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神宮で新しいお宮・倭姫宮「倭姫命世紀」ことの葉綴り 八九八回

送り盆 三年ぶり「五山の送り火」

おはようございます。お盆も最終日。私たちも帰省ラッシュになりますが、ご先祖さまたちにも、「送り火」を焚いて、あの世へとお戻りになる日ですね。
有名な京都を囲む山「五山の送り火」。夏の夜空に「大」の火の文字が浮かび上がる風物詩。
今年は三年ぶりに全面的に点火されるそうです。
八月十六日(火)の暦は、六曜は「先勝せんしょう」午前が吉。急用や訴訟によいとされ、先んじることで幸を勝ち取るという日。十二直は「とる」執り行う日。祭祀、お参り、お祝い事、種まき、建築によし。二十八宿は「」で、お稽古やお仕事始めに吉。そして、吉日の「神吉日」「母倉日」が重なります。お参り、ご神事、祖先のお祀り、お墓参り、ご供養によく、天が人々を慈しむとされます。お盆の最終日、愛する故人との思い出を振り返り手を合わせたいですね。
今日も酷暑になりそうです。皆さん、お元気でお過ごしくださいね。

倭姫命やまとひめのみことさまを祀るお宮は?

さて、「倭姫命世紀やまとひめのみことせいき」は、天照大御神さまが、現在の伊勢の神宮にお祀りされるまでの、皇女の倭姫命やまとひめのみことさまと、叔母で、初代の御杖代みつえしろ豊鋤入姫命とよすきいりひめのみことさまの、ご巡幸の物語、倭姫命やまとひめのみことさまの<一代記>のようだと、ご紹介しました。

では、この倭姫命やまとひめのみことさまと、豊鋤入姫命とよすきいりひめのみことさまは、どこにお祀りされているでしょうか?

約二千年前に、伊勢の神宮に天照大御神さまをお祀りし、神宮をご創建され、一年間に執り行うご神事、神田、ご神饌しんせん(神宮では、お供えのことを「御料ごりょう」といいます)、神さまに奉仕する奉仕者(禰宜や、大物忌の子どもたり)や、祭祀を行うために、心身を清める斎戒、祓について……など、伊勢の神宮の祭祀や、自給自足による経営など、今につながる礎を築かれた倭姫命やまとひめのみことさま。

ご巡幸の“相棒”、右腕として活躍した、大若子命おおわくごのみことは、倭姫命やまとひめのみことさまの命により、「櫛田神社」に、垂仁天皇二十二年にお祀りされていました。

けれども倭姫命やまとひめのみことさまをお祀りしているお宮は、ありませんでした。


神宮と市民の皆さんの願いが叶いご創建!

そんな中、立ち上がられたのが、神宮と、伊勢の市民(当時は宇治山田市)の皆さんです。

時は、大正時代……すでに、ご創建からあまりにも長い時を経ています。

倭姫命やまとひめのみことさまが遺されたご功績や、御徳を慕う方々が、お宮のご創建を、当時の宮内省・内務省にお願いされたのです。

それから十年、大正十年一月四日に、伊勢の神宮の内宮(皇大神宮)の別宮としての創立のお許し、許可がでたのです!!
そして、その年の十一月五日に、倭姫命やまとひめのみことさまのご鎮座祭が執り行われました。

それが、「倭姫宮やまとひめのみや」さまです!!


来年、ご鎮座百年「倭姫宮やまとひめのみや」!

伊勢の神宮の内宮(皇大神宮)と外宮(豊受大神宮)を結ぶ御幸道路の中ほどにある緑豊かな倉田山。



この杜の中に、静寂さに包まれたご神域があります。
豊かな森の参道を進み、石段を上り……参道の先に、
倭姫命やまとひめのみことさまがご鎮座されています。


この倉田山には、神宮徴古館、農業舘、美術館、神宮文庫、皇學館大學と、文化に触れる施設があり、お参りをして散策するにもいいですよ。

そして、令和五年(2023年)十一月五日には、ご鎮座百年を迎えるのです。

ぜひ、伊勢の神宮にお参りにいかれたら、二千年の歴史を持つ伊勢の神宮で、もっとも新しい、「倭姫宮やまとひめのみや」さまにも、お参りしてみてくださいね。

初代御杖代みつえしろ豊鋤入姫命とよすきいりひめのみことさまは、どうでしょう?

―次回へ

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