もっと子供の文化活動を讃えよう

郷土史系書き始めたならそこで統一しろやと思われそうですが、思考があっちこっち行く人なので。
南海日日新聞のこのweb記事読んで思うことです。

私は筋金入りの非体育会系(胸張っていう事じゃない)なので、実は学生の頃から
「どうして文化系(島唄など歌唱系除く)でこういう評価はなかなかしないんだろうな」
って目で眺めてたりします。
高校時代、友人が大変に達筆だったので、賞を取ったりすると「こんなに凄いものを書けるのに」と思ったりしてました。

あ、体育会系児童の皆さんの頑張りは別ですよ。
そこは絶対に自分が出来ない凄い事なので、めちゃくちゃ評価してます。日々の練習量もすごいだろうし。
何人も気持ちをまとめ上げて何かをやり遂げるというのは、1人で何かやり抜くのも困難な私からすると奇跡に近いです。

問題なのは大人が作り上げてる【評価】基準の方。
こうやって記事にするのはほぼ体育会系賛美。

大人で文化系評価されるのって、大抵が「何十年も島に住んでる誰それさんの功労を讃えてー」ってのばっかりじゃないでしょうか。
一つ一つのクオリティじゃなくて「何十年もやったからえらい」と、内容じゃなく、継続したことへの評価だったりする。
でも、そういう評価システムだけで、果たして文化的に何かしら作り上げようとする子供は育つんでしょうか。

何かしら作る・作ろうとする子を育成するというのは「地域独自のコンテンツ創造力を高める」って意味もあるのに、そこが昔から軽視されてるよなとは思ってます。
おそらく競技系と異なり、1位2位って数字のつけにくい分野だから客観的評価しづらいってのもあるんだろうけど。
あと「あんまり横から口を挟まずに放っといた方がある程度伸びる」という場合もあるし。

とは言え、子供からしたら「体育会系で頑張った方が大人からわかりやすく褒められる」って印象になります。
誰だって何かしら頑張ったら誰かに褒められたいな、という気持ちはある。大人であっても。
SNSが今のように急速に発展したのも「いいね」評価システムがあればこそだったと思いますし。

それに昔の子供より今の子供の方が「どうしたら大人ウケ(評価)がいいか、生きやすいか」に敏感なのを忘れてはならない。
スポーツ推薦だけじゃなく、AO入試システムなどが導入されて学歴にも影響するなら尚更、中学・高校と成長するほど人からどう見られるかを考える傾向にある。

単体では悪いことではないけれど、そこばかりを重視する「クセ」がつくと、育児の機会に自分だけでなく子供にも「人からわかりやすく評価される生き方か、もしくは低評価を喰らわない生き方が正義」というのを叩き込もうとする。
子供は親に褒めてほしいから、それを当然のこととしてまた自分の子供にも教える。これに反発して生きづらくなった子供は、親が望むようなテンプレ人生は送れないから、と自分が生きやすい地域へ向かい、もう戻ってこない。

シマの場合、こう言った方が分かりやすいでしょうか。
「他人に何か『言われる』ようなことをするな」と。

こうして本来の文化系の「個性」「好み」「強み」はどんどん頭と心の隅っこに追いやられてしまい、60過ぎて時間の余裕が出来てから、となる。
でもそこで気づくんですよ。
もう自分には、寝食忘れて没頭するほどの気力と体力、集中力が残っていないことに。

いろんなものを見聞きした経験値から他人の作品の出来不出来にはやたらと目が肥えてしまっているのに、いざ自分で何かを作り出そうとすると、その稚拙さに驚く。
そのギャップを認めたくないから更に何も出来なくなる。
そこで初めて「何かを【好き】というだけでやり始めるだけでも凄いことだったんだ」と気がつく。
でも時既に遅し。若さ故の爆発的な原動力はもう戻ってきません。

そんな小器用な生き方を処世術として身につけた子が増えていくと、分かりやすく上達が目に見えやすい技術を身につけるのが社会的に「勝ち」、それが出来ないならとにかく「失敗しない(何も行動しない)で目立たないようにしよう」と大望を持たないように生きようとする。
大人じゃなく、子供のうちから、です。

なので私は「誰に褒められるわけでもなく、むしろ『いつまでそんな事やってるんだ!』って叱られながらも、好きだからやめられないという気持ちを糧に、中指にペンだこを作ってる子・工具で切り傷作ってる子」が、もっと伸び伸びと才能開花出来る環境になったらいいな、と思わずにはいられません。

とは言え何かを作り上げるには健康維持も必要なので、文化系の子も基礎体力作りはやっといた方がいいよー、とは思うのでした。

あと、関わるの嫌だなぁ、と思っていても人間観察(絵とかグラフィック系統とか立体物つくる子は人体とか物理系の観察になるし、ストーリー系をつくる子は行動原理とか人物やグループの設定とか集団心理とか)にもなりますので。

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