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「ふるさと」につながる人との連携を

「中山間地域を解決したい!」

そのような思いを抱く方も、いるのではないでしょうか。

私も、ルーツである村の「村おこし」「地域振興」に関わるべく、微力ながらお手伝いをさせてもらっています。

そこで、中山間地域を活性化させるべく、現行の「ふるさと納税制度」の趣旨を振り返るのとともに、そこから考えられる「新たなつながり」の形成のヒントを提言したく思います。

「ふるさと納税制度」の趣旨

「ふるさと納税制度」は本来、故郷から働き口を求めて都市部に移動し、そこで生活する人が故郷に何らかの還元できる制度を、ということで創設されたものです。

故郷では小中学校または高校まで生活したけれど、働いていた訳ではないので税金を納めてはいない。現在居住している地で住民税を納めているものの、それでは故郷には何も還元できない。せめて、税金の一部を故郷に納めよう…これが本来の趣旨であったはずです。

ここでは、「趣旨との乖離」を指摘することを目的としません。

それよりも「ふるさと納税制度」の本旨である、旧住民本人はもちろんのこと、その子孫を含めて、故郷やルーツである地域との関わりを持ってもらうことが中山間地域の活性化につながるではないか、と考えます。

自身の「アイデンティティ」を確かめるために

「自分自身がどこで生まれ、どのようなルーツを持って生きているのか…」

この意識が、自分自身のアイデンティティの形成や、先祖との繋がりを心に刻むことにより「決して自分一人で生きてきたわけではない」という、心の中の『強み』を持つことができるのではないか。

昨今、「個人の自立」「個人主義」という側面が目立つように思いますが、現実として「個人」で生き抜くことは難しいですし、つながりがあることにより充実した人生が送れるという側面もあるでしょう。

何らかの「心の支え」があるからこそ、前向きに生きていける。その支えの一つが「故郷」であり、「ルーツ」なのです。

ある意味で「保守主義」(人間の理性には限界があるゆえに、伝統や歴史という「つながり」を大切にする考え方)に通底するものです。この「つながり」を大切にする気持ちがあるからこそ、共助や互助という「助け合い」にもつながる。なぜなら、故郷やルーツに限らず、つながりを感じ、「自分のこと」として捉えるからこそ、支えあう気持ちになれると思うのです。

「関係人口」を増やして地域振興を図る

故郷で生まれ育った人はもちろんのこと、中山間地域にルーツのある人に「つながり」があることに気づき、その地域に関心を持ってもらう。そこから、その地域への来訪により、一層の興味を持ってもらう。それが、結果的に中山間地域の振興に結び付けられるならば、有益ではないでしょうか。

地域振興策の一つとして、「関係人口を増やす」ということがあります。
たとえ「定住」という形でなくとも、年に数回訪れてもらう、行事に参加してもらう。このような関係を築いた人を「関係人口」といいます。
この「関係人口」を増やす策の一つとして、そもそも故郷やルーツという「関係」を持つ人に呼びかける。このような活動に取り組むことも、地域振興につながるものと考えます。


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