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0-2歳:ことばの発達を促す、子どもへの声かけ・インリアルアプローチ①

言語聴覚士の立場から、ことばの発達を促す関わり方などをご紹介するシリーズ、今回は声かけの仕方に関してです。

こちらも合わせてお読みくださいね。

インリアルアプローチという考え方があります。0歳代から使える、日常生活の中で子どもにどういう声かけをしていくのがよいのかを解説している理論です。今回はその紹介をしていきます。

まだ発語がない〜単語の一部が言えているお子さんにオススメ

a.ミラリング(子どもの行動を真似する)

まだ発語がない子どもが何気なくやる動作、たとえば手をあげる、床をとんとんするなどなど、なんの意味でそれをしているのかわからないけれど、そうした行動をみかけたら大人も一緒に真似をしてみましょう。

子どもがいち早く覚える動作に「バイバイ」がありますが、あれは誰かがバイバイしている動作を真似することからスタートし、次に自分からバイバイをするようになり、自分がバイバイをすると大人も返してくれるという事実が楽しくてその行動を強くしていき、最終的にその動作に「バイバイ」ということばが加わって、「バイバイ」という動作とことばが完成します。

まだ発語があまりないお子さんの場合、「自分が何かするとお母さんも真似してくれる、おもしろい!」というコミュニケーションの土台を作ってあげることも大切です。

b.モニタリング(子どもの出す声を真似る)

上記のミラリングと同時に取り入れます。こちらも簡単。子どもが「あー」と言ったら大人も「あー」と返し、「うおあおぅ」と日本語にならないことばでも同じように「うおあおぅ」と返します。これも「自分が何か声を出すとお母さんも真似してくれる、おもしろい!」というコミュニケーションの土台作りになります。これだと、子どもが何を言っているのかわからなくてもできますよね。

ことばは植物に例えると芽です。この2つは芽吹かせるための畑を耕してあげるイメージです。

c.パラレルトーク(子どもの気持ちや行動をことばにする)

上記の2つと同時に取り入れます。子どもが持っていたおもちゃを笑顔で咥えたり振り回したりしているとします。そのときに「ご機嫌だねぇ」「楽しいねぇ」などと子どもの気持ちをことばにして聞かせてあげます。ベビーカーに乗せて外に出ているとき、機嫌よく「あーうー」と声を出しているとします。そのときに「お散歩楽しいね」「気持ちいいね」などと子どもの気持ちをことばにしてあげます。ごはんを食べているときににっこりしたら「あぁおいしい」、音の出るおもちゃに驚いたときは「びっくりだね」、電車のおもちゃを動かしているときは「しゅっしゅっぽっぽ」などなど。どれも生活上で当たり前に行っていることかもしれませんが、とても大事なことです。植物で例えるなら、水やりのようなものでしょうか。

大事なのは「多くのことばをかけすぎないこと」。これは前回のnoteのSOULでも説明済みです。私たちが外国にいたとして、周囲の外国人が早口でたくさんの言葉をまくしたてていても理解できないのと同じです。ゆっくり、単語か2語文程度で話しかけてくれた方が、理解が深まります。

次回はインリアルアプローチの後半です。

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