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大切なことは物語にのせて伝えなければならない―川村元気「四月になれば彼女は」刊行記念イベントにて。

川村元気×嶋浩一郎「恋愛がなくなった世界で、川村元気は」

行ってきました。『四月になれば彼女は』刊行記念トークイベント。

今日、聞いたことを残しておかなくちゃ。そんな気持ちでまとめます。

・川村さん曰く「小説家になろう」という意識がないまま、ここまで来ている。映画をつくるのが楽しい。映画「告白」のヒットの後、企画術の本の執筆依頼が山ほどきた。でも、世にある企画術の本を読んでも、あまり残らない。大切なことは物語にのせて伝えなければならない。そこを起点にはじまっている。

・携帯をなくした。電車に乗っていて、外を見る。虹が出ていた。あ、と思った。周りを見渡すと、みんな携帯を見ていた。なくすことで、得ることがあると気付く。編集者の方とのやりとりで、「いろんなものをなくしたら面白いのでは?」そこから、小説「世界から猫が消えたなら」が生まれる。

たえず「ネガポジ」で考える。

・小説の設定を思いつく。でもなぜその設定にしたか、自分でもわからないことがある。半生でおいておく。途中で、気付く。それが小説の超面白いところでもある。ひとりボケツッコミ。

・編集者の方と話している内にアイデアがでる。かたちにしたくなる。

・自分でやりたいことがはっきりしてる人は実はすくない。編集者と喋ると、こういうことをやりたかったんだなと気付く。

・書き手がわかりすぎていることを書いていると、見透かされる。

・人間には左右できないことがある。死、金、恋愛感情。それを物語にしている。

・つくりたいことを自由に書いていいよ、と言われてつくるのはダサくなる。予算もない、お金もない、時間もないというところからが傑作がうまれる。状況からユニークな物語が生まれる。

・ルールを決める。恋愛小説を書くと決めて書く。恋愛小説ってなんだろう?というところからはじめる。恋愛小説は売れないと言われた。でもそれは、恋愛小説は売れる、ということがあったということ。なぜ?と、疑問がうまれる。そこから考え始める。

ピンクなのに男の色というと、物語になる。夏なのに寒いというと、物語になる。「なのに」。ねじれているポイントを、なんでねじれているのか考えると、物語になる。なんでセックスレスなのに、結婚の準備をとめられないのか…と。

・映画は不可逆。時間をとめられない。小説は止まったり、戻せたりする、止まれることに意味がある。

メモの一部ですが、取り急ぎまとめました。最後の質疑応答。「崖に落ちる、でも戻ろうと思う。それが生きるということだと思う」この言葉が強く心に残る。書きたいことは、書けるうちに、書かなければいけないな。


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