2月27日 色々な僕と凡河内躬恒の梅

 1日一首と決めると肩に力が入る。どうせ初心者の下手くそなのだから、推敲とか考えずに数を詠むことにした。戦いは数だよ兄貴。

 まあ、気力の許す限りだけど。

シイタケを栽培し始めるくらいの口調で猫の避妊を決める

子どもらがテレビを見る間に風呂入るすぐに来おった さては、君め

教室を統治するのに温もりは不要だ統治したくなんか無い

休日に雨降れどこにも出かけない堂々とした理由が欲しい

とっときの焼酎奥から持ってきた小声で「限定」 こういうのがいい

☆   ☆   ☆

 ソメイヨシノはまだだけど、梅がほころび香りを漂わす春は到来した。

月夜にはそれとも見えず梅の花香を訪ねてぞ知るべかりける(『古今和歌集』40)

 月の光が輝く夜には梅の花が「それだ」とも見分けられない。

 なぜか?

 月の光は白。それが夜を一色に染め上げて、白い花も白くない花も一緒にしてしまうからだ。

 咲き乱れるというより、白色の花が満ち溢れる景色だ。しかしその中で、梅の花だけは識別できる。視覚ではなく嗅覚によって。

 匂いで結びつく人と梅とは、深い関係にあるようで。

月が澄む夜
白一色の中、それがそれだ!とも見分けられない
そんな、梅の花。
だが、あの艶やかな香りをたどって行くことで
咲いている所にたどり着けるのだ

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