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「月間リスナー8万人」を、どう捉えるか。

6月に入りましたね。今月は僕の新曲が2曲続く月です。
6月14日(金)、6月26日(水)と続くので、ぜひお楽しみに!

5月に配信した内田朝陽さん(THE XXXXXX)とのコラボシングル、「Cactus」がアメリカを中心にこれまでとは比べ物にならないスピードで再生いただいています。3週間ちょっとで、6万再生を超えたのは初めて。

本日現在、62,488再生だそうです。ありがとうございます!

このおかげで、リリース当初に4〜5万人台であったKOTARO SAITOのSpotifyアカウントの月間リスナー数は、1ヶ月足らずで84,699人まで跳ね上がりました。「プレイリスト」という概念が幸いして、僕らが作った音楽に触れてくれる人たちは国際的に一気に上昇しています。

良ければ僕の楽曲を BGMにどうぞ。


「月間リスナー8万人」の自覚とは?

はっきり言って、何一つありません 笑

実感がないのは、8万人の方が僕の楽曲を聴いてくださっているからといって、僕の生活スタイルは何も変わっていないからです。朝起きて、部屋を掃除して、朝ごはんを作って食べて、曲作りに入る。昼夜と料理したり、たまに外食しながら休憩を挟み、思い立ったらまた音楽を作る。

ただただ毎日、好きでそれを繰り返しているから、1ヶ月が過ぎていくのが最近とっても早いです。それでも毎日、確かに聴いてくださった方の数だけは積み上がっていて、それの集合体が8万人という数です。


数字や順位に、全く興味が持てなくなった。

以前、こんなnoteを書いたことがありました。

これまで何度か数字を題材にした記事を書いてきました。伝える要素として数字という可視化された結果が誰に対しても分かりやすいと思ったからです。世間はもし僕が「俺、天才」って思っていても実績がなければ誰も信じてくれません。だからまず、「結果を残せる」「やれる」という証拠を残したいという意思があったのかな、と自らを顧みます。ちなみに、今の結果ではまだ、自分の事は天才とは思えていない。早く思えたら良いのに!

自分の言動に矛盾を感じますが、聴いてもらえる人が増えれば増えるほど、何人が聴いてくれた、という数的な感覚は喜びではなく単なる情報に思えてきます。なぜならば、大切なのはそこじゃないと気づくからです。


「8万人」という議論のナンセンスさ。

数字に注視してしまうと、ついその数値が多いのか少ないかという議論に陥りがちです。僕にとって8万人という数字は、

前年比400,000%増

という劇的な結果です 笑 去年の今頃はほとんどリスナーの方はいませんでしたから。そう考えると、僕にとってはこの結果は「かなり努力した」結果と数字だけ見ていたら思えるでしょう。ちなみに今、その感情はないです。僕はただただ、目の前の楽曲制作を本気で楽しんで今に至るからです。努力など、1ミリもした感覚はないです。


少し話をずらしますが、僕が昨年9月、Spotifyのバイラルトップ50(日本)の上位に食い込んでいた時のことを思い返してみます。

これが、僕の楽曲が2曲上位に食い込んでいた頃。

そして、これが本日(6月9日付)の最新順位。

現在のトップ周辺には、映画やドラマで話題の楽曲、あるいは往年の名曲がSpotifyで聴けるようになったばかりであったり、ワールドクラスのヒット曲がバイラルチャートの上位を占めています。2018年の9月10日付のチャートと比較すると、圧倒的にバイラルチャートの順位感がマス的・メジャー的になりました。

何が言いたいかというと、僕は確かに昨年バイラルチャートで1位になれたけれど、アルバムのリリースが数ヶ月遅れていたら、プレイリストに入れていただけていても、一過性に終わっていた可能性がとても高いということ。だから、あのタイミングに出したことさえも、今は大きな功績だと思います。運も味方につけなければ、結果は出せないという事なのかな、と。


前年比400,000%増より、バイラルチャートに
2曲トップ10入りしたことの方が遥かに価値がある。

8万人が多いか少ないかと聞かれたら、上には上が居続けます。もし比較をするなら、「目指しているステージにおいて、圧倒的に少ない」です。

しかし、バイラルチャートに2曲トップ10入りさせることができた。という事実を考えると、今以上に無名だった自分は良質な楽曲を作る能力を世の中に認めてもらえたと思えます。さらに言えば、あの頃から僕の音楽に対する向き合い方はどんどん変化し、作る時のモチベーション、臨み方も大きく変わり、スキルも上がったと自負します。Cactusで結果が物語るように。

今思えばこの事実の方が重要で、8万人の方が聴いてくださっていることは勿論すごく嬉しいことですが、それ以上に8万人の方々に聴いてもらって恥ずかしくない音楽が作れている。という自覚が僕を強くしてくれます。


数的結果を呼び込んだ「毎月リリース」の真価。

とはいえ正直、毎月リリースするのは簡単なことではありません。

僕の現在のキャッシュフローを支えているのは、CM音楽の制作仕事です。まだまだ僕のストリーミング状況では、再生された分の収益だけで新曲を作り続け、事業として成立させていくのは難しい状況。当然、運転資金は必要で、その資金は僕が普段お仕事いただいて向き合うクライアントワークによるものです。

ここで、最近僕が担当したクライアントワークの一部をご紹介します。

ユニクロ感謝祭のCM音楽。この曲、お気に入りです。

ジュエリーブランド「Justin Davis」のCM音楽。ヴァイオリンは3月リリースの楽曲「Blue」でお馴染みの友田 絢さん。

資生堂マキアージュのCM音楽。好評でした。

などなど、ウェブリンクがあったものの一部を掲載しました。世に出ていないものも含めると、毎月ありがたい量のお仕事を頂き音楽を作っています。


これをやりながら、毎月楽曲をリリースし続けていくこと。なかなか一筋縄ではいきません。くじけそうになる時もありますが、自らやりたいと思ってやっていることなので、少なくとも今年は絶対に12曲以上をリリースしたいと思っています。

w-inds.の皆さんもおっしゃっていますが、ハイペースで音楽を出し続ければ続けるほど、昨今はリスナーの方をたくさん獲得できます。これは僕自身がこれまでに身をもって実感してきたことです。

しかし、実は毎月楽曲をリリースしていることで得られたことはリスナー数以上に、「ポップとは何か」「これをやってもリスナーの方がついてきてくれるか」という言葉にできない感覚の方です。


曲の良し悪しで迷わなくなる。
結果、クライアントからも評価してもらえる。
自身の作品でも、「やりたい放題やって大丈夫」と思える。

毎月楽曲をリリースしていると、音楽に対する時代の波にとても敏感になります。それは市場を読み解こうとしているのではなく、作り手である自分自身の感覚が常に「現代、そして未来」に向いているからです。

広告コミュニケーションの場合、必ずしもトレンドを抑えることが課題解決になるとは限りません。大切なのは企画、そして企業課題を読み解くことです。それでも、その広告が世に出るタイミングは今より少しだけ先。先のことを気分として読み解いていくのに、僕が毎月作品リリースしていることで培っている「音楽の勘」はものすごく効いてきます。こればかりは生き物なので、言葉にすることはできません。

何より、先々のリリースのことを常に考えているため、常に3〜4ヶ月先のことを考えられるようになりました。クライアントへの提案時の説得力が多少増した?(と自分では思っている)のは勿論、自身の作品そのものへの鮮度・旬さもアップデートし続けられます。


昨年リリースしたアルバム「BRAINSTORM」を作っている頃は、みなさんの印象がどうかは別として、僕は当時流行っていたポップミュージックをただただ追いかけていた節があります。こんな奇妙奇天烈なアルバムですが 笑


答えは東京の街の中にある。

ここ最近は、今流行っている音楽を聴くのではなく、僕が暮らしている東京の景色の変化を大切にしています。冬から春にかけて、急に気温が上がった瞬間など、季節のうちに一瞬、次の季節を先取ったような日があります。そんな時に、僕自身が街並みや空気から何を感じ取れるか。

今度改めて書こうと思いますが、春先から現在にかけて、作業環境である自宅スタジオに植物、豊かな調理器具たちを整え始めています。ハンドドリップのコーヒーセットの後ろにあるのは、Cactusの記念にと思いうちに来てもらった塊根植物です。パキポディウムという部類の、グラキリスという植物だそうです。立派な根っこをお持ちで、毎日とても可愛がっています。

こんな、東京の街並みの中で感じる緑の尊さ、晴れ間にピクニックに行きたがるような空気感こそが、どんな音楽と共に生きていたいかに繋がる。

8万人という数字はあくまで結果。そして、もちろん、通過点です。結果は多少の説得力になるかもしれません。けれど僕が今大切にしているのは、まだ結果として結びついていない、けれどそれでいて可能性を大いに感じる「直感的に"来る"と思える事」です。ロジックで語れない空気こそが、答えに一番近く、本質的だ。そんな風に今は強く思います。


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