引退したライバルにインタビューしたら、心を動かされたことについて。

僕には、ライバルがたくさんいる。
こっちの片思いかもわからないがたくさんいる。
だが、その中でダントツで永遠のライバルと思っている人がいる。

吉田 一彦 という人間だ。

最初の印象は最悪だった。

まず雑なイジリをしてくる。
なんかやってよ。
それしか言わない。
リクエストに答えても、どんな感情かわからない顔で見てくる。
地獄の雰囲気になる。

それとすぐ怒る。
きつい、つらい、めんどくさいというワードにすぐに反応する。
「やんなきゃいいじゃん」「いいからやれよ」は、よく耳にタコができるくらい言ってきた。正直、めちゃくちゃ面倒くさい。

サッカー中は、自分の考えを貫くし、指示も怖い。
やられたらやり返すみたいな所もあった。

一言で言うと、「クセが強い。」
取り扱い説明書があったら一冊の本になってしまう。

絶対、仲良くなれないと直感が働いた。

ここからは、僕がいつも呼んでいるように「カズ」にする。

カズは世代別日本代表だった。
一緒に代表に入ったメンバーはみんな有名な選手ばかりだ。
凄いとしか言いようがない。
僕からしたら世代別の代表は夢のまた夢だった。

そんなカズと僕は、ヴァンラーレ八戸で同じチームになった。
ポジションも一緒。
2人とも試合に出れない日が続いた。
毎朝、練習前に筋トレ、体幹、ストレッチをするのが日課だった。
毎朝、隣でやってたのがカズだ。
仲良くない時は、「よー」ぐらいしか会話はしなかった。

そんなある日、練習終わりに「おい、やろうぜ」とカズに声をかけられた。
そこから練習が終わった後の自主練が始まった。

いろんな事をした。
やりすぎて、仕事の時間に間に合わなそうになったりもした。
本当にアホだった。

凄く激しい1対1をして、熱くなりすぎて削りあった時もあった。
そして、喧嘩に発展する事も珍しくなかった。
こいつには負けたくない。
その思いが強すぎた。
でもその時は、どちらも成長するのに必死だった。

自主練を一緒にするようになってから気づいたことがあった。
それは真っ直ぐで熱い男という事だった。
やりたい事はやる。
やりたくない事はやらない。
そんなカズに心のどこかでリスペクトしている自分がいた。

そして、カズは今、サッカー選手を辞めた。
ドイツに渡ってサッカーをし、結婚をし、子供もいる。
一年前の僕らには想像できない人生になっている。

そんなカズに対して僕は少し聞きたい事があったから聞いてみた。
少しの間、お付き合い下さい。


僕が、カズに聞きたいこと。
それは、あのサッカー小僧だった男が引退を決断した事について。
世代別代表に入ってたカズが苦しんだ理由。
それとサッカー中心の生活から今の生活に変わっての変化。
サッカーを辞めて苦労した事。
ドイツでの苦労。
これらを聞いていきたいと思う。
(以下、本人回答の引用)

引退を決断したきっかけについて

サッカー選手を引退したきっかけは以下の4点がキーワードになる。
・目的
・満足と限界
・変化

1つ目の目的とは。

18歳のときに計画をたてた。
・21歳、大学を卒業したら最低でもJ2に行く。
・23歳、J2で二年以内に結果を出し、J1へ。
・25歳、J1で経験を積み、選手として一番旬なときにドイツへ挑戦しに。

最終目的がドイツでサッカーをすることだった。
あわよくば世界一のサポーター数を誇るドルトムントでプレーがしたくて。
しかし21歳、J2どころか、JFLのチームしか行けなかったうえに、試合にすら出れなかった。

最終目的達成のために計画を変更した。
計画通りにいかないなら、今、ドイツに行こう、と。


満足と限界について

渡独後、ドイツ5部リーグに半年間所属。
奇しくも、キャリア最後の試合はドルトムントとの試合だった。
ドイツ5部リーグがなぜか、夢のドイツ1部と。
親善試合だったが、神様からのサプライズだとも思った。
そこで満足してしまった。
そして限界を感じた。
残念ながら、こいつらにはサッカーでは勝てないと。

変化について

子供の頃はサッカーが楽しくてしょうがなかった。
練習や試合が本当に楽しみで、スパイクを買ってもらうと枕元に置いて寝ていた。
ドリブルが大好きなサッカー小僧で
夢は世界一のドリブラーだった。
誰にもボールを渡したくなかった。
それがいつしか、ミスを恐れるようになった。

サッカーが楽しくてプレーするのではなく
結果がほしくてプレーをするようになった。
そしていつしか、心からサッカーを楽しめなくなった。

辞めた原因というものは、
どれかが決定的だったわけではなく、
いろんな要因が重なって今に至る。

今、カズが多くの人に伝えたいこと

〈変化〉の部分と重なる部分があるけど
サッカーを楽しむ気持ちは忘れないでほしい。
誰かが言っていたけど、サッカーの指導者としての成功は教え子が選手として成功することじゃない、
一生サッカーが大好きな永遠のサッカー小僧でいてくれることだと。
僕が指導者になるなら、そんな選手を育てたい。
サッカーは楽しいものなんです。

世代別代表に入ってたカズが苦しんでた理由

・自信
・武器の欠如
・楽しむ余裕
もっともっと自分だけの武器を磨くべきだった。
武器をどれだけ鋭く、尖らせることができるか、それが自信になる。
その自信が心の余裕になる。
心の余裕が勝負を楽しむ、サッカーを楽しむ要因となる。

サッカー中心の生活からサッカーを辞めた生活に変わっての変化

生活の変化
現役時代は僕の全ての中心がサッカーだった。
上手くなるためのトレーニング、疲労回復のための睡眠、怪我をしないための食事。

それがなくなった今、当然のごとく
生活は180度変わった。
今は家族中心の生活。
家族がいてくれなければ廃人になっていたと思う。
仕事については、サッカー選手として、少しでも上のレベルに行くことに全力を注いでいたため、サッカー以外にやりたいことがわからないのが現状。
すみません、言い訳ですね。

サッカーを辞めて苦労したことは。

生活の変化と重なる部分もあるが、サッカーを辞めた途端にやりたいことが自分でわからないという状態に陥っている。
サッカー選手吉田一彦ではなく、社会人吉田一彦に変わった。
やりたい仕事がわからない、
いきたいと思える会社もない。
今は今の会社でやれることを精一杯やろうと思っているがサッカーをしている間にもう少しほかの世界に目を向けることも必要だったのかなと思う。

最後にドイツでの苦労。

ありきたりだが、言葉が通じないのは想像以上にしんどかった。
もちろん単なる勉強不足。
チームメイトに「もっと自分の考えを表現しろ」と、ドイツ語でしかられたときは、どうすればいいか本当にわからなかった。
誰かが話しているのが、全部自分の悪口を言っているのではないかと疑心暗鬼になっているときもあった。


ありがとうございました。

今回、僕がカズの話を聞いて感じた事。

辞めるにも勇気が必要なんだと思った。
納得して辞める人、そうでない人。
どっちにしろ決断というものをしなければならない。
僕も、遅かれ早かれその決断というものがやってくる。
僕はまだ雑草のように、諦めの悪いように生きる予定だ。
ただ、カズのようになにが起こるかわからない。
その為にも、1日1日を悔いの無いように生き抜きたい。
数少ない僕にしかない武器で戦おう。
そして、もう一度サッカーを楽しもう!
改めて、サッカーの本質に気づかせてくれた。
ありがとうカズ。

そして、改めて思うのがサッカーを辞めた自分の姿。
正直、なにも思いつかない。
でも、サッカーに対しては嘘をつかず真摯に向き合ってきたつもりだ。
やりたい事も薄っすらだがある。
ただどうすればいいのかわからないといった事が現状。
カズが言うように、現役の時にいかに吸収して、還元するか。
本当にそれが大切だと思う。
現役の時は、応援はしてもらえる。
ただ辞めた途端にそれはなくなる。
サッカー選手ではなく、社会人になった時に、その時に考えるのではなく、しっかりと準備するという事。
もちろん、サッカーを真剣にするのは当たり前。そこはブラさない。言われなくてもわかってる。
ただ、24時間サッカーをできるわけではない。
やっていない時にどうするか。そこだと思う。

社会にでたら大きな波がやってくる。
その中で、大きな波に飲み込まれたらダメだと思う。
一人の男として、しっかりと自分の足で立ち、波にも負けないそんなようにならなければいけない。

東京出身のカズと宮城出身の僕は、サッカーをしていなければ関わる事もなかった。
これもサッカーをしていてよかった事。
今しかできないサッカーを続けた事によって、僕は多くの事を経験し、多くの出会いがあった。もし大学四年の時に、戻れて、就職するか、サッカーを続けるかという選択になった時には、もう一度サッカーの道を選ぶだろう。
就職していたら、、というものは、やっていないからわからないが、それも周りの人を見る限り充実していると思うけど、僕はサッカーが好きだからこの道しか選ばないと思う。
そして、カズとは今後も刺激を与え合いながら切磋琢磨して行きたいと思っている。
なにか一緒にまた出来たらと期待して待っている。

今回はなにを言いたいかよくわからない記事ですが、読む人によってどう考えるか、どう感じるかは人それぞれな気がします。
とても長い文章で読むのに、疲れたと思いますが、最後まで読んで頂きありがとうございます。

吉田 一彦(よしだ かずひこ)
東京都出身。
FC東京ユース、東京学芸大、ヴァンラーレ八戸を経て、ドイツに挑戦。
今年6月に現役引退。その後、就職。
現在は、色々と模索中とのこと。
吉田一彦ワールド全開のブログはこちら。
備忘録
Twitterのアカウントは @1027_kazu 。
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宮城県登米市出身/コバルトーレ女川 #24 宮城県にある人口6700人の女川町という町のサッカーチームに所属しています。日中は不動産関係で働き夜に練習という生活をしています。日々生活している中で思ったことを自由に表現していきます。気軽にフォローして下さい!!
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