ゴットハンドと呼ばれて
こんにちは😃コッシーと申します。
愛知県で介護事業を運営している会社の介護事業部の統括責任者をしております。
さて、冒頭で毎回言っておりますが、僕は会社の介護事業部の統括責任者をしており、介護事業部の中で一応トップをやらせてもらっております。
介護事業部には入居施設、デイサービス、訪問介護、福祉用具など様々な事業所がある中、一応私が組織の全責任を担っております。(厳密には社長だけどね)
いろんな意思決定をしたり、事業の方向性を示したりと、責任感を持って一生懸命やっております。
そんな僕は、移乗や排泄介助、入浴や食事介助などのいわゆる介護技術に関しては、組織の中でも底辺中の底辺でございます。
全く使い物にならないと思っていただいて結構です。本当にお世辞抜きに役に立ちません。
僕の介護技術が赤子レベルだという事は周知の事実で、入居者までにも知れ渡っております。
前に食事中に一人の入居者が失禁してしまったことがあり、たまたま近くにいた僕が駆け寄ると、同じテーブルの他の入居者から「コッシーさんじゃダメだ!他の人呼んできてー!」と言われる始末です。役立たず責任者です。
言い訳ではないですが、それはある意味仕方がない事で、僕には僕の仕事があり、他のスタッフが介助に入る代わりに、僕は事業の方向性を考えたり、経営状況を把握し適切な施策を打ち出したり、日曜日に入居者と一緒にカラオケなどをしたりするわけで、それぞれが組織の一員として自分の役割を担っているのです。それがチームだと思うわけです。
そんな役立たずの僕が唯一介護事業部の中で誰にも負けない特技があります。
それは、手が暖かい事です。
今、「は?」と思った方はどうか最後まで僕の話を聞いていただきたい。
僕の手は本当にめちゃくちゃ暖かくて、今まで僕よりも手が暖かい人に出会ったことがありません。
夏場などは手が暖かすぎてかなりの手汗をかきます。
学生の頃、夏祭りに意中の女性を誘いました。浴衣姿の彼女はとても可愛く、そんな彼女と二人で出店通りを練り歩いたわけです。彼女の態度からするとこれはまんざらではないかもしれないと、僕は勇気を出して彼女の手を握りました。
その瞬間、彼女は僕の手を振りほどいて、「なんか手濡れてるよ!」と言いました。
「俺さ、手汗かきやすいんだよね、ははは」と無理やり笑う僕に、「そ、そうなんだ…はは…ははは」と笑う彼女の目は全く笑っていませんでした。
そんな過去もあり、僕はしばらく自分の手が暖かい事にかなりのコンプレックスを抱いておりましたが、介護事業に関わるようになりそれは嘘のように解消されました。いや入居者が解消してくれました。
僕は出勤日には朝夕の食事時に食堂に行きます。朝は「おはよう」と声をかけるために、夕は「おやすみ」の声をかけるためにです。
その際に多くの入居者が僕の手を握ったり、僕とハイタッチをしたりします。
入居者の方々は僕の手を触ると嫌がるどころか、「わぁ!あったかいねぇ」と言ってギュッと握り返してくれます。
また僕が入居者とお話をしたなどに入居者の肩に手を置いたりすると、すごく安心すると言ってくれます。
そして「おやすみ」とハイタッチをするとよく眠れると言ってくれます。
僕の手汗でベタベタの気持ち悪い手は、入居者にとっては温もりを感じ安心する事が出来る手と言ってくれるのです。まさにゴッドハンドなのです。
仮に僕が冷え性で手が冷たかったら、こんな風に入居者を安心させる事は出来なかったかもしれません。
僕の手が誰よりも暖かったからこそゴッドハンドになることが出来たのです。
冗談はさておき、人は温もりを感じる時、ある種の安心感を抱くことがあるように思えます。
高齢者の中には心に不安を抱えて生活されてる方もみえます。
そんな方々に安心感を与える事が出来るなら、僕はこれからも気持ちを込めて手を握っていきたいと思います。
それがゴッドハンドの務めだと思っております。
(介護技術を伸ばす事は諦めております)
現場からは以上です。それではまた。
コッシー
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