【映画感想】TENET

※物語の核心に迫るネタバレがあります※

評価

★★★☆☆
・映像、演出、音楽は凄い
・ギミックとの噛み合いの悪さ
・時間と予算が足りなかったのか?感
・わかりやすかったけど、目新しさも無かった

どんな映画?

人類を巻き添えにした自殺を止めるため、現在と未来からの壮大な挟撃作戦。現在と未来からの壮大な挟撃作戦なんだけど、やってることは傍迷惑な自殺の阻止。えぇー。あと名無しの主人公が主人公で主人公じゃないと見せかけて主人公でした。そうですか。そうですね。

クリストファー・ノーラン監督の2020年期待の最新作、だったのだが、肝心の『逆行』のギミックがアクションとパズルが当てはまっていく爽快感との相性が悪く、なんとも中途半端な出来になっている。またキャラクターの掘り下げが薄く、なんかアクション凄かったね、映像凄かったね、までで終わってしまう。惜しい。

主人公にはなれなかった

お前はサトシがピカチュウでイワークを撃破したことを知っているか?電気技が効かない相性最悪なイワークをスプリンクラーで撃破したアレだ。
『逆行』というオチが先に見えるギミックを、アクションに組み込んで映像化したのは凄い。凄いんだけど、イワークに10万ボルトをかますピカチュウだ。電撃の派手さとピカチュウの可愛さがあり、画にはなる。でも、効果は無いみたいな。ピカチュウはかわいい。

そんでTENETにはスプリンクラーは無かった。ストーリーも、キャラクターも、(一番期待していた)パズルが埋まっていく快感も無かった。
『逆行』のせいで伏線もわかりやすく、中身が透けたビックリ箱で肩透かしだったし、尺が足りなかったかキャラクターの掘り下げも無く、その割にはわらわらと数だけは多い。主人公は名無しなくせに。

尻スボミー

おれが観た範囲のノーラン映画は、ルービックキューブで、なんかわからんけど色々回してるのを観て、終わると面が全部揃っていて、またその頃には何故そう回していたのかが理解できる。という感じ。

対してTENETはジグソーパズルで、まず初めに完成形がわかって、それに向けてパズルを埋めていく。せいぜい驚けるのは完成したパズルをはめ込む枠が思ってたより豪華だったな、っていう所くらい。

わかりやすいんだけど、どうしても尻すぼみになるんだよなあ。ギミック自体は悪くないんだけど……優秀なタイプに不遇なタイプが混ざっているポケモンみたいな感じ。

まとめ

評価しているのは、2時間半を超えても最後まで観ようと思わせるテンポの良さ、映像・演出・音楽の良さがあった。正直、期待し過ぎていたというのは否めない。(前日にメメントやらSearchやら1917やら観てたのもある)

それでも、新しい切り口で、美しいパズルを観たかった。魅せてほしかった。そこに期待してしまうのがクリストファー・ノーラン監督なんだ。わかったか。

作品内で過去や未来について掘り下げが薄かったのは、続編あるのかな~ってのも感じている。もし続編があったら、それでTENET全体として素晴らしい出来になる可能性も十分にあると思う。という期待も込みで、★3つです!!

(無いと思うけど)

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