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スケールに従ってCPAやCACは上がる1224

年末年始に来期のP/Lや事業計画を作っている経営者・事業責任者も多いのではと思い、今日はCPAとCACにまつわる話をしたいと思います。

Cost Per Acquisition:BtoBの場合は、お問い合わせ獲得単価の意味で使われることが多い
Customer Acquisition Cost:顧客獲得コスト。顧客獲得までに発生した営業・マーケコスト

以前、BtoB事業立ち上げの初期は知り合いや既存事業の顧客に売れるため、CPAやCACは非常に安価になり、顧客獲得コストが低く見積もられがち、という話を書きました。

しかしながら、初期のボーナス期が終わると、知人や既存顧客に比べて効率の悪いチャネル(テレアポや郵送DM、リスティング広告、Facebook広告、業界紙への広告出稿、展示会出展、カンファレンス開催など)で顧客獲得をする必要が出てくるため、事業がスケールするに従ってCPAやCACは上がっていきます。

これはチャネル内でも言えて、例えば、検索広告では、ブランド名や「◯◯システム」「◯◯システム 料金」などのドンピシャのキーワードは、確度の高い見込み顧客が獲得できるため、営業のリードタイムも短く、CACは低くなります。しかし、ドンピシャで効率の良いキーワードの検索回数は無限にあるわけではありません。

そのため、さらに予算を投下して、数を獲得しようとした場合、もっと効率の悪いキーワード(例:「業務効率化 ツール」「総務部 ペーパレス」など)で集客する必要が出てきます。しかしながら、こうしたキーワードで獲得できるのは確度の低い見込み顧客のため、受注率が低かったり、営業のリードタイムが長くなるため、CACは高くなります。

つまり、より多くの顧客に売ろうと思った場合、CPAやCACは高くなるわけです。

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そして、ビジネスモデル上、許容できるCPAが低いと、展示会やFacebook広告、TV CMのようなCPA/CACが高くなる施策を選択肢に入れられないため、新規顧客の獲得数は頭打ちになります。

一方、いくつか例外はありまして、一つはネットワーク効果を内包するビジネスです。

BtoCサービスだと、Facebookがわかりやすいですが、Facebookを使うユーザーが増えれば増えるほど、プラットフォームとしての価値が上がり、友人を招待してくれる人が指数関数的に増えていくので、スケールするにしたがって、むしろCPAやCACは下がっていきます。

もしくは当社では“データベース型”と呼んでいますが、サービスの規模が拡大すればするほど、顧客獲得が楽になるビジネスモデルが存在します。

例えば、研修会社のインソースは、2500以上の研修コンテンツを保有していますが、研修コンテンツを増やせば増やすほど

・研修コンテンツページが、検索エンジンで上位表示されるため、顧客獲得が加速する
・研修メニューが充実することで、様々なニーズに対応できるようになり、サービスの価値が上がり、案件が獲得しやすくなる

ため、スケールするに従って、CPAやCACが下がっていきます。

これに近い形で、オウンドメディアもページ数が増えれば増えるほど、ドメインの価値が上がり、ランディングページも増えるため、CPAはどんどん下がっていきます。

AIアナリストを提供するWACULさんが公開している下図がわかりやすいですが、見事にオウンドメディアのページ数を増やすにしたがって、CPAが下がっています。
※当社でもオウンドメディア『SAIRU NOTE』を運営していますが、同じようにCPA、CACは下がり続けています。

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引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000136.000011052.html

まとめるとネットワーク効果やデータベース型の事業でない限り、スケールに従って、CPAやCACが上がっていくので、来期のP/Lや事業計画を立てている方は、顧客獲得スピードを上げる場合、CPA、CACが高くなる前提で計画を立案しましょう、という話でした。

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