週末、幼馴染とデートをしてセックスした

屋上の風を浴びながら食べる昼飯は、とてもまずかった。
もくもくと飯を口に詰め込んでいると涙が出てくる。今の俺は、打ちのめされた野良犬だ。
いつも餌をくれるからって、勘違いしてすり寄ったら蹴り飛ばされる。バカな野良犬同然だ。
「おー、打ちひしがれてるね」
いつの間に屋上に入ってきたのか、カンナが声をかけてきた。
「お前もバカにしに来たのか?」
「違うよ。教室にお茶を忘れたでしょ」
そう言って、カンナは水筒を差し出した。俺は無言で受けとって飲む。ヤケ酒だ。
「そんなにショックだったんだ」
「当たり前だろ。一世一代の告白だったんだ」
「ふーん、その一世一代の相手がレイナさんだったわけ」
「ああ。いつも優しくしてくれるから、勘違いしてた。恥さらしだよ、俺は」
「まあまあ、もう終わったことだし。忘れなよ」
「なんだと!」
するとカンナは、映画のペアチケットを俺に突き出した。
「気分転換にさ、私と映画観ようよ。いいでしょ?」

【続く】

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