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エコフレンドリーで都会的なお休み処

「今、電池切れ間近で困っていたから助かったわ。これは知らなかった」通りすがりのシカゴからの女性

2014年にボストンに初めて登場した「Soofa Bench」。2つのUSBポートと太陽光パネルを備え、ワイヤレスネットワークまで提供する、この不思議で画期的なベンチを知るのはボストンの地域住民のみかもしれないが、2016年にはニューヨークの公園五カ所に、現在までに23州、5つの国、65の年に広がりを見せた。

写真は2014年6月、Founder, CEOのSandra RichterがワシントンDCでSoofa Benchに座りながらオバマ大統領(当時)にプレゼンをする様子

Soofa社はMITに近接するケンブリッジに拠点を置き、MITのメディアラボに生まれたスタートアップ。MITの研究室では、開発者全員が女性というSoofaベンチのように、社会の構成員を幸せにするアイデアの種が次々と生まれているが、Soofa社は、恊働してベンチを開発したChanging Environmentsと次なるサービスSoofa Signs(タッチパネル)の普及で、太陽光の取り組みはセカンドステージに向かっているようだ。

Soofa社には「Smart Park」構想もあるようだ。2018年夏現在、WEBサイトに「Everyone loves Park」のメッセージを掲げる。確かに誰もが思い思いに過ごし、憩いの恩恵にあずかっているアメリカ各地の公園の情景からは、「公園での憩い」が時代を問わず不変の価値であることが頷ける。

Soofa Benchがボストン市内で初めて試験的に設置されたというアイスクリームショップ「Toscanini’s」に行くと、移転した新店では通常のベンチのみの設置になっており、残念ながらSoofa Benchの上でアイスを楽しむ事は出来なかった。

さらに、Soofa社屋の下や公園の片隅で馴染みきって錆びていたベンチのUSBポートの口は、ボストンMIT地区ローカルでの浸透を物語っていた。

再生可能エネルギーへのシフトを目指す世論で太陽光ニーズの高まりは続行するも、我々が訪れた時に「便利で画期的」と感じたベンチは、ローカルにとってはすでに過去のものとなっていたのだ。

「スマートシティ」が前向きに次の未来を見ているように、アーバンネイバーフッドを幸せにするサービスは、次々と再生産され、日々刻々と変革していくものだということを考えさせてくれた。

Anna/An Ko