見出し画像

彼が傍観者であったとき

※性的な内容が含まれます

彼氏とは就職してから2年後に別れた。
向こうからだった。
本当は大学卒業直後に言い出したかったらしい。でも、怖くて言えなかったって。
そこまで私は必死にすがってみえたのだろうか。
彼氏はことあるごとに「浮気するかもしれない」と言う人だった。
私はそれが脅されているようで怖かった。泣いて、浮気しないでとすがった。どんどん依存していくのを感じた。今思うと。
Eが遠くで見ているのを感じた。Eの事なんてどうでもよかった。
彼氏と結婚して幸せな家庭をもつんだと、そう思っていた。
あきらかに、冷められているのに。

心と物の貸し借りの整理ののち、
最後は、LINEの返事しなくてごめんなさい と土下座された。
(彼氏はメールなどの返事がめちゃくちゃ遅い人だった)
あっそ、と返して私は彼の家を後にした。

私は今でも、そいつの事を憎んでいる。
私の外見を馬鹿にして、尊厳を踏みにじったなと憎んでいる。
あるとき言われた。「友達に君の事をこう説明した。内面が好きになった。外見じゃない。」
「外見じゃない。」要るか?そこ。
顔の出来が悪いっていいたいんだろ?

彼氏はカメラが好きだった。私は横顔、頬の形がコンプレックスだ。
私がモデルになった時があった。横顔を頬まで隠すように言われた。
顔の出来が悪いって言いたいんだろ?

私が生理が辛くてピルを飲み始めたら、ゴムを付けない素振りを見せた。
ゴムはつけろよ、と言ったら、ほんの少し、うろたえた。
私はただの性処理用の道具か?

彼は全て否定した。顔の事言った、言ってない。の繰り返し。
無意識なんだと思う。無意識にデリカシーがない。極限のデリカシーのなさ。

だから私も最終的に、もの扱いされた仕返しとして、名目上の彼氏を性処理の道具としたんだと思う。「生まれてくれてありがとう」を御旗に掲げて。

私もおかしかった。
彼氏もおかしかった。(実際彼の家も家庭崩壊していた)

そもそもおかしくない、普通とはなんなのか?

同時に彼氏に言われた言葉もある。
「幸せになってほしい」

お、おめぇに幸せにしてほしいんだけどぉ…と思った、当時は。
でも、そんな能力もキャパシティも、彼氏にはなかったんだと思う。

幸せってなんだろうか?

セックスしてる時は幸せだった。
私は一歩間違ってたら、性依存症も併発していたと思う。
人の温もりと一時の快感を求めて、さ迷い歩く。
でも、そこに、現実の男性への恐怖と自己卑下があるから、そうはならなかった。

家庭内の精神的暴力。
中学の時の男子生徒からのいじめ。

性嫌悪と過剰な性欲の共存。
男性恐怖と夢女じみた誇大妄想。

Eには、いろんな欲をぶちまけていた。
それはもう正直に。だって絵に描けるもの。
それに、Eは、ことあるごとに口にしていた。

「僕は貴様で、貴様は僕だ」

だから、好きにしていいんだって、思った。
そしてそれを、Eは受け止めて、時にはスイッチして、Eから来ることもあった。

画像1


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?