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管理職を目指した理由

「世の中に新しい価値を、科学の力で提供する」といった夢を抱いたのは中学生の時だった。必要な知識や技術を身に着けるために、高校→大学→大学院へと進み、入社後晴れて製品開発に携わる事となった。幸いにも夢を実現できる担当業務に意外にも早く恵まれ、私が思ってたよりもだいぶ早く、夢は実現した。

実際に製品化されたところを目の当たりにした私は、大変感激した。このために生きてきたと、報われたと思った。

一方で、実現したとはいえ夢の実現に対する現実を思い知った。
「死の谷」といった量産化への壁を表す言葉を知ったのは、この頃だった。

私は夢を失ってしまった。製品は「死の谷」を越えたが、私自身は疲れ果て、「死の谷」に取り残された。

もはや働く元気もなく、しばらくはあのような経験はこりごりだった。夢も実現したし、もう仕事辞めてもいいかなと思った。しかし、収入を失うし、他にやりたい事があったわけではない。しばらくダラダラ働いていた。

かつてほどの情熱は失いながらも、新たな担当業務もそれなりに面白く、興味深く取り組みながら次なる目標や夢を模索した。

同時に仕事をする理由を考えた。管理職を目指す事に決めた。

■仕事をする理由

私は何のために仕事をするのか。それまでの仕事は私の夢を実現する手段の一つだった。その夢はなぜ叶ったのか。その夢を実現した先には何があったのか。考えを巡らせた。

それは、最終的に人の役に立つものであった。ビジネスとして成り立つには、ニーズが成立しないといけない。ニーズとは即ち、誰かの役に立つ事である。生活が便利になったり、悩み事を解決したり、悲しい思いをせずに済むなど、誰かに感謝されるものだ。

私は生きていく中で、多くの人に沢山助けられている。
私も、私ができる事で、誰かを幸せにするために仕事をし続けよう。
「いい仕事」をして、感謝の対価としてお金を受け取り、私も私の幸せを感じる物事にお金をつかう。

■管理職を目指す事に決めた

「いい仕事」をするためには、もっと情報が必要だった。上司からの指示は一方通行が多く、なぜ、この業務をすべきなのか、優先度や重要度は他業務と比べていかほどか、上司に言われるがまま担当業務を遂行していると、沸々と疑問が湧いてくる。もっとスピーディに情報を得、俯瞰的な立場でビジネスを理解して議論に参加し、意思決定に携わりたいと思った。

また、戦略的思考性が強いなどの傾向から、管理職は向いているであろうと、いくつかの適性診断結果が指し示していた。

弊社特有の事情も含むが、管理職になると以下のようなメリットも享受できる。

①予定を合わせてもらいやすい
会議は、主要メンバーが参加可能な日時で組まれる。
管理職でなくても主要なメンバーとなる場合もあるが、管理職が主要メンバーとなる割合は高い。そのため、あらかじめ私用の予定を入れておけば、そこは配慮してもらいやすい。※緊急招集もかかるけどね。

②年棒制となる
必要な時に必要なだけ仕事を行う柔軟性が得られる事は、理想的である。
子供の急な発熱による早退など、所定労働時間が不足しても、満額の給与が支給される。また、好きなだけ残業することも可能で、制限はほぼない。

■まとめとその後

「いい仕事」をし続けるために、管理職を目指す事に決めた。

少々恥ずかしいので管理職を目指しているとは誰にも発言した事はなかったが、態度や言動に現れていたのであろう、引き立ててくれる人や様々な機会に恵まれた。昇格基準を満足するために必要な準備期間を算出し、照準を合わせてパフォーマンスを最大化させ、目指していたタイミングで昇格した。

ま、その後挫折を味わうのだが。。今は大きい挫折と思ってても、長く生きた後に振り返って大した事じゃなかったと、笑って言えればいいな。