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経験から言って、個人商店が安易に広告制作にお金をかける前にやるべきことがあります

当店のような小規模な個人商店でも、ブログ型のホームページ(HP)をスタートした時点から継続して行わなければならないのが記事更新です。

HPを費用をかけずに運営する際の最初の壁が、この「ブログ記事の更新頻度」だと思います。

全国で同じような小規模商店の方の中には、ブログ主体のHPはスタートしたけれど、数ヶ月は頑張って更新していたが途中で止まってしまっている方、結構いらっしゃいますよね。

個人商店の多くは、いわゆる1人親方や家族経営、もしくは自身とアルバイト数人での運営ということがほとんどでしょう。

そんな中で、日々の業務を行いながら自分1人だけでブログ記事を更新を続けるのはかなりの重労働です。

だからと言って、この負担を減らすために記事制作をライターさんに外注すると、月数万円(場合によっては数十万円)以上の費用がかかるため、小さな個人商店では広告宣伝費の捻出がかなりの負担となります。

そもそも安い金額でライターさんに外注しても、アフィリエイトサイトにあるような通り一遍の記事になることが多く、本当に消費者に伝えなければいけない、経験や専門業者ならではの知見を網羅することはできません。

これではたとえアクセスが集められても、記事を読んだ読者があなたのお店に来店したり、ファンになってくれることはあるでしょうか。

店舗のすぐ近くにお住まいの方ならいざ知らず、商圏外のお客様を呼び込むのに、この方法はほとんど役に立たないでしょう。距離が遠くても「商品を購入したい」「サービスを頼みたい」と思っていただくには、あなたの持ちうるすべての知識・経験・信条を網羅しなければいけません。

そうでなければ「ブログ記事を発信する意味はない」と私は思いました。

たとえ毎月の読者が1人でも、その1人の方に本当に役に立つことを掲載してこそ当店や業界の発展に寄与できるはずです。

そのために、私自身が1年間ブログ記事を毎日更新するにあたって、どのようなことをしていたかをお話しします。

夜はブログ記事のライターに!?

コスナサイクルでは、自転車の販売・修理業務は通常午後7時までの営業になります。私ひとりの個人商店のため、閉店後の約1時間は残務整理や日々の経理作業を行います。

そのため、通常業務が終了するのが午後8時くらいです。

その後、夕食を取り、少し休憩して午後9時半ぐらいから毎晩、ブログ記事の原稿執筆作業をスタートしていました。

記事に使用する画像は日常業務中に作業内容などをスマホで撮影し撮りためておきます。

ブログ記事内容については、思いついたときに直ぐにメモなどに書き記しておくことで記事内容に悩まずにすみます。

経験者の方ならお分かりいただけると思いますが、いざ記事内容を考えようとしてもなかなか出てこないうえ、せっかく思いついた記事ネタも業務中に忘れてしまうことがほとんどなんです。

だからこそ、おもいついたときに必ずメモしておきましょう。

そして一番重要なのは、単に思いついたことで記事を書くのではなく、消費者が求める“自転車の正しい知識”を掲載したブログ記事内容になるよう意識しながら原稿執筆作業を続けることです。

更新頻度のために「毎日書かなくては」というプレッシャーは、ときに記事の方向性を間違った方向へ向けてしまいます。

更新する内容はなんでもいいという訳ではありません。こちらがお知らせしたいこととお客様の知りたいことのバランスを保つ必要があります。

こうして、毎晩深夜2時ぐらいまで、時には突然睡魔に襲われコクリコクリ(笑)と眠気と戦いながら、ブログ記事作成とそれに必要な画像編集作業、公開などを行いました。
(画像はスマホで撮影してWindowsのペイント機能でリサイズし、無料のアプリで容量を落とすだけです)

広告にかける時間の問題

コスナサイクルでは上記の信条をもとに正しい情報を発信し続け、公開本数も200本を超えたあたりから、グーグルで上位表示される記事が多くなりました。

そうして、1年ほど経過してから少しずつ、HPをご覧いただいたことでこれまでの商圏よりも広いエリアからお客様が来店するようになったのです。

但し、来店者数や、他店お買上げ車の修理のご依頼を多数いただくようになると、今度は実作業にかかる負担が増加して記事制作にかける時間とのバランスをとるのが難しくりました。

修理や自転車の組み立て作業が増えた分、場合によってはお店の閉店後もメンテナンスルームで作業を行うようになり、当然ブログ記事原稿作成時間もずれ込み深夜2時では終わらずもっと深い時間になることもしばしば。

すべてひとりで何役もこなすことにより、今度は無理をし過ぎて体調を崩し兼ねないので、私のような個人商店ではどうしても1人での作業にも限界があります。

また、ブログ記事を書いたからと言ってすぐにお店の売り上げにつながる訳ではありません。

当店の場合は1年ほどで少しずつ結果が出始めましたが、事業のジャンルや顧客の属性によってはもっと時間のかかることもあるでしょう。

ただ、売り上げに直結しないからと言って1年や2年で更新を止めてしまうと中途半端に終わり、結果、宣伝広告にもなりません。

まして、前回記事で取り上げた「リアルとWEBが交錯しにくい地方での広告」の実情もあり、地方ならではの広告宣伝方法の難しさもあります。

個人商店でも何も広告宣伝しなければ、あなたが行っている質の高いサービスも上手く消費者に伝わらず、お店自体も何も成長することができません。

それなら「外注すればいい」と言って、急激に広告制作にお金をかけるのは危険です。

個人商店の広告のありかた

個人商店でも売上高に対する広告宣伝費を年間いくらぐらいにするのか予算を把握することも必要です。

色々なビジネス書に書かれている「売上高広告費比率」と言われる数値ですが、それぞれ個人事業主の業種により数値も異なります約5%~20%が目安と言われています(それぞれ個人事業主の業種により数値も異なります)。

この数値に関してはご自身の業界などを参考に、売上高に対しての広告宣伝費を割り出してみましょう。

以下の数式で算出できます。


広告宣伝費÷売上高×100=売上高広告費比率(%)

例えば、月の広告費宣伝費が10万円で月間200万円の売上の場合は、売上高広告費比率は5%となります。

このように売上高に対する広告宣伝費を理解せずに目先の負担を軽くすることだけを目的に広告にお金をかけても無駄になってしまうことがほとんどでしょう。

また販路拡大を急ぐあまり、無理して毎月多額の広告宣伝費を出費し続ければ経営自体を圧迫することにもつながりかねません。

個人商店でも、ひと口に広告宣伝と言っても方法は色々あると思いますが、リアルとWEBではその広告方法も異なります。

お金をかけずにすむリアル店舗での広告手法

店舗の広告宣伝は、なにも広告制作会社や外注ライターさんにお金を出すことだけではないはずです。

逆転の発想でお金をかけずにすむ広告宣伝方法を見つけ出すのもひとつです。

例えば、店舗の清掃や整理整頓もりっぱな広告宣伝だと思いませんか?

小さなお店だけど日々店内・店外ともきれいにして、店舗のウインドガラスを「ピッカピカ」にしていたら、お店の前をいつも通る人たちの中には、必ず気に留めている方がいるはずです。

また、作業に使用する工具類がきれいに磨かれ、いつも整理整頓されていたら作業効率も上がるのはもちろん、お客様の目に留まるでしょう。

雑然とした店内は、外を歩くお客様の目に留まってしまいます。

あなた自身が知らないだけで、お客様はいつもあなたのお店を見ています。

そして、お金をかけずに広がる最大の広告宣伝は「口コミ」です。

来店いただいたお客様が、お店に魅力を感じて継続的なファンになっていただくことことで、購買より以前のアクションである購入にかかわる“相談”を受けることも可能になるでしょう。

何より、本当に気に入ったものは、お客様のSNSアカウントなどを通して、あなたのお店の広告宣伝をしてくれる可能性もあります。

ただし、「口コミ」も、良い評判だけでなく悪い評判も直ぐに広まりますので、日々の仕事に対する取り組みはもちろん、お客様との接客方法などもとても重要になります。

このことについては、いつかまたあらためてお話ししたいと思います。

また、リアル店舗では必ずしも全てのお客様がデジタル情報に強いわけではありません。
そのようなお客様にはアナログでの広告宣伝も必要不可欠です。

個人負担を減らしたWEBでの広告

私のようにひとりでHPのブログ更新を行いながら運営する場合、どうしても個人の負担は大きくなります。

もし広告宣伝費用の中で負担を減らすのが可能であれば、外注でライターさんに毎月何本か記事原稿をお願いする手段もありますが、最初にも書きましたが外注依頼する時は通り一遍の記事になることが多いため、ブログ記事内容についてはユーザー目線で伝えているか必ずご自身で納得してから公開しなければ、その記事は消費者に伝わらないはずです。

もし、作業に当たる人数が少ないのであれば無理してまでリスクをとるよりも段階を踏んで発信をおこない、同時に体制も整えていく、という方法をとったほうがいいでしょう。

クラウドソーシングで安く外注するのではなく、自身のことをよく理解してくれるライターさんと契約したり、場合によっては新たに専属の人材を雇用する、というのもいいかもしれません。

個人商店においても多くの広告手法がありますが、まずは地に足をつけた手法をとり、自分自身に何ができるのか、どこまでできるのかを慎重に検討する必要があります。

今回、私のブログ記事を読んで「よし、HPの更新を頑張ろう」と思っていただく前に、既存の事業の枠内で改善できるところはないか見直してみてください。

そうして、事業全体を見直した後に「もうできる手はない、やはりHPの更新を行おう」と感じたならば、実施するべきでしょう。

そうでなければ、作業負担が大変なHP更新は切り捨ててしまうことも視野に入れたほうがいいでしょう。

またこの部分については、自分ひとりで考えているとつい固定観念にとらわれ自分目線だけの判断になりがちなので、専門的アドバイスを受けた方が結局は無駄足を踏まずにすみます。

これは、なにも専門の広告制作会社の人に相談する、ということではありません。あなたの仕事についてよく知っている家族なり、友人なりでも構いません。

外部の人間を交えてメリット・デメリットの議論を何度も交わしたほうがこれまでにない視点を含めたよいよい結論を導き出せるはずです。


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