保育士

保育士水増し

2017年、春。兵庫県の認可保育園で保育士数の水増しが発覚。保育園は市から給付金を受け取り、22人の保護者とは直接契約して利用料をとっていたという。それらの給付金、利用料は一体何に使われたのだろうか。園児は定員数よりプラス22人多く受け入れ、給食は実際数の園児よりも少なく発注していたそう。なので、園児ひとり分の量はほんのわずかに…ニュースでこの給食の写真を見てびっくりした。実際の園児数で給食を発注すると22人多く受け入れていることがばれるから、できなかったのだろうけど、保護者からは利用料をとっていたわけだし、子どもたちの給食、なんとかならなかったのだろうか。

その保育園の園長は、困っている保護者を助けたくて、定員数よりも多く園児を受け入れたと言っていたとか。それが本当だったとすれば、正直私は22人を受け入れた園長を強く否定できない部分があった。私は運よく住んでいる街の保育園に子どもを預けられたが、1歳になるまでは一時保育の利用時間と、自宅で子どもが寝ているわずかな時間をぬって仕事をしていた。その経験から、子どもを抱えての仕事はかなり難しいと実感している。でも、だ。園児の安全や健康を考えるとやはり違うやり方を見つけ出さないといけなかったと思う。

不正に給付金を受け取ったり、保護者と直接契約して利用料を取っていたわけだが、保育園の資金に困ってのことだったのであれば、こんな方法はどうだろう。抱えている問題をオープンにして、いろんな方から協力してもらうクラウドファンディング。無認可保育園が認可保育園を目指し、耐震性のある園舎にするため、建築費をクラウドファンディングで集めているという話を聞いたことがある。でも認可保育園になると、そういったクラウドファンディングは法的に利用できないのだろうか?どうなのだろう。

その兵庫の保育園では問題発覚後に22人が退園したそうだ。退園した子たちは他の園に入園できたのだろうか?これは事件をおこした兵庫の保育園だけの問題ではなくて、もっと市や国規模で考える大きな問題だと思う。待機児童がいなければおこらなかった事件なのでは?そう思えてならない。

↑こちらの一コマ漫画の原画を『第48回日本漫画2017展』で展示します。

第48回日本漫画2017展
『フェイク! フェイク! フェイク!』
2017年7月31日(月)~8月5日(土)
11~19時
(初日は15時~。最終日は15時まで)
ギャラリー暁
〒104-0061
東京都中央区銀座6−13−6 商工聯合会ビル2F
TEL 03-6264-1683


発行・テキスト・一コマ漫画・編集・はまのゆか・2017年7月31日


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