闇のブローカーと不動産 第4話「契約の日」
代表の森、松本と何度か会ううちに、いよいよ契約の日が近づいた。
私は何千万もする借金に怖気付き、森にやっぱり辞めたいと伝えたが、「絶対大丈夫です、安心して下さい」などと言われ説得されてしまう。
契約の日、とある不動産屋で書類に記入・捺印をし、その足で銀行へ向かった。
銀行では事前の約束通り200万円のキャッシュバックを得た。
初めて見る大金の山に、私は目が眩んだ。
諸々の作業が終わると、森と松本は私にお礼を言いそそくさと居なくなった。
ローン契約を結んだので、早速来月から借入金の返済が始まる。
しかし、購入した物件は入居者がいない。
入居付けはどうしよう、リノベーションはいつしてくれるのか?
様々な不安がありながらもどこか他人事だった私に、数日後松本から電話がかかってきた。
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