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編入しくじり体験記~神戸大学・京都工繊大学~

※有料記事ですが、最後まで無料で読めます!

この企画は、編入に失敗してしまった学生に、しくじり体験記を投稿してもらおうというものです。世の中には、編入に成功した人の体験談が多く出回っています。学校の進学説明会や、ネット上に掲載されている編入体験記で説明される情報のほとんどは、編入に成功した場合のお話です。

ですが、真に必要なのは失敗談だと思います。
なぜ失敗したのか、どこが改善できたかを聞くことで、これから編入に挑む学生は同じ道を歩まないようにすることができます。

ではなぜ世の中に失敗談が出てきにくいのかというと、恥ずかしいという感情が出てきてしまうことや、「それはお前が甘えているだけだろう」といった心無き批判があるからです。どれだけ真剣に自分の失敗を考察しても、ただの言い訳と受け取る人もいるからです。

なのでこの企画では、自分があまり見てほしくないところ、批判が集まりそうなところを有料にすることで、赤裸々に体験談を書いてもらおうといったものです。

今回のこの記事は、試験的に無料で全公開します。ですがこれから書いてくださる人には、ご希望のところから有料公開にしようと考えています。

月に1回の連載で、編入に失敗した人に書いていただきます。
まずトップバッターとして、企画者が書かないわけにはいかないだろうということで、高専マガジンの若林が書かせていただきます。


自己紹介

まず、これから失敗体験談を説明していくにあたって必要な、僕の自己紹介から。

僕は現在、鈴鹿高専の専攻科2年生です。
編入学の受験をしたのは、今からちょうど2年前、鈴鹿高専機械工学科の5年生の時のことです。

成績順位は、クラス41人中、1年生の時だけ1桁で、2年生以降は10~15位の間をふらふらしている、いわゆる中の上くらいでした。編入受験をする学生の中では、低い方なのかもしれません。

TOEICは580点でした。低いですね(笑)

体感ですが、授業の理解度は専門で7割、数学とかは得意で9割くらいでした。英語はかなり苦手でした。

そちらを踏まえて、以下のしくじり体験記を読んでいただけるとありがたいです。

受験校

僕が受験した学校は、神戸大学の機械工学科と、京都工芸繊維大学の機械工学課程です。さらにすべり止めに、僕が今通っている鈴鹿高専の専攻科を受験をしました。

結果、大学は全落して、専攻科だけ合格しました。
この年に専攻科を受験した人はほぼ全員合格したので、実質内部進学みたいなものですね。

なぜ受験に失敗したのか
僕が受験に失敗した理由はいっぱいありますが、特に伝えたい3つの理由とその解決策を話そうかなと思います。

1.受験勉強のスタートが遅かった
2.勉強法を確立しなかった
3.受験校の選び方を見誤った

3からは有料公開にしたいところなのですが(恥ずかしいので)、今回は無料公開にしておきます。あと最後に、これから編入試験へ挑む、もしくは編入試験を乗り越えた(乗り越えられなかった)同士に向けてメッセージを書いておきます。

1.受験のスタートが遅かった

最初の理由は単純ですね。受験のスタートが遅かったんです。

僕は4年生の夏ごろまで、就職しようと考えていました。それを勉強をしなかった理由にするのはおかしいですが、周りの就職希望の学生は、進学希望の学生より勉強していませんでした。正直、当時の成績を維持しておけば、それなりの企業に就職できるだろうと考えていたのです。

そして4年生の夏にいろんな経験を経て(ここで書く話ではないので割愛します)、編入しようと考え始めました。

ここで伝えたい。就職希望でも勉強しろ。
当時の僕の考えは「勉強しても進学しないなら無駄になっちゃうな。めんどくさいし、勉強しないでおこう」といったものでした。
今考えれば、勉強が無駄になるなんてありえません。どうせ就職しても、資格とか社内昇進のために勉強しなきゃいけない。先輩からも、数学と英語をまじめにやってて得したみたいな話はよく聞きます。


そして、編入希望へと舵を切った僕が勉強し始めたのは、4年生の10月です。編入ではほぼ必須とされているTOEICも、4年生の11月が初受験でした。TOEICを編入で使う場合、5年生の春ごろには理想の点数をとっておく必要があります。
遅い。あまりにも遅すぎる。
というか、就職でもTOEICが必要なところもあります。会社に入ってから、昇進に必要な場合もあります。


TOEICだけでも早めに受験しろ。
いくら英語が苦手だと言っても、英語から逃げることはできません。ちなみに今も英語で苦しんでいます。(笑)

さらにさらに、僕は受験校を決めるタイミングも遅かった。
5年生の3月に、やっと受験校を決めました。しかも消去法で。この話は3番の項目で書きますね。

受験に成功している人は、だいたい初めから進学志望で、しかも受験を意識して日ごろの勉強をしている人ばかりです。
最後は真面目に勉強している人が勝つ。素晴らしいシステムですね。


まぁこの時期から勉強して、合格している学生もいるので、これだけを言い訳にするわけにはいきません。次の理由に行きましょう。


2.勉強法を考えなかった

第二の理由は、勉強法を確立しなかったことです。いや、これは確立するのが遅かったというべきかもしれません。最終的には、自分に合う勉強法(ちなみに短時間集中法です。「短時間集中」とか「15分サイクル勉強」とかで検索すると、いっぱい出てきます。)を見つけたのですが、遅すぎました。

世の中には数多くの勉強法があります。短時間勉強法、教科入れ替え勉強法、忘却曲線などなど、、、いろいろありますが、僕は効率を追い求めて、いろんな勉強法を試しました。
もしこれが、かなり前から勉強していたとしたら、いい方法だったのかもしれません。ですが、短期間で勉強しなきゃいけないのに、ノウハウにこだわったのは大きな間違いでした。

時間がないなら、とにかく勉強しろ。
質は量の上に成り立つとはよくいったものですね。効率を追い求めるなら、まず大量の勉強をしてからじゃないといけない。よく成功談で、効率のいい勉強をしたから合格したと聞きますが、あれはその人に合った方法を見つけたからです。まずは量。そのあとに勉強の質を上げていくことが大事かなと思います。この意見には賛否両論ありそうなので、このくらいにしておきます。


そして、さらに僕は失敗を重ねます。遅くに勉強を始めた焦りからか、参考書の量で解決しようと考えたのです。今考えてもかなり愚かな判断ですね。いわゆる参考書コレクターになってしまった僕は、参考書を完全に理解することなく受験に挑むことになりました。

参考書は厳選しろ。
参考書を使う上で一番大事なのは、「自分が理解できなかったところを、理解すること」であって、「数を集めること」ではないのです。当たり前です。
自分が理解できていないところを探し、そこを解決する参考書で勉強する。もしくは、受験に出るような問題が載っている参考書を解くことが大切です。

多くの参考書を使っている人でも、最後まで完全に使いきれるならいいんです。ですが、短期間で勉強しなくてはいけなかった僕は、どの参考書も中途半端にしか理解できていませんでした。

1つの教科は、1つの参考書をもとにして勉強する。わからないところが出てきたら、そのたびに図書館などに行って調べるか、先生に聞きに行く。
これで十分です。

編入に関しての過去問参考書は多く出ているので、自分が受験したい学校のレベルにあった参考書を用意しましょう。ちなみに数学のおすすめは、「編入数学徹底特訓」です。最近廃版になったらしく、価格が高騰していますので、他を探した方がいいかもしれません。あとわからないところは、「マセマのキャンパスゼミシリーズ」で調べました。これ、マジでわかりやすいのでおすすめです。他の参考書は、ググればいっぱい出てくるので、ここでは省略します。

勉強場所を確保しろ。
よくある勉強攻略記事では、「勉強場所を確保しろ!」と腐るほど書いてあります。ですがひねくれものの僕は、勉強なんてどこでもできると意地をはっていました。今となってはものすごく後悔しています。

僕は寮の自室で勉強していました。好きな音楽をスピーカーで流し、好きな飲み物を飲み、リラックスした状態で勉強していました。その時の僕は、これが最適な勉強方法だと思っていましたが、後になって「リラックス」という状態は、勉強にとって不要であると気づきました。

受験勉強の後半に、一度ファミレスへ行って勉強してみました。すると、びっくりするぐらい集中できて、8時間くらいぶっ通しで勉強していました。なぜ集中できたのかを考えたら、3つの理由があることに気が付きました。
1つ目は、周りの目があるということ。2つ目は、お金を払って場所を確保しているというプレッシャー。3つ目は、他にすることがないということです。
なのでこれをクリアする場所であれば、勉強に集中することができると思います。受験期間の後半はそうやって勉強していました。お金を払うことが難しいなら、図書館だったり、学校だったり、他の条件を満たす場所を考えてみてはどうでしょうか。

3.受験校をしっかり考えなかった

編入しようとして、自分が行きたい大学を決めている人に質問です。なぜあなたはその大学に行きたいのですか?はっきり言えますか?

僕は受験の時、この理由を答えられませんでした。
何となくで受験校を選んでしまったからです。

「国立大学だから」「ある程度名前が有名だから」「試験科目が得意科目だから」「都会だから」「自分が今研究しているテーマに近い研究室があるから」といった、特にこれといった理由ではありませんでした。
正直、こういう理由で進学先を考える人も多いと思います。

ですが、これではいけません。はっきりとした理由を言えるようにしなければいけません。

ふんわりとした理由だと、自分のモチベーションが下がってしまったとき、奮い立たせるものがないからです。勉強期間は高専のテスト期間と違い、数か月といったスパンで続きます。そんな長い間やる気を保つには、やはり明確な目標がないといけません。

行きたい大学の志望理由をはっきり言えないという人は、少しでも行きたいと思った学校へ見学しに行きましょう。気になった研究室の先生にメールを送ったり、見学会やオープンキャンパスに参加したり。勝手に入ってもいい大学なら、大学内の雰囲気を味わってみたりしましょう。これ、めちゃくちゃ大事なので、低学年の人でも、今すぐやってください。
そこで自分に合わないと感じたり、行きたいと思わなくなったりしたら、逆にラッキーです。志望校を変更して、他の大学に目を向けましょう。

あと、編入受験で大事なことは「倍率」です。
当たり前だと思われるでしょうか。ですが僕は、この倍率に苦しめられました。

私が受験した神戸大学の機械工学科の倍率は約12倍、京都工芸繊維大学の機械工学過程は約11倍でした。なぜこんなに倍率の高い大学ばかりを受けたのでしょうか?ドMなのでしょうか?
これには以下のような理由がありました。

まず神戸大学です。神戸大学の受験倍率は、学科ごとでは発表されていません。全学科の募集人数と、志望者数の合計しか示されてなかったのです。

コメント 2020-06-20 175725

こうやって見ても倍率は高いのですが、平均でも7倍程度でした。
ですが、僕が受験会場に行くと、機械工学科だけ他の学科の3倍程度の受験者がいました。

つまり、機械工学科だけ倍率が異常に高かったのです。公式には出されていないものの、過去に受験した人に聞けばわかる話なので、自分の調査不足だったと感じています。

そして次に、京都工芸繊維大学についてです。
こちらも京都工芸繊維大学の公式ホームページに倍率の情報が載っているので見てもらいたいのですが、倍率は3倍程度となっています。ですが僕が受験した実際の倍率は約11倍でした。

なぜこうなったかというと、僕が受験した年だけ、推薦入学の人数が増えたからです。

例年、機械工学科の編入人数は、推薦と学力あわせて5~7人でした。推薦で合格する人数は、多くても2人で、学力で5人程度とられるというものでした。
ですが僕が受験した年は、推薦で5人合格してしまいました。なので学力では2人しかとられませんでした。23人受験したので、倍率は11.5倍ですね。

ここまで読んでいただいて、運が悪かったと感じたか、ただの言い訳に感じたかはわかりません。ですが、僕が伝えたいのは「倍率は毎年変化する」ということです。普通の大学受験もそうかもしれませんが、編入の方が受験人数は少ないので、簡単に倍率が変化します。

だからこれから受験する人には、「すべり止めを真剣に考える」ことと「受験情報を先輩から入手する」ことを絶対にしてほしいです。

すべり止めはもちろん考えていると思いますが、自分の志望校の倍率が急に上がってしまうことも考えて、真剣に選んでください。確実に受かるところ、かつ自分が行って満足できるところです。

また、自分が受験する学校の編入経験者にもお話を聞きましょう。Twitterなどで話しかければ、優しく教えてくれると思います。(もちろん、礼儀はちゃんとしましょう。無礼な質問が多い、と友人が悩んでいました。)
受験時の倍率や、どんな学生が受験してきたか。受験の時期など、いろいろなアドバイスをくれると思います。


さて、これまで3つの失敗した理由に沿ってお話してきました。
なかには恥ずかしい話も多かったですが、少しでもお役に立てたら嬉しいです。

またZENPENという団体が、編入体験記を多く掲載しているので、そちらを見てみるといいかもしれません。そちらではちゃんと受験に成功した人が書かれているので、いい参考書を見つけたり、合格するラインの見極めに使えると思います。

最後に伝えたいこと

僕は受験に失敗して、かなり落ち込みました。
ですが、今の自分の進路に不満はありません。

僕の好きな言葉に、
「自分の進んだ道を、正解にしろ」
という言葉があります。(誰の言葉だろう、忘れちゃいました。)

自分はすべり止めで受験した専攻科に入学しましたが、そのおかげで
「どうせキャンパスライフが楽しめないなら、チャレンジしまくってやろう」
と思えました。

自分は落ちたからしょうがない、もう駄目だとあきらめる人生は面白くありません。
だから落ちてしまってもそれをプラスにとらえて頑張ろうと思えました。

受験は一つの分岐点ですが、そこで人生が決まるわけでもありません。
とはいえ、自分のしたいことが大学にあるのなら、それに向かって努力しなければいけません。
受験は、誰かが受かれば、誰かが落ちるもの。


応援しています。
皆さんの合格を、祈っています。

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最後にお願いがあります。
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よろしくお願いいたします。

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