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#大切な日が言葉になったなら

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インタビューギフトサービス「このひより」が贈る、「大切な日」を文章に残すプロジェクト。読みながら「自分のときもそうだったな」と思い出したり、「いずれこんな日がくるのかな」と未来に… もっと読む
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#出産

病院に向かう途中、月がすごくきれいに見えて。

2回目の「緊急事態宣言」が1都3県に出された直後の、2021年1月10日。滋賀在住、工芸作家の真珠美(ますみ)さんは自宅近くの病院で、3人目のお子さんを無事に出産しました。 過去、1人目・2人目のときに経験していたのは、自分の実家での出産。コロナ禍で東京への里帰りを諦めざるを得ず、当初は「とにかく不安だった」と真珠美さんは話します。 そんな彼女を支えてくれたのは、2回目となる育休を取得してくれた夫・祥秀(よしひで)さんでした。 ひとり病院に向かうタクシーのなかでの、不思

自分とはるの力を信じてみたいって。

 「出産は、楽しかったですよ」 おおらかな笑顔でそう話してくれたのは、1歳になるお子さんのママ、美羽さん。子どもを産むのって、すっごく痛くて……そんなフレーズを想像していただけに、彼女の口から出た言葉は少し意外でした。 美羽さんにとっての「大切な日」は、2019年4月3日。最愛の息子、はるくんが生まれた日。 出産の痛みを超える喜びがつまった日のことを、美羽さんははるくんを優しく撫でながら、ゆっくりと語ってくれました。 (聞き手・執筆/染谷楓 編集/ウィルソン麻菜)

信じられないよね、子どもがおなかの中にいるって。

「大切な日のこと、聞かせてくれませんか?」 そんな突然のお願いにも関わらず、自らの出産の日のことを教えてくれたのは香月さん。2歳になったばかりの蒼依ちゃんのママです。インタビューのとき、妊娠から出産までを綴ったノートを見せてくれました。 「蒼依が大人になってこれを読んだときに、クスって笑えるようにね」 今ではすっかり大きくなった娘の顔を、初めて見たときのこと。本当はノートを見返す必要もないくらい鮮明な記憶。かけがえのない経験をした、2018年5月29日の話です。 (聞