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希少動物を探しに行ったら現地の目撃者がみんな死んでた。

こんにちは。慶應義塾大学探検部の安良川です。

Noteは基本的に暇つぶしにゆるーく書いていきます。乱文ご容赦ください。

今回の夏の活動は「サオラ」という生物を探し出すという、またいつもの活動とは毛色の違うもの。動物探しのノウハウを求めて専門家の話を聞きに行ったり、日本で動物を探してみるもトレイルカメラの扱いに苦戦したり、現地でも許可取りに右往左往したりなど、とても順風満帆には行かなかったのでした。

サオラは1992年に初めて存在が確認されたばかりの生物で「アジアのユニコーン」の異名を持ちます。主にベトナムとラオスの国境のアンナン山脈に生息していますが、その個体数は微々たるもの。すでに絶滅しているとの声もあるくらいです。我々はベトナムとラオスの両国で調査の許可取りや現地の村での聞き込みを行いました。

今回は偵察なので大したことはしてません。ちょっとは山でトレイルカメラの試運転などはしたけれども。

それで、偵察を行った結果がこれまたショッキングでした。

上の論文の調査区域であるラオス側の国境近く、アンナンの麓では、陽気なオヤジ達によってカラオケ大会が開催されており、我々は彼らと歌で親交を深め、うち一人のオヤジ(ソムシさん)に運転手兼現地ガイドをして貰いました。

Na peのオヤジ達

村に到着する前にソムシさんに色々聞いていると、あり得ない一言が。「サオラを見たことがある人はみんな亡くなった」とにこやかに言ってくるではありませんか。

90年代に颯爽と現れ、密猟で数を減らし、21世紀に入って早々にこの世から消滅しようとしていたサオラは、その存在を確認した人間さえこの世から居なくなったというのでしょうか。そもそもこの村に辿り着くまでにベトナムでは許可関係で一悶着あり、計画の予定崩壊によって半ば意気消沈でラオスに流れ着いたというのに。

とにかく、村人の間では「この地域にはもうサオラは居ない」という認識のようでした。複数の地点に当たりをつけて調べただけに、「ここがダメならもう他は無いんじゃないか」なんて思えて来ます。どうやら最近も、この地域には生物学者が5年間ほど調査に来ていたようで、その時も見つけることが出来なかったとのこと。

しかし、これを「燃える」と考えるのが我々探検部員ではないでしょうか。大規模活動には逆境がつきものです。

それにしても海外探検は怖いですね。なんといっても人が怖い。マチェテを持った不審な4人組が深夜に沢を登っていくのをトレイルカメラが捉えていた時は肝が冷えました。

丁度我々が設置したカメラを確認しに沢をうろちょろしていた時、前日の同じ時間帯に彼らがその場を通りかかっていたのを確認したのです。隊員Sは野営地にて恐怖で震え上がっていました。Sと僕は以前に同じような恐怖体験をしていたので、非常にハラハラしました。(それについては、また今度詳しく書きます)。

それにしても、一体深夜に山で何をするっていうんだ。ナイトハイクか?不審すぎる。(どちらかというと我々の方が不審だが)。

調査する麓の村へのルート確保や、現地人がサオラの現状についてどのように理解しているかの知識、現地の協力者確保、海外活動の交渉力向上などは一応の収穫としてあったのかもしれないが、春本番は一体どうなるのだろう。検討中。

詳細な記録はまた書きます。

それではまた。

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