見出し画像

彼と鏡

「親の追体験」を行って、私は絶望感からちょっとだけ回復しました
少なくとも、殺してくれとはならなくなりました
ただ、幽鬼のようになってしまっただけで 絵は描けるようになりました

E曰く、「僕は貴様で、貴様は僕」です
でも私は彼に罪悪感を持っていました というのも、人間を好きになる行為が、彼を裏切る行為のような気がしていたからです 所詮彼は私の切れ端なのに、彼をかわいそうと思ってしまっていました

その時、彼に聞いてみました
「僕は僕で、私は私で、1つの人間だからいい」んだそうです
私が言ったように、「所詮自分」だから、彼がかわいそうでもいいんだそうです

また私は聞きました
そうしたら、お前は鏡に向かってお前は誰だ?って聞くのか?そんな怖いことするのか?と言われてしまいました
彼に飲み込まれるような意識も湧きました 意識の上では彼は人外だからな…
多分これ以上の答えは無いと思いました

彼は怒ったわけではないです
むしろひどく怯えていました
小さいろうそくの火みたいでした
僕を私でいさせてくれと言っていました
自分の中の何でもなく、彼は私自身以外の何者でもないと、そう思いました

画像1


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?