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書評 220 「企業不祥事を防ぐ」

コーポレートガバナンスの権威と評される國廣弁護士の数多い著書の一つ。

コンプライアンス強化として社内規制やチェック強化をしても、形式整備が目的化してしまい本来の目的が見えなくなる、と。

では、どうするか。多くの失敗事例と少しの好例を解説し、読者を導く。会社の価値は社会からの評価で、その評価を落とさない意識が根付くこと。それが著者の結論。コーポレートガバナンスが求める知識は幅広く、過去の経験値が正解とならないこともある故に、結局そこに至ってしまう。

それにしても、著者は多くの企業で顧問や社外役員を務めて得た深い内部情報を使って本書を構成しているが、問題無いのか。無論、了解は得ているのだろうし、得られなければ匿名にしているのだろうが、それを使って印税を得ているのは重い守秘義務を負う弁護士だからこそ気になる。「権威」の先生に疑問を示す人はいないのか。

とは言え、会社経営者にはそれなりに勉強になる一冊。


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