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SmartHR謹製! 「年末調整書類があつまる封筒」できました。

こんにちは&はじめまして! この夏にSmartHRに入社しました、コミュニケーションデザイングループのsayurikoです。ブランドコミュニケーションユニットのデザイナーとして、SmartHRのアイテムを作ったりSmartHR Design Systemに関わる活動などをしています。(自己紹介はまた別の記事であらためて😌 )

この記事では、SmartHR Storeの新商品「年末調整書類があつまる封筒」というアイテムの、制作過程やデザインの工夫ポイントなどをご紹介します。

こんな方におすすめの記事です💁

・年末調整の業務に携わる方
・「年末調整専用の封筒ってなに?」と、なんだか気になった方
・SmartHRの新しいアイテムに興味があるよ〜という方


「年末調整書類があつまる封筒」とは?

「年末調整書類があつまる封筒」とは、年末調整の各種原本書類を従業員が提出することに特化した、専用の封筒です!

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事業規模や業務形態を問わず幅広い企業様に使っていただけるようにデザインしています。加えて、SmartHRを導入していない組織でも使える仕様になっています。これは、SmartHR Storeが「働くすべての人を応援する」というコンセプトで活動しており、SmartHRユーザーのみなさまだけでなく、より多くの働く人に提供することを目的としているため、今回の封筒も幅広い組織でご利用いただけるように制作しました(こちらの「SmartHRの想い」も参照ください)


「年末調整書類があつまる封筒」のココが便利

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この封筒には、書類を回収する年末調整担当者の方はもちろんのこと、書類を提出する従業員の方にとっても、便利になる工夫を盛り込んでいます🙋


SmartHR Storeの工夫

年末調整担当者の方に向けては、業務効率化をサポートするための工夫をしています:
・社内周知しやすい
・埋もれず見つけやすい
・管理しやすい
提出する従業員の方に向けては、提出の負担を軽減する工夫をしています:
・発送しやすい
・自分での封筒の用意が不要

詳細は、記事の後半の書類があつまる便利ポイント8選に記載していますので、ぜひ最後まで読んでもらえると嬉しいです。

(とはいえわりと長文なので、お急ぎの方は画像だけでも通して見てもらえるとざっくりと内容は伝わると思いますので、ぜひご覧ください!🙏🙏🙏)


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年末調整の書類回収は、ほんとうに大変


年末調整は、多くの企業の人事・労務担当の方にとって一大プロジェクト。
ほぼすべての従業員の方たちを対象に、個人ごとに異なる情報を集め・整理し・確認する必要があるので、年末調整のプロジェクト期間は特に業務負荷がかかります。質問の対応や差し戻しの確認などが重なると、その分だけ日々の業務量も増えていき、さらには扱う情報も繊細なので、人事・労務担当の方にとっては気が抜けずタフな期間になります。

もちろん、SmartHRを使えば年末調整はペーパーレスで行えるようになっています! アンケート形式のフォームに回答するだけで、年末調整ができます。(SmartHRについてはサービスサイトへ💁)

ただ、SmartHRを導入していただいていても、法律上どうしても、物理的に原本を提出しないといけない方もいます。例えば、今年中に転職をした方は前職の源泉徴収票を、住宅ローンを組んでいる方は住宅ローン控除証明書をと、書類の提出が必要なケースがあるのです

そんな十人十色な書類一式が、さらには色々なサイズの封筒で提出されるため、年末調整の業務は、郵便物の山の中から年末調整関連の封筒を見つけ出すところから始まるという声も聞きました。

そこで、「SmartHRがサポートしている年末調整業務について、書類回収というオフラインで発生するタスクも、物理アイテムでサポートできないか?」という考えのもと、この封筒の制作が始まりました。


制作のきっかけは、社内の労務メンバーの実体験

そもそもの制作のきっかけは、他の年末調整関連の打ち合わせで労務メンバーにヒアリングをしたところ、ひとりのメンバーが「以前の職場で、年末調整セット(簡単なマニュアル、表、封筒など)を各支店に送り、回収をしていた」というエピソードの共有があったことでした。

「その工夫を発展させてSmartHRとして提供できたら、年末調整業務のサポートにつながるのでは」というアイデアから、実際に制作が始まりました。

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▲制作のきっかけになった、労務メンバーが過去に行っていた回収のフローをまとめた図の一部

制作の3つのステップ

この封筒では、大きく3つのステップで制作しました🧑‍🎨

Step 1: ヒアリングをして「使える仕様」を探る
Step 2: 運用フローを可視化して「効率化するステップ」を整理する
Step 3: フィードバックを反映して「機能するデザイン」を検証する

ちなみに私がこの封筒のプロジェクトに加わったときは、「年末調整の書類回収にはどうやら課題がありそうで、封筒などでサポートできそう」という仮説が存在している、プロジェクト序盤のタイミングでした。

入社して日が浅いこともあり、上記3点をできるだけ着実に順を追って明らかにしながら、形にすることを心がけました。

Step 1: ヒアリングをして「使える仕様」を探る

封筒の制作にあたり、社内の複数のチームにヒアリングをしました。

まずは、実際に年末調整業務を担当している労務チームにヒアリングの場を設定。年末調整業務で大変なポイントや工夫していることなどを確認しながら、封筒制作の大方針を固めていきました。

この労務チームへのヒアリングでは、経験者ならではの具体的なエピソードをたくさん聞くことができました。特に運用面では、何を配布し、何をどう受け取るのか、何に気をつけているのかなど、細かいけれど大事なポイントを具体的にインプットさせてもらいました。

エピソード例をいくつかご紹介します👇

3000人規模の年末調整業務になると、届いた封筒を社員番号順に縦にしてダンボールに入れる作業を、6〜7人で数日かけて行う
郵便物の中から年末調整の書類が入っている封筒を探し出すだけでも実は結構大変。表に何も書いていない場合もあるし、封筒のサイズもばらばらで届くので、見つけ出すのも一苦労する
必ずしも労務担当者が最初に封筒を受け取るとも限らないので、一見して年末調整の書類が入っているとわからないと、担当者以外が封筒を開けてしまうケースがある。プライベートな情報なのと、書類の紛失にもつながるので、担当者以外が開けてしまうのは避けたい

これらは一例ですが、聞いたエピソードは「それは明らかに大変…!」「言われてみればたしかに…!」の連続で、ヒアリングをして初めて気づくことがたくさんありました。

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▲デザインのラフを簡単に作成して、封筒に持たせる機能についてのフィードバックは早い段階でもらうようにしました

労務チームへのヒアリング後、カスタマーサクセスチームにもヒアリングの時間をもらいました。実際に各企業の方がこの封筒を使用することを想定した場合に機能しそうかどうか、SmartHR本体と合わせて使う場合に懸念点がないかなどを、日頃からユーザーのみなさまと特に近いところにいる観点からコメントをもらいました。

このときのヒアリングで、年末調整のための書類回収の準備は各社独自の工夫も多いと改めて確認。封筒による「提出」のプロセスだけではなく、周知から回収までの「運用全体」のプロセスの効率化をサポートする方針に固めていきました。

また、品質の観点から、社内のドメインエキスパート(※)の方に内容について相談したり、サービスの一貫した体験として混乱がないか、UXライティングチームにプロダクト内部の世界観や言い回しから大きく外れていないかを確認したりと、各部署のプロフェッショナルたちにフィードバックをもらいながら、じわじわとですが着実に、仮説の確度を上げていきました。

※ ドメインエキスパートとは「内容領域専門家」とも言われ、専門的な知識を扱いプロダクトに貢献する役割のことです。今回は、封筒とセットで使用するテンプレートの内容などの細かい部分について相談しました!

Step 2: 運用フローを可視化して「効率化するステップ」を整理する

ヒアリングを通して明らかになってきた書類の回収フローをmiroで可視化して、封筒を使うことでどのステップを効率化できそうかを検討しました。

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フローを可視化・整理することで、以下が明らかになってきました。

・封筒でできること
・封筒では難しいこと
・封筒ではなく別紙での補完などが適していること

特に、提出期限といった重要かつ企業毎に異なる変数の情報を、フローのどこで補完するかなどを検討しました。
封筒自体に労務担当者が提出期限などを印刷することはコピー機等のオフィス環境次第で実現が難しいことなどもわかり、最終的には、変数がある情報については多くの方が運用しやすいように別途A4サイズで出力できるテンプレートを配布して補完。フロー全体を整えながら、封筒のデザインと、セットで使うテンプレートの内容を調整しました。

Step 3: フィードバックを反映して「機能するデザイン」を検証する

ヒアリングを通してわかってきた重要なポイントの中で、視覚的に達成したいのは特に以下の2点でした。

・他の郵便物に埋もれない
・ひと目で年末調整の書類が入っているとわかる

検証するために、実際に複数のデザイン案を原寸で出力し、郵便物に挟んでみて見つけやすいかどうかを確認しました。

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▲ 実際に郵便物の中に入れてみた図。封筒の上下にある斜めストライプのあしらいを意識して探すと、グンと見つけやすくなります

また、実際に世の中で機能しているデザインを参考にするために、レターパックや各種運送会社様の伝票を参照しながら、デザイン作業を進めました。

ちなみにこの時点で、

・「埋もれない」ことを最優先にしてみた、やや極端なカラーリング
・ブランドの印象をキープするために白さを残したカラーリング

といった観点でも検証しましたが、SmartHRのアイテムとしてどうか?と機能は果たせそうか?のバランスを見ながら確認していたので、ボツにした案も色々ありました。

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▲左:白の印象を残しましたが、埋もれてしまうためボツ。右:とにかく目立つようにアクセントになる色を全面に使う検証をしてみましたが、SmartHRらしさから遠ざかりすぎそれはそれで年末調整関連(SmartHR関連)であることが紐付けにくい印象になるためこちらもボツにしました

このバランスを確認した背景を少し補足すると、この封筒でSmartHRのサービスを印象づけたいという意図はありません。SmartHRのサービス本体を利用している方にとっては、この封筒もサービスの一連の体験のひとつとして感じられるデザインになっている方が、実際に封筒を使用する際にもわかりやすいのではという考えのもと、一定の「SmartHRらしさ」を意識してデザインしました。

完成〜!

3つのステップを経て、完成した封筒はこちらです🎉

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完成したデザインの詳細は、このあとのセクションでご紹介します!

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年末調整書類があつまる、便利ポイント8選

便利に使ってもらえるように考えた中でも、
特にポイントとなっている8つをピ ックアップしてお伝えします💁💁💁

まずは年末調整担当者の方向けの、
書類回収をサポートする便利ポイントからご紹介!

1. 他の郵便物に埋もれない

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 封筒の上下にエアメールのようなあしらいと「年末調整書類在中」というテキストを模様のように繰り返し記載。このあしらいによって、他の郵便物に埋もれている状態からも見つけやすくなります。

2. 氏名・社員番号・部署名が封筒の外からわかる

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封筒の窓部分からは氏名・社員番号・部署名が見えるように配布テンプレートが設計されているので、封筒を受け取ったあとの管理がスムーズになります。

3. 担当者以外の意図しない開封を防ぐ

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封筒の表面はもちろん、封筒のフタ部分にも「担当者以外 開封厳禁」という表記を特に目立つように配置しました。他部署の方でも注意書きに気付きやすくし、意図しない開封を防ぎます。

4. 提出漏れなどを予防するチェックリスト付き

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封筒の裏面には提出前のチェックリストを用意しました。封をする前に内容物が適切かどうかを最終確認できるので、提出漏れなどを予防します。

5. 使い方と各種テンプレート(※)もあります

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封筒を十分に活用してもらえるように、使い方の簡易マニュアルから社内周知用の素材など、運用をサポートするお役立ちアイテムも各種ご用意しました🙆

※ 使い方と各種テンプレートは、無料でどなたでもダウンロードできます!用途に合わせて印刷してご活用ください

● 封筒の使い方
封筒を配布するまでの手順をまとめた、「年末調整書類があつまる封筒の使い方」という使い方のマニュアルを用意しています。

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● 年末調整原本明細書
この封筒専用に今回作成したオリジナルの書類
で、従業員からの提出内容一覧と送付先住所の宛名を兼ねており、必ず封筒とセットで使用します。また、切手代のめやすも記載されているので、切手代不足などで返送されてしまうなどの事態を予防することができます。

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● 社内周知用のチラシとバナー
A4サイズと16:9の横長サイズの2種類で、社内周知用のアイテムを用意しました。印刷してオフィス内に貼ったり、オンラインミーティングのときにスライドで画面に表示したりと、場面に合わせて周知する活動にお役立ていただけます。

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 ▲社内周知用のA4サイズのチラシと、16:9の横長サイズのバナーイメージ

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▲チャットツールなどで投稿した場合のイメージ。社内周知の際に、告知文と合わせてバナー画像もご活用ください


● 原本貼付台紙
原本書類を貼り付ける台紙の運用方法は各社さまざまとのことで、シンプルな台紙を用意しました。運用に合わせてカスタマイズして活用していただけます。

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▲原本貼付台紙のイメージ。貼り付け方ガイドのあり・なしの2種類があります

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このあとに続く3つのポイントは、
書類を提出する従業員側の視点からも考えた、
提出の負担を軽減するための工夫たちです💪

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6. テープのり付きで簡単に閉じられる

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予めテープのりが封筒に付いているので、わざわざのりやセロハンテープを用意する必要なく、サクッと封をすることができます。

7. 返送先住所の手書きが不要

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さきほど紹介した専用テンプレートのひとつで、封筒とセットで使う「年末調整原本明細書」は、返送先の宛名を兼ねています。この書類を封筒の窓から見えるように他の書類と重ねて入れると、返送先住所を手書きする必要がありません。(ちなみに「年末調整原本明細書」には切手代のめやすも記載しているので、提出する際の参考にどうぞ💁)

8. 封筒を自分で用意する必要がない

普段はコンビニなどにわざわざ封筒を探しに行く方も多いかもしれませんが、会社からこの封筒を配布されると、郵便1通のために封筒を買う必要はありません!

以上、ずら〜〜っと書きましたが、このように小さい工夫が積み重なって、今回の封筒が作成されています!!!


こんな方に使ってもらえると嬉しい🙏

どんな事業規模の組織でも使っていただける設計になっていますが、封筒を使う人数が多くなればなるほど、書類回収のステップひとつひとつの軽減のインパクトも大きくなるので、年末調整対象の人数が多い企業の方ほど効率アップを実感していただきやすいかと思います!

他にもこんな方にもオススメです💁

・数百人以上の規模の年末調整を対応する予定で、
 運用や社内周知の準備を控えている方
・リモートワークの従業員が増えて、
 今年も個別郵送で回収するケースが多そうな方
・SmartHRを導入していて、合わせて使ってみたい方

少しでも「年末調整の書類回収を効率化したい!」と思っている企業のみなさまに使ってみていただけると嬉しいです。

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封筒の製品詳細はこちら

「年末調整書類があつまる封筒」はSmartHR Storeで販売中です!
下記のURLからアクセスしてください😉

🔗 SmartHR Store - 年末調整書類があつまる封筒
 https://omise.smarthr.co.jp/products/nencho-envelope

SmartHR Storeからのお知らせ

今週は他にも新しいお知らせが2件ありました🎉

・ビジネスチャット用カスタムemoji(きほんの40種)が配布開始!
・個人の方でもご購入いただけるようになりました!

SmartHR社のSlackでよくつかわれているカスタムemojiについては、公開してから3日ほどですがすでにたくさんの方にダウンロードいただき、ご好評をいただいています🙌

詳細はこちらのnoteもご覧ください🧚‍♀️💫

さいごに

今回ご紹介した、年末調整書類があつまる封筒をつくる過程で軸になっている想いは、サービスビジョンの「Employee First. すべての人が、信頼しあい、気持ちよく働くために。」という指針です。これはSmartHRのサービス本体はもちろんのこと、今回のようなアイテム制作でも最も大事にしています。

日々の業務のなかで、現状なんとかなってはいるけど少し気を張ることや、もっとこうできるといいのになぁと気づいても、目の前の業務で手一杯でなかなか着手できないこともあると思います。そういったことが重なると、ただでさえ色々な変化が多い昨今、仕事に対してあまりポジティブになれない気分のときもあるのではないでしょうか。

そんなきっかけになっている大小さまざまな非合理に対して、アイテムを通してオフラインからも業務を支援をすることで、気持ちよく働ける人を少しでも増やし、支えていくことができたらと思っています。今回の封筒はそんな想いを込めてつくりました。

これからも、人事・労務の方をはじめとしたすべての人が気持ちよく働くための工夫を色々な形で提供していきますので、どうぞよろしくお願いします!😉

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