ねこてんしになったノア空の世界の冒険 第3章

前回ぜんかいのおはなしはこちら↓

モモが住すんでいると聞きいた「くもねこハウス」を探さがすノア。

大おおきなねこの形かたちをした雲くもや、家いえの屋根やねのような形かたちをした雲くもは見みますが、中々なかなか見みつかりません。

日ひが沈しずむと
今夜こんや眠ねむる場所ばしょを探さがして休やすむことにしました。

てんしのみんなとお別わかれして一ヶ月いっかげつが経たっていました。

相談相手そうだんあいてもおらず、心細こころぼそさとモモを見みつけられないあせりでノアは中々なかなか寝ねつくことができません。

(モモに会あえるのかなぁ・・)
(見みつけられなかったらどうしよう。)

そんな風ふうに考かんがえていました。

上うえを見上みあげるとノアの頭上ずじょうには星ほしが光ひかっています。

「モモに会あわせて・・。」

ノアがポツリとつぶやくと星ほしがひとつ流ながれていきました。

流ながれ星ぼしが見みえた方向ほうこうには、黒くろい大おおきな雲くもがありました。

黒くろい雲くもには度々たびたび光ひかりが見みられます。

「あれは何なんだろう？」

気きになったノアは黒くろい雲くものところへ行いって見みることにしました。

到着とうちゃくすると

雲くもの中心ちゅうしんには小ちいさな雷雲かもなりぐもが稲妻いなずまを放はなっていました。

よくみるとネズミのような顔かおや耳みみ、手足てあしとしっぽがあり、背中せなかに雷雲かみなりぐもを背負せおっているような姿すがたをしていました。

(ハリネズミみたいだ・・。)

ノアが近ちかづいてみると

ハリネズミのような雷雲かみなりぐもは、ノアに気きがつくと

驚おどろいて、稲妻いなずまを光ひからせて、走はしって大おおきい雲くもの後うしろに隠かくれてしまいました。

すると
雷雲かみなりぐもが隠かくれた大おおきな雲くもがゆっくり動うごきだしました。

そして
「どうしたのかな？」と穏おだやかな声こえでしゃべりはじめました。

大おおきな雲くもは頭上ずじょうから泡あわを浮うかばせると、目めや口くち、ヒレやしっぽがあらわれ「クジラ」の姿すがたになり、ノアに挨拶あいさつしました。

「やぁ、こんばんは。僕ぼくは『あまぐもクジラ』。この子こは『かみなりぐものハリネズミ』だよ。
君きみは、見みたところ『てんし』かな？僕ぼくたちは『くもぞく』なんだ。」

ノアは「はじめまして、僕ぼくは『ノア』。あの『くもぞく』って何なに？」と尋たずねました。

あまぐもクジラは「僕ぼくたちみたいに動うごいたり、話はなしたりすることが出来できる雲くもを『くもぞく』っていうんだよ。」と教おしえてくれました。

かみなりぐものハリネズミの頭あたまを撫なでながら、
「この子こは、つい最近さいきんうまれたばかりで、見みるものすべてにびっくりしちゃうみたいなんだ。」と話はなしてくれました。

くもぞくは
星ほしが雲くもの中なかに入はいると・・

動物どうぶつの姿すがたになって動うごいたり、しゃべれるようになるのだそうです。

ノアはかみなりぐものハリネズミに

「さっきは驚おどろかせてごめんね。許ゆるしてくれる？」と謝あやまりました。

ノアをじーっと見みつめると、
かみなりぐものハリネズミは、おずおずしながら、ノアの元もとへやって来きて言いいました。

「あの・・ごめんなさい・・。
僕ぼく、怖こわがりで・・、昨日きのうも大きい雲くものねこさんにびっくりしちゃったんだ・・。
でも、よく見みたらお家うちだったんだ・・。」

としょんぼりしてしまいました。

その話はなしを聞きいたノアは

「えっ？猫ねこのかたちをした雲くもの家いえ！？」

驚おどろいて、思おもわず大声おおごえで言いってしまいました。

びっくりしたかみなりぐものハリネズミは、あまぐもクジラの「ヒレぐも」に隠かくれてしまいました。

ノアは慌あわてて、
「ごめんね！またびっくりさせちゃったね、本当ほんとうにごめんね。」と謝あやまりました。

あまぐもクジラは「この子こが見みた雲くもの家いえが気きになるの？」と尋たずねました。

ノアは、妹いもうとのモモと、モモが住んでいるくもねこハウスをずっと探さがしていることを話はなしました。

ノアの話はなしを聞きいたあまぐもクジラは

「それなら、明日あした一緒いっしょに探さがしに行いこうか。」と提案ていあんしてくれました。

そしてかみなりぐものハリネズミを見みて

「僕ぼくたちも一緒いっしょに行いくから昨日きのう見みた家いえに案内あんないしてくれる？」と話はなすと

かみなりぐものハリネズミは「うん、いいよ。」と笑顔えがおで答こたえました。

次つぎの日ひ

かみなりぐものハリネズミの案内あんないでくもねこハウスに向むかいました。

昨日きのうは怯おびえていたかみなりぐものハリネズミが今日きょうはとても頼たのもしく見みえます。

「ここだよ。」

到着とうちゃくした場所ばしょには猫ねこの形かたちをした大おおきな雲くもがありました。

口くちの部分ぶぶんがドアになっていたので家いえのように見みえます。

ノアはかみなりぐものハリネズミにお礼れいを伝つたえました。

「君きみのおかげでモモに会あえるかもしれないよ。本当ほんとうにありがとう。
もし、良よかったら僕ぼくとお友達ともだちになってくれる？」

その話はなしを聞きいたかみなりぐものハリネズミは、「・・うん、ありがとう！」と笑顔えがおで言いいました。

ふたりを見守みまもっていたあまぐもクジラは

「今度こんどは君きみたち兄妹きょうだいと会あえるのを楽たのしみにしてるからね。」

そう話はなすとあまぐもクジラは、かみなりぐものハリネズミを頭あたまに乗のせて、ノアとお別わかれしました。

ノアはあまぐもクジラとかみなりぐものハリネズミの姿すがたが見みえなくなるまで見送みおくりました。

「ねこてんしになったノア空そらの世界せかいの冒険ぼうけん 第だい4章しょう」に続つづきます。