見出し画像

全部やる→それって疲れるだけだよ。

 テント設営には慣れてくるとある程度のこだわりがでてくる。特に愛用のテントを説明書通りにきっちり張ると、テントはかなりきっちりかっこ良くできる。いい加減にやると、部分的に歪になったり、弛んだりする。そんな状態で突風とか自然環境の悪化を受けると、どんなに丈夫とされているテントでも倒壊する場合もある。僕の場合、うちの奥さんがテントを設営することに参加するとこの歪な部分やたるみの部分がどんどん出てきて、見ているだけでイライラしていた。そして説明書は見ない人なので、どのポールがどこに差し込まれるかなんてお構いなしなのだからさらに面倒くさい。結局、自分ひとりで設営したほうが、さっさと進む上に綺麗に張れる。が、テントやタープの張る量が増えれば増えるほど、またテントの大きさが大きくなれば余計に、設営するための体力と時間が必要になる。で、横で暇をつぶしている家族をみると余計にイライラするという悪循環に。ついでにこれは撤収にも起こる。(できるだけ家や近所の公園などで家族でテント張り練習キャンプごっこをしておこう。)
 キャンプ場に行くと、この現象はよくわかる。仲良く二人で張っているご夫婦が、ご主人の何気ないヒトコトから次第に険悪になっていく。やがてポールが立ち上がる頃には派手に大げんか。そう、テントの設営なんて、本当のこと言えば超面倒くさいことの第一歩だったりする。
 その後、料理を作り、バーベキューをし、ダッチオーブンの様子をみながらスモーカーの時間をはかる、一通り食べ終わったら、食べなかった残飯を野良猫や動物に荒らされないように綺麗に片付け、寝床を整え、ランタンを消して、なんて、書いてるだけで疲れてくる。旅館じゃないからね、全部自分たちでやらないといけない。家よりもやることも多かったりする。
 なんでも器用にテキパキできちゃうパパを除いて提案するけど、最初のキャンプはキャンプ場に併設されていたり、近くのレストランの外食でもいいと思う。山登りだってテントで泊まる時、めんどうくさければ山小屋で夕食だけ食べる。最初から詰め込み過ぎるとキャンプなんて苦痛になって結局行かなくなると思う。火を熾すのだって初心者には一苦労で、ガソリンや灯油などの液体燃料を使うランタンやストーブなどは、どきどきしながらも時間をかけ、ゆっくりと着火方法の感覚を覚えた方がいいと思う。あわててやるとろくなことがない。一泊二日ではなかなかそんな余裕はない。
 僕はダッチオーブンを使うときもあるが、今はもっぱらツーバーナーの上に置くフォールディングオーブンを使っている。これでもパンも焼けるし、スーパーで買ってきた出来合いのピザも簡単においしくなる。なによりダッチオーブンの様に使い終わったら、よく汚れをとって、また油を塗って新聞紙に包んで、という手間がかからない。煮込み料理とかはできないがオーブンというだけあって、たいていのオーブン料理はできる。ダッチオーブンを使うとすると、トライアングルポッドを立てて、焚き火台に薪をくべ、もちろん料理の下ごしらえも、となる。これだけで一日仕事のように思える。一泊二日では無理だよね。
 スモーカーもやっぱりツーバーナーのうえでできるインスタントスモーカーを使っている。燻製は本当にたまにやる。というのもうちの家族は燻製料理があまり好きではないので、おつまみ程度にできればそれでいいから。もし一度試したいならならダンボールのやつでも十分できる模様。
 飯盒炊飯もやると楽しいけど、失敗すると主食がなくなる。ここは薪を使ってカッコよくなんて思わずに、ツーバーナーなどのストーブで火加減自在に簡単にやったほうが早くてわかりやすく、「今日のカレー、ごはんがないね」なんてことにならなくて済む。たき火でやるときは失敗してもリゾットにできるなどフォローできるメニューの時に練習したほうがいい。もしくは家で炊き方の事前に炊飯訓練を。
 焚き火は癒やされ感が半端じゃない。ぜひ焚き火台は購入したいところ。キャンプ場によっては直火でOKのところもたまにあるが、芝生を大事にしているキャンプ場などでは、焚き火台から火の粉が落ちただけでオーナーにキレられることがある。最初に買うなら簡易的なものでなく、なるべくどっしりとしたのがおすすめ。僕はユニフレ―ムの物を最初に購入したが、受け皿のところが熱で歪んだのを見て、スノーピークのものに替えた。値段高くて重量が重いという、お得意の特徴があるが、とても丈夫で折りたたみ形状はかなりコンパクトになる。また焚き火やBBQをするときはかならず、チャコールスターター(煙突型の着火器具)かガスバーナーも一緒に準備しておく。昔、実家で使っていたお風呂が薪だったから、簡単に火を熾せると自身満々だった僕の奥さんも最初のキャンプでまったく火を熾せず、前述のとおり煙ばかり登ってしまい、終いには他のキャンパーに嫌味を言われ、やる気をなくしました。
 一泊二日くらいのキャンプだと、設営、撤収の時間がとられるため、どうしても詰め込み気味になってしまう。そんななかで、あれもこれも無理なので、料理はシチューでいいや、焚き火を楽しもうとか、キャンプ場のイベントをメインに夕食はレトルトでもいいなど、やれることと、やると無理なことは考えておいた方がいいと思う。
 2泊以上するなら時間はたっぷりだから、今日はダッチオーブンでローストビーフを作って、次の日はBBQで焼き肉をたらふく食べるなど、内容充実、設営撤収にも余裕ができる。ちなみに僕は1泊だったら面倒だからあまりキャンプにいかない。ついでに冬は鍋料理以外しない。というか鍋料理以外はすぐに冷めてしまって美味しくない。飽きやすい性格も相まってダッチオーブンの料理も最初に何回かやって満足してしまい、手の込んだ料理はたいてい失敗するとまずいことを身をもって知った。実際に家族には作ったダッチオーブン料理でおいしいおいしいと食べてもらった記憶はあまりないのである。料理下手なんだよな・・・きっと。


<続>

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?