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正しいサービスの改善方法

サービスをリリース後、ユーザから不満の声が上がった場合に、どのようにして改善をしていくのが正しい姿なのでしょうか。
自分は改善の仕方を知らなかったこともあり、ユーザの「ここが良くない、変えてほしい」などの声をそのまま取り入れるだけで良いと思っていました。
しかし、このやり方ではユーザの不満はあまり改善しません。
今回の記事ではどうして、ユーザの声をそのまま取り入れるのは良くないのか、どうすれば良い改善につながるかを書いていきます。

ユーザの声に隠れているもの

ユーザの声のほとんどは、サービスを触った際の具体的な体験から「時間がかかった」「使いにくくムカついた」などのような、ネガティブな体験から生まれた声ばかりだと思います。
これらは本人も気づいていませんが、ネガティブな体験から自分なりに「ここが良くなかった」と自己分析した結果をそのまま伝えるだけが大多数です。
つまり、ユーザの声は専門家でもない人が独自に分析をした結果であり、内容に正確さはないため(人によっては的確な声を出す人は存在すると思いますが)、その声だけで最適な改善を行うことは難しいと思います。

ユーザの声を聞くという行為は、ユーザ目線になっているように感じられると思いますが、極端に言えば考えを放棄して「ユーザ任せ」になっていると言える状態です。(ユーザの声を聞くことに対して全否定する訳ではないです)
ユーザの顕在化しているユーザの声だけに着目するのではなく、その後ろに潜んでいるユーザの声を発見し、そこに対して改善を行うのが正しい姿であると思います。

ユーザの声だけを信じるのはプロではない

先ほども記載したように、ユーザの声だけを信じて改善を行うのはプロの姿ではないと思います。
ユーザの「こうした方が良い」という声を信じて、その他は何もせずに改善を行うことは、ユーザに改善方法を提案してもらい持ち帰るだけの、完全に立場が逆転した状態になっていると言えると思います。本当のプロの姿は、全く逆でユーザにこうした方が良いと提案する立場になることだと思います。

理解しやすくするためにプロフェッショナルの例として医者を取り上げてみます。
どこか具合が悪い時は、病院に行って医者の診断を受けると思いますが、一般的に医者は患者の言っていることをそのまま鵜呑みにすることはないです。ネットで症状を調べたら○○病と書いてあったからそうに違いないと患者が言ったとしても、必ず診察を行いその結果から最適な治療方法を提案するはずです。

このように我々エンジニアもシステム開発のプロとして、ユーザの声だけに着目して改善するのではなく、ユーザの体験を目と耳を使ってよく観察し、そこから提案・改善を行っていく姿に変えるべきだと思います。

参考にした書籍

「ユーザビリティエンジニアリング(第2版)」

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