リハビリの家

昨年の11月に友人の占い師さんに占いをしてもらった。

その時主に悩んでいたのは家のことで、三つの引っ越し先候補について占ってもらった。

結果、最も現実的な選択肢であった今の家を占い師さんにも勧められ、今に至る。

その時恋愛の話もしていて、失恋した私に対し、占い師さんは「新しい家はリハビリの家になる」と言った。

リハビリの家。
印象的だった。

リハビリをしたことないのだけど、昔の傷の痛みなどを感じながら、思うように動かない体を一生懸命動かそうとして、少しずつ前に進む…というイメージだろうか。
(実際は、こんな簡単にまとめられない苦しさがあるのだろうと思っています。)

・・・

新しい家に引っ越してから好きだった人と会う機会が格段に減り、少しずつ忘れられるようになった。

というか、忘れている時間が少しずつ長くなってきた、の方が近い。

「あぁ、これがリハビリの家ということか。」などとしみじみ感じていた。

しかし「リハビリの家」を実感するのはそれだけではなかったのだ。

最近、「素敵だな」と少し感じる人に出会った。

その人と会い、お別れした後、つぼみを見つけた時のような温かい気持ちがぽわんと浮かんだ。

しかしその直後に、昨年から恋をし、失恋した“好きな人”のことが鮮明に頭に蘇った。

“好き”という種類の感情から思い出が呼び起こされたのだろうか。

強烈に、好きだったこと、表情、思い出が映し出された。

そして泣きそうになり「あぁ、今も好きなんだな」と思い知った。

…占い師さんの「リハビリの家」の意味を改めて理解した。

前へ進もうとする時に感じる痛み。

前へ進もうとするからこその痛み。

リハビリの意味が。


・・・


また少し月日が流れた。

先日noteに書いたように「好きな人の好きな人」に会い、自分の中で「もうほんとうに終わりかな…」と感じ始めていた数日後。
先に書いた「素敵だと感じる人」とまたお話する機会があった。

同じようにつぼみの気持ちが浮かんだ。
今回はさらにつぼみの数が多い。

やはり同じく、〜絵筆を水の入った容器に入れて、色が水の中に広がるときのように〜、“好きだった人”との思い出が映し出された。

けれど、前のように泣きそうにはならなかった。


むしろつぼみの温かさの方を感じている。

リハビリしているのだ。
少しずつ、この家で。

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