中崎敏さん インタビュー

【オーディションの時、私たちスタッフ一同は中崎くんの声の深さと背中の大きさに<三船発見! >と思ったのですが、実際のところ三船というキャラクターと中崎くん自身は似ていますか?】

似ている部分はあると思います。まず、酒と議論が好きなところは似てます。1人で飲むことはありませんが。ただ、基本的に普段1人で行動することが多いので三船が三船たる所以も想像しやすかったです。頭の中で自分が感じていることを考えたり思惑にふける時間が増えたり。あと、三船の誠実なあまり、人に対して牙を向いているように見えてしまう部分は理解できます。ただ自分の場合は実際に相手にぶつけることは少ないですが。

【撮影の途中で突然、中崎くんが三船になったな、と思った日がありました。なにがあったんで すか?】
製作陣にいびられました。というのは冗談で。まだ手探りの状態で三船を掴もうとしている中で製作陣から自分がどう演じたいのか、わがままでもそれが許される現場であることを言われました。当たり前の事と言えばそうなんですが無意識のうちに勝手に求められていることがあって、それに応えたいという思考回路になっている事に気付きました。その事に結構なショックを受けて、自分がやりたいように三船を演じるという純粋な心持ちに切り替わりました。もし、三船になったなと思っていただけた日があったとしたらそれがキッカケだと思います。

【大切に思っている場所がありますか?それはどんな場所ですか?】
あります。そこは年齢に関係なく話が出来て、話を聞いてもらえる場所です。家族のように優しくしてくれて気を張らずに済む場所です。

【普段の暮らしの中で<壁>の存在を感じることがありますか?感じた時、どうしますか?あるいはどうしたいと思いますか?】

壁は対人で一番感じます。ただ自分が踏み込む勇気がなくて自分自身が壁を作ってしまっていたり、受け身であったりする事が多いです。それについてはどうするっていう明確な答えは出ていません。ただ不器用でも他人よりも自分自身に正直な人に惹かれますし、心を許せるのでそういった人間になって生きたいなぁとは思います。