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月愛三昧

大般涅槃経には、
『月愛三昧(がつあいざんまい)』と言う境地が説かれている。

父を殺したアジャセ王はその罪に悩み苦しんでいた。
その姿を見たシャカは月愛三昧の瞑想に入り、
アジャセ王の心を救おうとした。
シャカは言う。

どんな罪を犯したとしても、すべての人は救われるのだよ。
たとえば、月の光が夜の闇を優しく照らし、人々を導くようにね。
月が全ての人を慈しみ優しく愛すように、
全てを優しく包みこむ心を『月愛三昧』と言うのだよ。

そうして、シャカはアジャセ王に、
私はあなたを救うまで涅槃に行かないと言い、
アジャセ王の横で月愛三昧の深い瞑想に入った。

シャカは、ただアジャセ王の心の闇を見つめていた。
シャカの心はまるで満月のように優しく光り輝いていた。
すると不思議な事に、徐々にアジャセ王とシャカの心が一つになり、
アジャセ王の心の闇を、シャカの心の満月が優しく照らし出し、
やがて、アジャセ王の心はシャカの心のように光り輝きだした。
そうして、アジャセ王の心は救われたのだ。

悩み苦しむアジャセ王にシャカは何一つ説法するのではなく、
ただ優しく側にいた。
何もしなくても、ただ側に居るだけで、
心は必ず伝わり、人を救うのだ。
そして、どんな人でも救われる。

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