The 4th summer
娘のことを書こうと思う。
彼女は4年前の夏に生まれた。嫁と名前の候補を沢山挙げて、絞った。画数を気にした。嫁の名字は大変縁起がよく、反面私の名字はイマイチ。生まれながらにして運勢が決まるなんてナンセンス。だがしかし、娘は私の名字の元に生まれてきた。夏の朝、産声をあげた。
私は父親になった。
嫁は母親になった。
私たちは家族になった。
長いようで短いような4年。いつしか娘は泣くこと以外を覚え、自分で考え、行動するようになった。友だちを作り、好きなアニメができ、洋服の好みができ、夢はプリンセス。初めての運動会では、初めてのクラス代表になり、冒頭の挨拶の1パートを任される。
娘には自主性がある。生来のものか、教育のたまものか、あるいは両方かもしれない。感情豊かですぐ泣く。よく笑う。すぐ泣く。
私は娘を愛していない。
朝はお姫様だっこで1階に連れていくし、幼稚園の準備は前日にしておく。
朝ごはんを作るし、水筒の中身だって入れる。
たまのチャンスがあれば幼稚園のバス乗り場まで行くし、帰りは迎えに行く。
休日は朝から晩まで。一緒に料理をするし、絵本も読むし、工作もする。風呂も歯磨きもドライヤーも。重いけど頑張ってだっこする。肩車もするし、宙吊りにして遊んだりもする。
将来、親の面倒を見てほしいなんて思わない。自分の幸せを考えてほしい。そのための強さを幼少期に培いたい。
なんでもはしてあげられない。できることだけ。
すこやかにあれ。
幸せであれ。
かつて子どもだった、すべての人たちへ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?