることが大切です。

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いよよゴールデンウイーク。
今年は「おうちで過ごそう」の連休です。

四月二十九日は、昭和天皇のご生誕日です。
今は「昭和の日」。

その前は、国民が、自然に親しみ、感謝して
豊かな心を育むことを趣旨とした「みどりの日」
でした。

まさに神道的な暮らしの味わい方です。

そこで、見る、聞く、嗅ぐ、触れる、味わう
五感を磨く連休にしては
どうでしょう?

おうちで過ごしつつ
朝起きると窓を開けて風を感じて
太陽の光を浴びて
庭の緑や部屋の植物に水をやって
小鳥のさえずりをきいて
食材にも感謝をして、
「いただきます」
「ごちそうさま」
と、手を合わせてみる。
夜はお月さんを眺める。
「ありがとう」
自然にも、そう声をかけてみる。

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ささやかなだけど
自然と共に在る豊かさ
私も、満喫しようと思います。

皆さんも、五感を磨く暮らし
いかがですか?

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ー次回へ。


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