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夕焼けハントに出かけよう

夕焼け空を見ると、いてもたってもいられなくなります。

濃い橙色に染まった空、ぽってりとした火の玉みたいな夕陽も好き。
でも、心がとろけてしまいそうな淡い薄紅色が空に広がっているのはもっと好き。


ある日、おやつを食べながら家でゆっくりしていたら、突然窓の外が燃えるような夕焼けになっていました。
行かなくちゃ!
私は急遽夕焼けを見るためだけに家を出ました。

何も考えずに家を飛び出た自分の行動力を讃えたいと思います。
この日の夕焼けは濃い橙色で、一秒ごとに表情が変わってしまうような空でした。
私が外に出て間も無くして橙色が姿見えなくなってしまったので、少しでも橙色を浴びられたことは貴重でした。

この時から、私は夕方になるとますます落ち着きがなくなりました。
でも、夕焼けハントをしようと待ち構えているとなかなか良い夕焼け空に巡り会えないものなのです。
「あ、夕焼けタイムだ!」と思って出かけても、もう絶頂期は過ぎてしまっていたり、家に着いてしまった直後だったり、仕事中で動けなかったり。
なかなか絶景に巡り会えないからこそ、夕焼けハントで素晴らしい景色を見られると喜びもひとしおです。
夕焼けハントをしている私の欠点は、見たままの夕焼けの色をカメラに納められないこと。
もっと橙色が濃いのに、とか、ピンク色はもっと赤に近い色なのに、と、もどかしい気持ちは必ず付きまといます。
なにより、自分が見ることを優先してしまって、カメラが二の次になっているからかもしれませんが。

もちろん、夕焼け空は窓から眺めるだけでも心が洗われます。
淡い夕陽が家の中に入ってきて、部屋の中も家具も人形も全部が薄紅色に染まっている光景は、現実とは思えないほどの多幸感があります。
そしてたとえ窓越しであっても、その儚い色をあますことなく浴びようと、私は全神経を空に集中させます。
体じゅうを淡い薄紅色で満たすと、細胞一つひとつが魔法に包まれたような幸せな気持ちになれるのです。

夕焼け空に心を掴まれている私は、同じくらい朝焼けも大好きです。
夏の4時台の朝焼けはとても優しい紅色で、神聖な気持ちになることができます。
夕焼けに赦しのエネルギーを感じるのに対して、朝焼けには浄化のエネルギーがあるように思います。

朝焼けと夕焼けの時間、わずか数分の天から与えられた貴重な時間。
その時間だけでもふと手を止めて、それらを感じるゆとりのある暮らしをしていきたいと心から感じています。

それでは、皆さま、良い夢を。

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