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ロゴとTシャツの話

7月15日 くもりときどき雨

本日のBGM 吉田拓郎

agano_meijilogo_grayのコピー

このロゴは今年の3月ごろに作った物でして、もともとはお持ち帰りの袋用にとジョークとして作り始めたんですけど、作ってるうちに愛着が湧きまして、まあ今後はこれ使っていったらいいんじゃねーの ってことで、庚申窯のロゴとしていろいろなものに印刷しています。

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これの元ネタは明治時代のエビスビールのラベルでして、それがこちら↓になります。

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改めて見ると丸パクりだということがよくわかりますな。まあパロディのつもりで、袋だけに使うつもりだったんですけど、パロディならば全力で作らねばならないと思って描いているうちに愛着が湧いたという次第です。よく見たら昔のエビス様のイラストも今と比べたらちょっと愛くるしいですね。


ちなみに明治時代のビールのラベルは大体こんな感じ↓でして、今ではないビールばかりですね。昔のこういうデザインがよく見えるのはなんなんでしょうか。自分たちとは違う発想に心惹かれるんですかね。ただ この時代の和洋折衷な感じは、この時代でしか存在しえなかったものだと思います。

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この元ネタがまたその当時の外国のビールのラベルだったんでしょうね。そちらも色々ありますけどやはり味がありますね。

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ロゴを作るにあたって こんな感じで色々調べてみまして、見つけた中からそれぞれの好みなところを抜き出してミックスしたものを作るつもりだったんですけど、色々比較してみてもエビスビールのロゴが一番イカしてるなあ と思って ほとんどそのまんまになっちゃいましたね。


このロゴたちは当時手書きですから、手書きならではの微妙な歪みとか揺らぎみたいなものがあって、それを出すべく 私も手書きでやろうと思いまして、ていうかパソコンで描くやり方がわからないし、

そんで鉛筆でコリコリと書いてたら3日間くらいかかりました。データ化したやつよりこっちのが綺麗に見えますね。データ化する時はもう疲れてたからけっこう適当にやってますもんね。一番大事なところなんですけど。

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エビスビールのロゴとの違いは、外円が塗られてなくて白いバックに黒い文字であることと、中央のリボンの形が違うという所ですね。

外円を塗らなかったのは鉛筆で塗りつぶすのがすげーめんどくさかったためでして、あと修正もしにくいし、中央のリボンの形は上野焼の巴のマークに合わせてクルンとした感じにしたためです。


この英語と漢字が入り混じることに違和感を感じる方もいるかもしれませんが、私はあんまり気にならなくて、文字を読む流れとしても英語が左から右で、当時の漢字が右から左だから、円形のロゴだと字の流れが左回りでスッキリしてると思います。上野焼のマークが左巴ですし。


この漢字の旧字たちは調べて描いたんですけど、普段見慣れてないからどうしてもぎこちない感じになっていますね。その辺は現代人が旧字を書いたならではのズレや違和感が出てるんじゃないでしょうか。上野焼の文字だけは気に入っています。あのくらいのサイズが一番描きやすいんでしょうね。


今見返したらロゴの下半分が小さい文字だけだから庚申窯とか大きめに書いとけば良かったかなあと思いますが、自分のところをを大きく書くのはどうも照れますからな。下は引き立て役と言うことで。

あとはクリンクリンした草みたいな装飾も重要だと思っていまして、文字だけでは、つまり理解できるものだけ配置してしまうよりも、ようわからんものを置いておくことで奥行きが出る感じがして、それは余計なものを削いでいくタイプのデザインとはまた違った良さが 当時の手書きロゴにはあったんじゃないかしら。


なので今のラベルと見比べても昔の方がいいじゃんって思ってしまいまして、マイケルジャクソンの変遷を一覧で見て、「この辺でやめておけば。。」ってなもんで。でもマイコーはああなったからこそ唯一無二な感じがしますし、エビスのラベルも変わったからこそ昔のものがよく見えるんだと思います。庚申窯のロゴも形骸化して、元の意味がわからなくなるまで 長く使いっていきたいですね。

おれ

高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目




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