Take Me Out to The... 第15週

 透はそんな自分が恐ろしくなった。彼女の笑顔を見るだけで、こんな気持ちになってしまうとは。今はもう、彼女が笑っていればそれでいい。そんな危険な考えが先程のむず痒い感覚とともに、頭まで駆け上って透の脳裏を支配した。

「どうしたの、青山君?」

 黙ったままの透に千尋が声をかける。

「い、いや……なんでも」

つづく

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