見出し画像

身の丈ソーシャルグッドは、人生100年時代の新たな選択肢になるか?

ライフキャリアを考える同年代のビジネスパーソンの方々へ。
少し立ち止まってライフキャリアを考えるスイッチになればと思い、徒然なるままにゆるくキャリアを語ります。
※全て個人の見解です

社会課題解決を志すシニアが増えている


意志は人を惹きつけるとはよく言ったもので、最近(この半年くらい)社会課題解決に興味の強いシニアな方にお会いすることが増えています。

どういった方かというと、大体2パターンで、昔から経験に基づく何かしらの深い課題感を持っていて(社会人ではなく学生時代、子供の頃に原体験がある人もいる)、修行期間を経ていよいよ課題をど真ん中においたキャリアを歩んでいこうと腕まくりしているタイプが一つです。
この原体験オリエンテッドなタイプの方は、求めるものがわりと明確ですが「実はまだ(再現性もって成果出せるか)自信がない」方が多い印象です。

もう一つのタイプは、どちらかというといわゆるデキるビジネスパーソンで、経営者や事業責任者など、一定レイヤーまで上がっている方の中で、ライフキャリアの変化(いちばん多いのは子供が生まれたこと)によって、熱量の矛先であり、使うべき時間をもっと社会課題の解決につなげていきたい、そんなハイキャリアピボット組とでもいうべき方々が増えて来ている気がします。

志ある候補者と、志ある企業をつなげる。世に言ういわゆる人材エージェント業らしからぬ「スキルマッチではない、価値観マッチ」を掲げるクライスを選んだ私。
実はこのソーシャルグッドな文脈はまさにどっぷり向き合っていきたい領域でした。どうして最近になってソーシャルを志向する方が目立ってきたのか。思うに2つの視点がありそうです。

2つの環境変化により、カッコよさも変わった


まず、転職マーケットの変化です。
2022年1月時点の有効求人倍率は1.20倍で、COVID19の影響が出始める前の2020年3月時点1.40倍と比べるとまだ低い水準ではあるものの、2020年9月時点の1.04倍を底に右肩上がり。
ある求人系レポートでは、主要な転職媒体の求人掲載数が約160%で高止まりしているというデータもあります。
売り手にとって非常に追い風であることは確からしく、これまで選びにくかったような選択肢が増えている、などの後押しがあるのかも知れません。

もう一つは、新しい生活様式に起因する新しいライフキャリア観です。
リモートワークを中心に「なんだやれるじゃん」という働き方の激動を目の当たりにして、これまでは優先順位をつけて諦めざるを得なかった「本当はやりたかったこと」を心の引き出しからゴソゴソ拾い直そうとしている人が増えているのかも、と思います。

米国の心理学者ドナルド・スーパーが提唱した「ライフキャリアレインボー」は私が大好きな考え方で、キャリアを仕事だけでなく、人生すべてにおける生活空間(家庭、学校、地域社会、職場、施設など)での多面的な役割の全体として捉える考え方です。

まさに職業人としてだけでなく、家庭における父として夫として、地域における住民として、社会とつながっている人間として、何をいつどのように投資していくのか。新しい暮らしの中で、この視野の広がりを感じます。

さらには、企業の寿命<人の寿命で、それこそ人生100年時代と言われて久しい中で、短期間で圧倒的に昇進するとか、同期よりも早く起業して経営者になる、など「時間軸の短さ」を一つのステータスにしていた時代は終わり、「時間軸長くとも本当に為したいことをやる」ことがカッコいい、そんな匂いがします。

身の丈ソーシャルグッド。これは私の造語ですが、社会課題解決の中でも、自分にとってより身近にある社会課題(私にとっては、子供、家庭、教育、障害、虐待など)に向き合う。
これまでビジネスで積み上げてきた経験を、身の回りにある本当に解決したいことに全力でベットする。これはめちゃくちゃカッコいいことだなと思いますし、これからのムーブメントになりうるのではないかと思っています。

ユニコーンじゃないよ、ゼブラだよ


ユニコーン企業に対抗する言葉として作られたゼブラ企業、ご存じでしょうか?
提唱者の一人であり、ゼブラズ・ユナイトの共同創業者のマーラ・ゼペダさん曰く、ゼブラ(日本語でシマウマ)は白も黒も、つまり「お金儲け」も「社会貢献」も同時に目指す、と言います。

急激な成長を目指すあまり、時にはライバルを破壊してしまう存在となってしまうユニコーンではなく、持続的な繁栄や社会との共存をゼブラは大事にし、他者との相利共生を目指す、つまり、競争優位性や差別化ではなく、コミュニティであり群れて活動すること(ダズルというようです)で総体として強く在ることを大事するという考え方です。

コミュニティや社会とのつながりは、COVID19により少し希薄化してしまった見方もあると思います。

自分が本当に解決したい課題を起点に、ソーシャルとビジネスの重なるところを増やしていく
これは今後のキャリアトレンドの一つになりそうです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?