道を分かつ

嫌な気分は続くもので。
相変わらず仕事は順調。
ただ眠りが浅いだけ。
食欲は少しコントロールを取り戻している。



私が割と仲良くしていた職場の同僚。
正直、仕事のやり方は好きじゃない。
でも、酒飲み友達みたいな感じで仲良くしてきた。年齢バラバラ、性別バラバラの3人組。何なら若い2人はカップルになれば良いのにと思ったこともある。まぁ、それは別の話だけれど。


彼女が婚活をしていたのは知っていた。
何ならその途中経過もずっと聞いていた。



それなのに、私は彼女が仕事を辞めることも、
それが結婚によるものであることも
未だに本人から聞かされていない。


仕事を辞めることは、黙っておけと言われていたとしても、すでに今年度末での退職者は発表された。それでも、まだ、私は何も聞いていない。



あー、こういうことしちゃえるんだな。
それぐらいの感想しかなかった。


もしかしたら、もう1人の飲み友達には、伝えているかも、と思い、少し前に聞いたら、知らない、と。彼は元同僚だから、話しやすいかもと想像したのだが、彼にも話してなくて、意外だった。



そして、今日。
今わかったことは、その元同僚と、もう1人別の人と飲んで、今後のことについてほんわか話した、と元同僚から連絡があった。


彼は普段は気が使える男だし、私が気難しいのをよくわかっている。ただ、今は酔っているのだろう。



大人気ない私は自分だけが仲間外れになったとわかって、完全に拗ねてしまった。子どもっぽいのはわかっている。でも、私にとってこの蚊帳の外にされている状況は、嫌な気分だ。今までたくさん楽しんできたことも無駄な思い出に思えるほどに。




彼女とは退職を機に、道を分かつのはわかっていた。
あぁ、でも、ここまで道が違うんだな。


退職する人の中には、わざわざ事前にきちんと挨拶をしてくださる方もいる。そういう礼儀に触れた後、親しいと思ってた人に、それはあなただけですよ、と言われた気がした。



幸せにはなってほしい。
これは本音。
でも、もうあなたは私に必要無い人になってしまったよ。
私に無いモノを持っていたあなた。
華奢で可愛くて人なっこい。
天然の超絶ぶりっこ。


まるで悪口のように聞こえるかもしれないけれど、彼女の良さは間違いなく、ぶりっこなところ。男性はだいたいメロメロになり、仕事を手伝うし、好きになる。だから、女性には嫌われる。でも、私は羨ましかった。これって才能よ一つだもの。私には無いモノだし、彼女自身、性別なんて関係無い素晴らしい別の才能を持っている人だから。ぶりっこだけではないのが良いところだった。



本当は嫉妬して、悔しかった。それを超える気持ちがあったのは、私に懐いてくれて、私を慕ってくれていると思っていたからだ。


結局、彼女は他の女性にするように、私を蚊帳の外にすることで、私の世界からはいなくなった。そして、それを惜しいとも思わない私。もう今は悲しさも感じない。


何なら元同僚ももう良いかな。
私にはもう彼らと接するメリットが無い。






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