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「#被災地農家応援レシピを作る会」で思い出した友人との食にまつわるエピソード

2020年1月18日、私は「 #被災地農家応援レシピを作る会 」に記録スタッフとして参加してきました。とても楽しいイベントで、「被災地のためにできることをやる」「食育になる」など素晴らしいなと思ったことはたくさん!

そのなかの一つに「ほとんど生ゴミが出なかった」こともあります。

私は1993〜95年にかけて、フランスに留学していました。当初、ノルウェー人とアメリカ人と私の3人でシェアハウスに同居。彼女たちから教わったことはとても多かったです。そのなかでもノルウェー人の友人との忘れられないエピソードがあります。

というわけで、ここでは昔の話を交えながら、被災地農家応援レシピを作る会のイベントで感じたことをお話しします。

フランスのカフェでランチしたときの話

当時は学生だったので、普段のランチは家で作るか、テイクアウトのサンドイッチやピザを買うことがほとんど。でも、たまに何人かでカフェでランチもしました。カフェランチは、サラダにバゲットが定番です。

私は「ニース風サラダ(Salade Niçoise)」というツナやゆで卵、じゃがいも、アンチョビの入ったサラダがお気に入り。

ある日、ノルウェー人の友人含む4人でカフェに入りました。「ニース風サラダ」を注文して運ばれてきたときのこと。

よく見たら、そのサラダの葉っぱに芋虫?のような虫がいたんです。私は思わず「ヒエッ!」と声を上げて、みんなに虫がいると言って、ギャルソンを呼ぼうとしました。

日本でこんなことがあったら絶対にクレームものだし、作り直してもらうこと必至の出来事ですよね。だから、当たり前のように取り替えてもらうつもりでした。いま思い出しても強烈に覚えていて、ある意味トラウマではあるのですが・・・

カフェでのハプニングで友人が言った言葉

ギャルソンを呼ぼうとした私を止めたのはノルウェー人の友人でした。

「ちょっと待って。取り替えてもらう必要なんかないでしょ?サラダの葉っぱに虫がいるってことは、それだけその野菜は新鮮で美味しいってことなのよ。取り替えてもらったら、その美味しい野菜は捨てられることになる。その部分だけはずせば食べられるでしょう?」

気分的にはもう食べられない・・・と思ったのですが、彼女が言ったことは至極当然。いい気分はしなかったけれど、例の葉っぱだけ取り除いて食べることにしました。ほかに虫はいないか入念にチェックしながら・・・

そのときから、私の食べ物に対する意識が変わりました。葉っぱに虫がついていたら、それはお店のミス。確かにそのとおりです。

けれども、いくらお店のミスとはいえ、そのために提供された料理は捨てられてもいいのだろうか?と考えるようになりました。

たとえば、家で作った料理に髪の毛が入っていても、取り除くだけで捨てることはありません。でもお店だったら、それは許されない。この違いはなんだろう?と。

エコを意識して家庭でやっていたこと

そんな出来事があってから、日本に帰国しても「エコ」や「食品ロス」には気を使っていました。よほどのことがない限り、お店にクレームも言いません。といっても、「よほどのこと」なんてほとんどありませんでしたが。

かつては生ゴミ削減のためにミミズコンポストを作って、ガーデニング用の肥料にしていたこともあります。なるべく食材を使いきる工夫もしていました。

けれども、だんだんとエコ意識は薄れていくもので・・・家にディスポーザーが導入されたのをいいことに、生ゴミはすぐに粉砕。子どもが小さいときは料理に手間をかけている余裕もなく、食材を腐らせてしまうこともしばしば。

そんな私でしたが、ここ数年で整理収納アドバイザーの資格を取り、キッチン整理を始めて、食品ロスについて考え直すように。食材を使いきれる仕組みに変えることで、以前の意識を取り戻してきました。

食品ロスについて思い出させてくれたイベント

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今回の「#被災地農家応援レシピを作る会」のイベントで出会った「もったいない料理人のみっきーさん」は、食品ロス削減に取り組むフリーの料理人です。イベント中は調理サポートだけでなく、リンゴの皮や芯、野菜の茎や根など、家庭では「野菜クズ」として捨ててしまう部分を美味しい料理に変えてくれました。被災地の農家さんもここまで使いきってもらえたら嬉しいだろうなと思います。

でもこれは、被災地の食材に限ったことではないですよね。「使いきってもらう」「食べきってもらう」ことは、食に携わるすべての人の願いではないでしょうか?

被災地農家応援レシピを作る会のイベントをきっかけに、いままで以上に食品ロスに気を使っていきたいなと思いました。


被災地農家応援レシピについてはこちらもお読みください。

「#被災地農家応援レシピ」イベントに参加して感じた食育の大切さ

もったいない料理人みっきーさんのnote

食のライター田窪綾さんのレポート


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