新しいことを始める時に意識していること

今年20代から30代への敷居を跨ぐ節目の年となった。
生きてきた前10年を振り返ると、色々なことをギュッと凝縮して経験してきた。

多くの人にとっては、大したことないことかも知れないが
自分自身にとっては、かなり違った10年後を生きていると感じている。

そんな10年後の今、これからの10年を新たに始めるに当たって
また色々な経験をしたいと考えている。

ただ、前10年と違って、能力も考え方も知識も経験も違ってきているので
当然、表面的な部分では、別のアプローチで新しい物事に取り組むことになるだろう。

しかし、深層的な部分
新しい物事にチャレンジするために必要なイロハのようなものは、どんな時でも共通する感覚がある。

その『うまく言葉で説明できるか分からないモヤモヤした部分だけど、とても重要な要素』を、何とか言語化してみたいと思う。


1. 新しい物事を始めるに当たって、一番大事なこと。

とにかく、思い立ったら吉日。
兎にも角にも『やってみること』である。

例えば、あなたが今年30歳になるとしよう。
そんな折、あなたはどこかでたまたま見かけた『バイオリン』に心が奪われた。

「バイオリンをやってみたい。」

そう思ったあなたは、おもむろにネットで『バイオリン 初心者 始め方』と検索したとしよう。
出てくる情報が、10代向けの情報ばかり。

「ああ、やっぱり若い子じゃないとダメなんだ。」

そうして、バイオリンに触ったこともないのに
『若者向け』と断じてしまい、バイオリン熱も冷めてしまいましたとさ。

諦めるのも一つの技だと思うので、この物語の良い悪いを話したいわけではない。
ただ、せっかくならばバイオリンに「触る」ぐらいはやっても良かったのではないだろうか?

ネットの情報は、「プロのバイオリニスト」が書いている場合もあれば
「バイオリニストに憧れていた元音大生」や「バイオリンという存在が許せない!」という方まで様々混ざっている。

そのような情報に踊らされて、自分にはできない。始めるには遅すぎる。どうせやっても無駄。
と、安易に決断してしまうのは、大変勿体ないと言わざるを得ない。

バイオリンに触ってみて、音が出ないという体験をするだけでも意味があると思っている。

どうせいつかは「諦めなければいけない日」が来るのだから、考えずにとにかく『やってみること』が何よりも肝心である。


2. 新しい物事を始めた後に、真っ先にすべきこと。

個人的に、新しい物事を「独習」するのはあまりオススメしない。
変なクセがついたりすると、後々で直すのは大変だからだ。

もちろん、独習が合っている人もいるが、それは「基礎」が分かっているからだ。基礎ができているならば、独習しようとも変なクセは付きにくい。

大抵の初学者は、まず「プロの教え」を受けるべきだろう。
ここで言う「プロの教え」とは、何も対面して教えを乞え。と言っているわけではない。

「師匠」に当たる存在は、もしかしたら100年前にいなくなっている可能性だってある。では、どうしたらそんな師匠に教わることができるだろうか?

手っ取り早いのは「本を読むこと」である。

本を読む?それは「独習」ではないのか?と思われるかも知れない。
私の言っている独習とは

専門的な知識を得ようとせず、自身の想像のみを頼りに、デタラメでなんとかしようとすること

を意味している。

例えば「バイオリンを何の情報も得ずに、とりあえず掻き鳴らして、音が出ていると思われる状態にする」ことを指し示している。

バイオリンと言った楽器、いわゆる音楽には「型」が存在する。
柔道、茶道、華道と言った「道」を歩む人々も、先人からまず「型」を学ぶことを最初に行う。

型を学ばずに、何となく人を投げ飛ばす、何となく熱いお湯に抹茶を入れる、何となく剣山に花を突き刺す。
それは果たして「できた」と言えるのだろうか?

適切な型を学ぶことは、その道を歩むために絶対的に必要な基礎を手に入れることと同義である。
その型をどこから学ぶのか?それが人であったり、本であったり、今だと動画であったり。「プロの教えの受け方」は、人それぞれである。

寿司職人になるのに、寿司屋で10年も修行する必要はない。
調理師学校に1年通えば十分だ。

と誰かが言っていたのを、耳にしたことはないだろうか?

先の話を当てはめると、どちらも「寿司職人の型」を学ぶ手段であることが分かるだろう。
(10年が良いか、1年が良いかは、価値観によるのでここでは割愛する。)

まずは『型を身に染み込ませる』こと。
新しい物事を始めた際には、これを真っ先にすべきである。


3. 新しい物事に慣れてきたら、やったほうが良いこと。

やってみて、型に触れ、先人の小指ほどでもできるようになったら
ぜひ、発表の場を設けて欲しい。

これは何も公の場で発表会を開け。と言うことでもない。(もちろん、望ましいことではあるが)

近しい間柄の人(例えば、友人や家族)に、こんなことができるようになったと見せてみると良いだろう。

最初は、かなり緊張すると思う。この「緊張する経験」が大事なのだ。

近しい間柄の人なので、評価は甘々である。(もしくは、基本を知らないので頓珍漢なことを言われるかも知れない。これはこれでラッキーである。)

そして、発表が終わった後に必ず感想を聞くのである。
良かった。面白かった。びっくりした。と言った、ポジティブな意見や
イメージと違った。もっとこうしたら?。つまらなかった。と言ったネガティブな意見まで様々出るだろう。

ポジティブな意見は素直に受け取ろう。そんなことはない、など言ってはいけない。嬉しい時は、嬉しがる方が後のモチベーションに繋がる。

ネガティブな意見は受け流そう。やっぱり、など思ってはいけない。主観から出てくるネガティブは、性癖みたいなものだ。
お尻好きと胸好き、筋肉好きと脂肪好き、きのk止めておこう。とにかく、相反する性癖は相容れないだけである。

但し、そんなネガティブな意見であっても、そう思われることもあることは、噛み締めなければならない。反省し、次に生かせれば、ポジティブな意見に早替りである。

自身の習熟度を試す意味でも、発表の場を設けることは、やった方が良い。


4. 新しい物事が一端になってきたら、振り返るべきこと。

慣れてくると油断してくるのが人間の性(さが)だ。

小さいミスが増えて、それを小手先で何とかするようになる。
反省が少なくなり、傲慢、あるいは臆病になる。

人から言われた意見に腹を立て始め、暴力を振るうようになる。
感情的に物事を解決し始めたら、危険信号だ。

自覚症状のない病ほど、進行が早く、手遅れになりやすい。

熟達し始めた段階で、初心に返ることが大事である。
バイオリンに初めて触れた感覚、バイオリンの初めての発表会での失敗、回りで支えてくれた先人や仲間たち。
今一度、その場に立てているのが何故かを自身に問う必要がある。

その場を守り続ける保守的な人間にもならない方が良い。
利権なんてのは、三途の川を渡る時まで持っていけるものではない。

新たな先人になったあなたから、また誰かが学び、道を進むことだろう。
そんな時、学ぶ道を見誤らせて良いのだろうか?

あなたが努力してきたことは、誰もが認めるところだろう。
だからこそ、利他的になる寛容さを持たなければいけない。

人をバカにしたり、コケにしたり、侮辱したり、相手のためだと言いながら己の快楽、満足のために暴力を振るうなど言語道断である。

初心を忘れず、謙虚に歩み続けることが先人としての務めであると心に刻まなければいけない。


5. 手放す勇気を持つこと。

要するに、また新しいことを始めましょう。ということである。

同じことの繰り返しになり始めると、どうしても成長が失われ始めてしまう。

常に生き生きと快活に人生を歩むために、リフレッシュすることも大事だ。

人生100年時代を目前に控え、江戸時代末期から考えると2倍以上も長く生きられるようになった。
高度経済成長時代の「良い大学、良い会社に行けば人生安泰」と言われる神話も崩れ去ってしまった。

逆に考えれば、定型ではない、好きなことをして生きていくことができるようにもなってきているのである。

常に自身を磨き続けることで、知識と経験が知恵となり生き字引となって
より人生を豊かにしてくれることだろう。

やったことないことは、どうしても尻込みしてしまうものだ。
知らないことに拒否反応を起こすのは悪いことではない。

ただ、事ここに至ったのであれば、また1から始めるのも人生の醍醐味ではないだろうか?

バイオリンができた。なら次はジャンベなんかどうだろうか?ハングドラムも楽しそうではないか。
いっそ、DTMでVOCALOIDに触れてみるのも新しい試みである。

10代、20代だから早い?50代だから遅い?70代だから無理?
私の祖父母は、80代だが、スマホ(しかも、普通のAndroid端末)やSNSをバリバリ使いこなしている。
なんなら、連絡もLINEでしてくるほどだ。

孫やひ孫に教えを乞い、そして同年代に使い方を教えている。
そんな祖父母を尊敬しているし、私も見習わなければと襟を正すばかりである。
誰でも、何事も遅すぎることはないし、諦めなければ何でもできるようになることを、私も先人から学ばせて頂いている。


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以上の5つ。

私が、新しいことを始めるときに心掛けている事である。
うまく言語化できている自信はないが、何となくでも考えていることが伝われば良いなと思っている。

もし、あなたが何か思い悩んでいることがあって、一歩を踏み出せない時に
このnoteが何かの手助けになれば幸いである。

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