他力(ときどき自力も)で楽しむ読書#70

「力士探偵 シャーロック山」田中啓文(実業之日本社)

※10回ごとの回数では「自力」で見つけた本を紹介します。
 #23で取り上げた「大相撲殺人事件」のラストでちらっと触れたのがこの作品。とある書店をぶらついている時に、たまたま文庫新刊コーナーで見つけ、「なんじゃこりゃ?」と作者も知らずに衝動的に購入した本。
早速読んでみると「相撲+シャーロックホームズ」というどうやったらこのジャンル同士を結び付けようと思ったのかを良い意味で理解に苦しんだ。自分のように定番を知らない人間でも楽しめる作品だったので作者のファンになってしまった。それにしても、“誇張”して書かれたはずの相撲部屋の「かわいがり」が、現実と比べたら全然マイルドだったというのは笑えない。
個人的には、「大相撲殺人事件」の時も感じた主人公をはじめとする怪しい四股名(「銅煎親方(現役時四股名:虎南)」とライバルとなるモリアティポストのキャラが最高!)
 まだまだ、「相撲+別世界ジャンル」はまだまだ大物が出てきそうな予感。できれば、本家よろしく続編を激しく期待してしまう。「異世界ちゃんこ」のように誰かコミック化もしてほしいなあ。

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