え、そんなもんなんだ…


おもちゃ付きの駄菓子を彼と買った。

普通、彼とショッピングセンターに行くとなると大体の人は、服を買ってもらったり同棲予定もないのに家具を見たりする。

私たちは駄菓子屋に行きおもちゃ付きのラムネを買って、

おうちに帰ってから開けようと約束する。

わざわざ家から離れたショッピングモールに出向いて買ったのは駄菓子のみである。

そんなのきっと私たちくらいである。

帰り着いて早速開けるとしょうもないくらい小さな本のしおりと、しょうもないくらい小さな口を大きく開けたカバの小さな模型だった。

小さいくせにクオリティーは高くて、何も考えずに口を、大開きしている黄色いカバはなんか愛くるしかった。

しおりは本当にしょうもなさ過ぎて捨てた。

今はすてたこと、少し後悔してる。

一人で開けるしおりと彼と開けるしおりは何か違うような気がしたから。

私は小さなカバをテレビの上にチョコンと置いた。

彼とは遠距離なので数日後さよならをした。

一か月もたたない頃にストーリーのメンションが来た。

大きく口を開けた小さいカバは友達に引き取られたようだ。

あれ、私結構気に入ってたんだよね。

二人で開けてたやつ。

その瞬間異様に孤独感を感じた。

離れてるし一人暮らしだし余計に感じた。

後から考えてみるとすっごくくだらない。

こんなにも私ってめんどくさかったっけ。という感情と

その黄色い小さいカバ、君にはそんなもんか、と。

後から自分がものすごく情けなくて。


男女のものの価値観を身近に感じられた体験だった。


デートでからあげにレモン汁を勝手にかける女はもしかしたらレモン汁が嫌いな男にとってはかなり嫌がらせである。

もちろん女に悪意なんて1ミリ単位もないのに。

この現象は何なんだろうか。

ああ例えも思いつかないなんて情けない。

まだまだ学ばなければいけないことはたくさんだ。

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