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「日日是好日」どんな日も、その日を思う存分味わう

オンラインセミナーを受けまくっています。先月は有料無料含めて月に8回受講しました笑。
その中の一つが「茶道のワークショップ」。抹茶スティックとプラスチックの茶筅(お茶をシャカシャカまぜるやつ)が事前に郵送されてきて、当日はZOOMで教えてもらいながら自分でお茶を点てて飲むというものでした。
これがなかなか美味しくて、更に「お茶」というものに興味が湧きました。「気になることは片っ端からやってみよう」モードになっていることもあり、茶道を習っている知人が前にオススメしてくれた映画の原作、森下典子さんの「日日是好日」の文庫本を買って読みました。
これがもうね、まえがきだけで泣きそうになるほど、心に響きました。

すぐにはわからないもの

私は紙の本を読むとき、付箋を貼りながら読み進めています。全て読み終わってから付箋のページに戻り、気になった言葉や素敵な表現をノートにメモしています。「日日是好日」はページ数は少ないものの、付箋をびっしり貼りました。
早速、まえがきから響きました。

世の中には、「すぐにわかるもの」と、「すぐにはわからないもの」の二種類がある。すぐわかるものは、一度通り過ぎればそれでいい。けれど、すぐにわからないものは、何度か行ったり来たりするうちに、後になって少しずつじわじわとわかりだし、「別もの」に変わっていく。そしてわかるたびに、自分が見ていたのは、全体の中のほんの断片にすぎなかったことに気づく。(まえがきより)

お茶の作法は複雑すぎて、右手持ったり左手持ったり、置いたり向きを変えたりが、季節や道具によって変わるそうです。最初は「形」だけマネしていても、続けることによってお点前が身体に染みついて無意識でもできるときが来るそうです。
きっとその無意識なときが「フロー状態」とか「ゾーンに入る」ってことなのかな?と解釈しました。季節によって雨の音が違うことに気づいたり、なんとなしに眺めていた掛け軸の言葉の意味を深く理解したり。

「雨の日は、雨を聴きなさい。心も体も。ここにいなさい。あなたの五感を使って、今を一心に味わいなさい。そうすればわかるはずだ。自由になる道は、いつでも今ここにある」(第十三章 雨の日は、雨を聴くこと)

私も本当にときどき、ふとした瞬間に「あれはあのことだったのかぁ」と気づく(別な言い方をすると「降りてくる」)ことがあります。歩いて帰る途中だったり、お風呂に入っているときだったり。
それはだいたい、リラックスしつつも「今」に集中しているときのような気がします。

「今を一心に味わう」

素敵な言葉ですね。

一期一会について

「好きな四字熟語は?」と聞かれて一番多い答えが「一期一会」なのではないですかね?私も好きな四字熟語ですが、「ひとつひとつの出会いを大切にしよう」くらいの意味で考えていました。

文庫本の帯の裏にも書かれていますが、「一期一会」という言葉の森下さんの出した答えはこの通り、とても深いものです。

会いたいと思ったら、会わなければいけない。
好きな人がいたら、好きだと言わなければいけない。
花が咲いたら、祝おう。
恋をしたら、溺れよう。
嬉しかったら、分かち合おう。
幸せな時は、その幸せを抱きしめて、百パーセントかみしめる。
それがたぶん、人間にできる、あらんかぎりのことなのだ。
一期一会とは、そういうことなんだ。(第十一章 別れは必ずやってくること)

季節や自然を感じながら、「人間にできる、あらんかぎりのこと」をしていきたいと思います。

四十にして惑わず

孔子は40歳になってから迷うことはなくなったと言っていますが、私はまだまだ、たぶんこれからも迷うでしょう。森下さんも「四十にして惑わずなんて嘘だった」と書いています。
そして40代になってからお茶を習い始めた方のことも書いています。お点前を覚えることは若い時から習うよりもずっと遅いものの、本人はとても楽しんで通っていたようです。

人生のキャリアを重ねてからお茶を始めた人は、若い時から始めた人とはまた別の奥深い発見をする。(第十二章 自分の内側に耳をすますこと)

私も習ってみようかしら…

思い立って、映画をすすめてくれた知人にプチお茶会として作法を教えてもらいました。そうしたところ、思っていた以上に複雑で(ってか、めんどくさくて笑)…きっと習いに行っても続かないなと判断しました(^^;

それでも、ちょっといいお茶碗を買って、自分のために丁寧に薄茶を点ててみよう。そして自分の内側に耳をすます時間を持とうと思ったのでした。

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